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五重塔はどうして倒れないの?

建築学

日本には伝統的な建築物がたくさんあるけど、今でも壊れずにしっかりとしている。日本は自然災害が多い国なのに、どうして倒れずにずっと保存できているのだろう?

  • 先生、お寺にある五重塔って、ほとんどが木で造られたものなのに、何百年も倒れずに残っているのがすごく不思議。日本は自然災害も多い国だし、そもそも建物って古くなったら壊れやすくなると思うんだ。
  • そうだね。実は、日本は自然災害が多いのに、他の国と比べても古い木造建築が多く現存している理由は、まだ完全には解明されてないんだ。ただね、今ある古い木造建築は建築当初のままではなくて、解体修理といって、全てをばらばらにして、痛んだ箇所だけ交換して作り直されたものなんだよ。
  • そんな修理が行われているんだ!
  • しかもそれはね、他の国にあるような石やれんがの建築物では難しいんだよ。これも日本に木造建築が多く現存している理由だといえるね。
  • なるほど~! ほかに、なにか木造建築ならではの特徴ってあるの?
  • 木造建築には、調湿効果と呼ばれる優れた点がある。木は湿気の多いときに空気中の水分を吸収し、空気が乾燥しているときは内部に蓄えていた水分を放出するから、木造建築の室内はある程度の湿度を保てる仕組みになっているんだ。さらに、断熱効果も高い。そのおかげで、夏は涼しく、冬は暖かく過ごすことができるんだよ。
  • いいところばっか!
  • しかもそれだけじゃないんだ。実は、木造建築ならではの耐震構造っていうのもある。
  • 耐震構造?
  • 例えば、鉄筋コンクリートの建物は、がっちり固めることで地震の力に対抗するんだけど、木造建築の場合は、鉄骨のように何カ所も固定しないんだよ。それによって、地震が起こると木材がスポンジのような役割を果たして地震のエネルギーを吸収する、という仕組みなんだ。
  • 昔の人の知恵はすごいな……。
  • そうだね、しかもこの知恵は今の東京スカイツリーの耐震構造でも使われているんだよ!ただ、耐震性が高いとはいっても、大地震の際には倒壊してしまうことがあるんだ。だから今もなお倒壊せずに現存してる建築物の構造を分析した上で補修をする必要があるね。
  • なるほど。ところで、日本の耐震技術ってどのくらい進んでるんですか?
  • もちろん、日本は地震大国だから日々技術は進化しているよ。そのなかでも、地震時の揺れを軽減する「免震」と「制震」といった技術は極めて重要とされているんだ。
  • 「免震」と「制震」……?
  • そう。免震とは、上の荷重はしっかり支えるけれど横の揺れには柔らかいという構造のことなんだ。地震の揺れが建物に伝わらないように造られているため、規模が普通の地震ではあまり揺れないんだよ。そして、制振は、地震の揺れで建物が壊れないように、緩衝材の部分でエネルギーを吸収しようという考え方なんだ。
  • つまり、地震のエネルギーにどう対応するかという点が違うのか!
  • そういうこと!あとは日本の場合、免震構造の建物の数が世界でも圧倒的に多いんだ。
  • さすが地震大国。有名な免震構造の建物って何?
  • そうだな、東京ゲートブリッジは世界最大級の免震構造物として有名だよ。海の上にかかる橋で、災害のときに閉鎖されてしまうと迂回路がないから、ものすごく頑丈に作られたんだ。頑丈さについては、橋の構造から説明する必要があるね。
  • 聞きたい!
  • よし! まず橋には、自動車や人が渡る部分と、それを支える部分がある。そして、これらの間にはさまれているところを「支承」というんだけど、従来の免震装置はここにゴムだけが使われていたんだ。
  • ゴムだけ?
  • そう。だけど、大きな荷重のかかる橋では、ゴムがつぶれて硬くなってしまう。だから、新しい免震装置では、ゴムにはわずかな力しか、かからない構造になっているんだ。
  • あと、日本は、どの程度の強度のゴムを使ったらよいかを導き出す技術が進んでいる。そのおかげで、東京ゲートブリッジは、関東大震災クラスの地震でも壊れない構造になっているんだよ。
  • すごい!今の技術なら、大きな橋でも大地震に耐えられる構造にできるんですね!
  • そういうこと!自然災害が多い日本での日々の研究のおかげで、五重塔などの伝統建築物も含め日本にある建物は、あらゆる自然災害に負けない構造になっているんだよ。これは、先人の知恵と最新の技術があわさってできた業だと言えるね!
  • よくわかりました!
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