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文化・教養学の
学問分野解説
を読む

建築物を保存するのはなぜ?

文化・教養学

この間京都に行ってきたの。街全体がすっごくきれいで、写真いっぱい撮っちゃった!こんなに古い建物が残ってるってすごいなあ。

  • 先生、京都のお土産です! どうぞ!
  • あら、ありがとう。ナビ子ちゃん、京都に行ったの?
  • はい! 行ってみたら街全体が超フォトジェニックで、気付いたら夢中で写真撮ってました。あんなに古い建物がたくさん残ってるってすごくないですか?
  • それは「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されているからね。日本では、文化財保護法に基づいて古い町並みを残す動きが進められているのよ。このように保存された建物などは「文化遺産」と呼ばれているわ。
  • そんなものがあるんですね! もしかして世界遺産も文化遺産のひとつなのかな?
  • その通り! 世界遺産は、国連の下部組織であるユネスコが認めた文化遺産。日本では地方自治体が「伝統的建造物群保存地区」を文化遺産として選定し、そのうち国の文化庁がとくに価値が高いと認めた文化遺産をさっき言った「重要伝統的建造物群保存地区」とするの。
  • へぇ~。そうやって古い建物を保存しようとするのはなぜですか?
  • そもそも昭和25年に作られた「文化財保護法」では、「歴史上、芸術上、学術上、観賞上」などの観点から、価値が高いとみなしうる「伝統的建造物群」を含む6種類の文化財を保護することが規定されたの。
  • 例えば、世界遺産であるフランスのシャトル大聖堂が建てられた時代のステンドグラスはすべて色ガラスでできていて、それが生み出す空間が持つ宗教的な意味を体感できるし、ステンドグラスが描き出す図像の意味も研究されているわ。過去の建築物を研究することで、その時代の人々にとってその建築物がどんな意味を持っていたのかを解き明かすことができるのよ。
  • なるほど。それって、現代を理解することにもつながりますよね。
  • そうよ。だから文化財の保存には意味があるの。でも、近年は別の理由からも保存の動きが強まってきているわ。街づくりに対する考え方が変化してきたの。
  • これまでの都市計画では、普通の町は時代とともに新しく作り替えるのが当たり前だったわ。そのため都市化やバブル期の再開発などで、失われてしまった近代の名建築もたくさんあったのよ。
  • ええー、もったいない!文化財に指定しておけば・・・!
  • そうね。最近は近代化がほぼ最終段階に入ってきているから、人口や資源は減少してきているし、環境問題に配慮する必要もあるわ。だから町を根本から作り直す必要がなくなって、古い町並みを生かして町づくりをする流れになったのよね。これは日本だけじゃなくて、世界全体に共通しているのよ。
  • 世界全体で!
  • 最近は「いいものをつくって、きちんと手入れをして、長く大切に使う」という風潮もあるしね。身の回りにある資源をいかして、その環境をよりよく造りかえることを「環境造形」と言って、最近増えている古民家再生は、エコロジカルな、環境造形の一方法だわ。
  • いいことですね! この調子でどんどん文化遺産を増やしていきましょう!
  • ちょっと待って、文化遺産として認められることは、危険性もあるのよ。
  • え?
  • 文化遺産になると別の目的に利用される機会が増えてしまうの。例えば国の文化遺産は、国の歴史観と深く関係しているから、「国民」の象徴となる歴史的遺物を文化遺産と認める傾向が強いのよ。
  • また、観光事業の促進に文化遺産が利用されることもあるけれど、集客が第一になってしまって、文化遺産の本来の目的が忘れられてしまうこともあるわ。
  • 本来の目的かー。
  • また、立場によって文化的価値が異なる場合もあるわ。ミャンマーのバガンにある仏塔は、修復の際、新たに傘蓋(さんがい)が付けられたの。これに対してユネスコは、歴史的建築様式を無視した修復だとして、世界遺産に認定しなかったの。
  • うーん、なかったものを付けちゃったんじゃ仕方無い気も……
  • でも、修復を行った軍事政権は、信仰の対象としてよみがえらせることをめざしていたの。信仰の対象としては、仏塔に傘蓋があるのが現在の「正式」なのよ。
  • 立場が違うだけで考え方が全然ちがう……!
  • その通り! 文化的価値を理解するには、主流と非主流、支配層と被支配層など、相対する立場から同じものを見る必要があるわ。
  • 先生ありがとうございます。すっごく勉強になりました! ところでさっき渡したお土産、せっかくなので開けてみてくださいよ!
  • ありがとう。せっかくだし開けちゃうわって……ん?
  • 京都で撮った私の写真です!かわいいでしょ!
  • あ、ありがとう……これこそ文化的価値観のちがい、なのかしら……。

6 文化・教養学

人間の営みを深く理解する「文化学」

文化学は、衣食住といった生活様式から芸術・宗教などの人間の創り出した文化を、いろいろな角度から総合的に研究する学問です。異なる地域の文化について違いを分析する比較文化学や、生活スタイルや習慣を通して人間そのものを考える文化人類学、庶民の生活文化・伝統・伝承などを研究する民俗学などがあります。文献や資料に基づく分析だけでなく、フィールドワークなどの手段も駆使して研究を行います。

幅広い学問領域を横断的に学ぶ「教養学」

教養学は、複雑化する現代社会のさまざまな問題に対応するため、あらゆる学問領域を横断的に研究対象とし、人間や文化の解明をめざす学問です。研究のためには幅広い視野と、柔軟な思考力が必要とされ、扱う領域が非常に広いため、人間の営みを構成する要素なら、なんでも研究の対象になりえます。

将来 幅広い視野と柔軟な思考力や国際的感覚が培われるので企業の期待度は高く、特に語学力や情報処理能力を備えた学生は即戦力として活躍しています。在学中に教員免許や図書館司書、学芸員の資格を取得する人も多数います。
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