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日本語学の
学問分野解説
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外国の人から見て日本語って難しいの? 簡単なの?

日本語学

外国の人は「日本語は難しい」と言うけど、それって本当? 日本語の何が難しくて、何が簡単なの?

  • 最近日本に来ている外国人がすごく増えましたよね。日本で働いている人はとても日本語が上手だけど、「日本語は難しい」とも聞くし、実際日本語って外国の方には学ぶのが難しい言葉なんですか?
  • 一概に難しいかどうかは決められないね。例えば「瓶が浮かびながら洞窟に入っていった」を英語にすると「The bottle floated into the cave.」になるんだけど、この英語だけを見て訳しなさいと言われたらなんと訳すかな?
  • うーん、「瓶が洞窟の中へ浮かんだ」って訳しちゃうと思います。
  • そうだね。日本語だと「入って行く」という「動き」を動詞で表現するけれど、英語ではintoという前置詞だけで「移動」を表せるため、動詞はfloatedという様態を表す動詞で十分なんだ。つまり、同じものや同じ情景を見ても、言語によって表現の仕方が違うんだ。言葉の「組み立て方の違い」とも言えるね。
  • そうなんだ。日本語自体が難しいかどうかじゃなく、別の「組み立て方」を身につけている人が、日本語の「組み立て方」を身につけることは難しいってことなんですね。他にはどんな特徴が日本語にはあるんですか? 漢字という表記がアルファベット圏の人には難しそうだけど。
  • 確かに漢字は、使用しない外国人にとっては難しいかもしれない。だけど日本語は言語として習得の初級の段階で言えばそれほど難しいわけではない。
  • 例えば、まず、母音は5つだけで、発音する音の数はほかの言語ほど多くない。そして、複数形も、男性名詞・女性名詞も、現在完了形もない。疑問文にしたければ、語尾を上げるか、「か?」をつけるだけでも通じるからね。
  • それはそうかもしれないけど……。じゃあはじめはいいとして、日本で働けるレベルの日本語を学ぶのは難しくないんですか?
  • 簡単ではないだろうね。例えば日本語学習初心者に「止まれ、といった命令形は目上の人が下の人に使う」と説明しても、「目上の人とは誰か、いつ使うのか」といった具体的な状況がわからないと使えないだろうからね。
  • ほかにも、受身形の「ジュースを飲まれた」に迷惑を被ったという感情が含まれたり、感情と強く結びついた言葉である「オノマトペ」なども外国人には理解しにくいようだね。
  • 言葉が文化と結びついている部分が難しいんですね。
  • その通り! どんな人が何の目的で日本語を学ぼうとしているかによって、教え方を変える必要があるね。日本語を何らかの教育機関で学んでいる人は約400万人。なんと30年間で30倍に増えたんだ。熱心な日本語学習者が増えたことで、世界中で日本語教師の需要が高まっているんだよ。
  • えー! 日本語教師は、世界で活躍できるんですね。
  • それだけじゃないよ。国内に目を向けると日本はEPA(経済連携協定)という条約を結んでいて、例えばインドネシアからは、看護師や介護福祉士の候補者が毎年数多く来日している。質の高い技術や技能を日本で提供することに意欲的な海外の優れた人材のためにも、日本語教育の質の向上はとても大事なことなんだ。
  • すごいなぁ。自分は話せるからって思わずに、日本語をしっかり研究することって大事なんですね。日本人が話す日本語の研究もあるんですか?
  • もちろん! 例えば「見られる」が「見れる」となるいわゆる「ら抜きことば」。1923年の関東大震災以降、東京の復興のために、地方から多くの労働力が入ったんだけど、地方には「ら抜き言葉」のように聞こえる方言が多く、その影響で東京語でも「ら抜き言葉」が使われるようになったと言われている。
  • あー、よく間違いだって指摘されますよね。
  • ところが、数十年・数百年後には「ら」抜きのほうが正しいとされているかもしれないよ。
  • え! どうして!?
  • 助動詞の「れる・られる」には受身・尊敬・自発・可能の複数の意味がある。どの意味で使われているのかは、文脈で判断する必要があるんだ。ところが「ら抜き言葉」は、その中の「可能」だけを表している。言語には「単純で合理的な方向に動く」という傾向があるから、「ら抜き言葉」はむしろ進化の途中だとする考え方もあるんだ!
  • それは驚きです……! ならなおさら教科書に書いてある文法だけじゃ全然言語を学ぶのには足りませんね。
  • そうなんだ、だからこそ「日本語」という言語に向き合う研究が必要なんだね。
  • よくわかりました!

9 日本語学

言語として、日本語を研究する

国際化が進み、日本語や日本文化を学ぶ人が世界に拡大したこともあり、日本語を世界の中の1つの言語としてとらえ、日本語の成り立ちや構造・活用法、その歴史や特徴を研究する学問です。例えば、日本語が日本文化とどう関わっているかや、方言や性別などによる言葉の違いを文法上のルールとして説明できるようにするなどの研究を行います。

日本文化や日本語教育についても学ぶ

日本語に対する正確で幅広い知識と表現能力を習得します。さらに、日本文化に対する幅広い知識と理解や、外国の言語・文法・文化との比較研究を通して現代日本語の論理的な構造解明をめざします。また、世界中にいる日本語の習得を希望する外国人を対象とした、日本語や日本文化の教育方法や教材についても研究範囲となります。日本語だけではなく、日本文化に対する幅広い理解も求められます。

将来 学校教員免許(国語)を取得して学校教員になる人、学んだ知識を生かすために外国人対象の日本語教師や各国の文化事業コーディネーター、旅行・観光業界やマスコミ・出版関係を含む一般企業に就職する人が大半です。
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