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医療技術の
学問分野解説
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人はどうして二本足で歩くことができるの?

医療技術

ほかの動物と違って、なんで人は立って、歩くことができるの? 詳しく知りたい!

  • 友だちが足を怪我して、すごく歩きにくそうにしているんです。それで気づいたんですけど、そもそも人はどうして二本足で歩くことができるんですか?
  • 確かに、不思議ね。簡単に説明できない「人の歩行」だけど、いろいろな研究が進められているわ。例えば、人はサルに比べて、とても効率的な歩行をしていることがわかったの。
  • 効率的……。それって、どういうことですか?
  • 人が二本足で歩くためには、バランスをとりながら上手に重心の位置を移動させていくことが必要なの。人の重心は骨盤の上方部分にあるけど、歩いている時でも上下の振れ幅が小さく、滑らかに重心の移動を行っているのよ。
  • この滑らかな重心移動を行うために、骨盤や足の関節がさまざまな微妙で精巧な動きをしていて、しかもその動きを実現するために下肢の多くの筋肉が互いに協調しあって働いているわ。
  • へ~。そんな動きを自然に行っているなんて、だから二足歩行のロボットを作るのは難しいんだね。
  • そうよ。さらに言うと、人は歩く時に重力を利用しているから、身体を動かすための負担も小さくて済んでいるのよ。
  • 重力を利用?
  • そう。一定の速度で歩いている時でも、実は重心の移動に合わせて、身体は速く動いたりゆっくり動いたりしているの。振り子運動と同じで、重心の位置が高くなると動きが遅くなり、重心の位置が下がると速くなるわけ。
  • そして、重心の上下移動によって位置エネルギーを上手に運動エネルギーに変えることで前方への推進力が生まれているの。この重力の利用で、人間は前進運動に必要な仕事量の60%程度を稼いでいるのよ。だから、筋肉への負担が少なくて、人間は長距離を歩けるの。
  • えー! じゃあ、サルは人間のように上手に重力を利用できていないから、筋肉への負担も大きくて、長距離を歩けないということですね。
  • そうなのよ! 人間も足を骨折したりして、足の筋肉や関節を上手に使うことができなくなると、歩けなくなってしまうでしょ。でも、だからこそ、例えば足を骨折した人が歩けるようになるのは、とても重要なことなのよ。
  • 二足歩行によって人間はさまざまな進化を遂げたけど、同時に内臓や脳の重さをすべて骨盤で支えることになったわ。それに伴い、体に負荷をかけすぎると局所的な障がいが起こりやすくなっているの。歩行中には体重の2~3倍の力が、股関節に加わっているというわ。
  • あわわ。なんだか、友だちのことが心配になってきました。
  • そうね。じゃあ、今回は医療技術分野での歩行に関する研究を紹介するわね。中でも理学療法では、いかに安全で効果的なリハビリをするかという研究が進んでいるの。
  • はい! しっかりメモして友だちに教えます!
  • 例えば「変形性ひざ関節症」という病気の場合、正常の歩行との比較、さらには症状の軽い人から重い人まで多くのデータを採取し、特徴を探ることで、ひざが伸びきらない歩き方をすることがわかってきたわ。このことから、無理なストレスがかからない歩き方の指導など、従来とは異なる視点でアプローチができるようになったの。
  • ひざが曲がるだけで、歩きにくくなるんですね。
  • その通りよ! ひざが曲がるとうまく歩けないのは、足をうまく地面から離すことができないことが理由ね。こんな風にヒトの運動メカニズムや、運動が障がいされる理由などを分析する「臨床運動学」の知識も重要なの。
  • なるほど! でも、人の歩き方を調べるって、難しくないんですか?
  • 確かに、以前は、体の数カ所につけた反射マーカーに赤外線を当てて測定していたから、機械の設置などに時間がかかったり、また広いスペースが必要だったりしたけど、今は計測機器のシンプル化と性能の向上で、決められた場所を歩くだけで、すぐにデータ化できるようになったのよ!
  • すごい! じゃあ、歩き方のどこにどんな問題があるのかが簡単に調べられて、どんどんリハビリの効果も高まってくるかもしれませんね。
  • それだけじゃないわ。歩行に関する研究は、「予防」にも役立つのよ。
  • え? どういうことですか?
  • 例えば、足指の力は体のバランスをとることにも大きく影響するの。だから足指や、そのまわりの筋肉をトレーニングで鍛えることが転倒予防につながるのよ。特に年をとると、足の甲から足首へ続く2本の筋肉のうち外側の筋力が低下してバランスを崩しやすくなるから、この筋肉の効率的なトレーニングが注目されているわ。
  • そうか! 歩いているときに、どうしてバランスが崩れるかがわかってきたんですね。
  • その通りよ! 「ケガをしない環境づくり」をすることも理学療法の大きな役割のひとつね。地域と協力して「転倒予防教室」が定期的に開催されることもあるのよ。
  • そういえば、足腰を骨折してから寝たきりになるって話、聞いたことがあります。
  • 身体の各部がどのように動かされているのかは、人によって異なるから、理学療法はさまざまな視点からトータルに人をケアしていると言えるわね。
  • ぼくも、友だちをトータルにサポートします!

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医療現場に欠かせないプロフェッショナルをめざす

医療現場になくてはならない医療科学技術の専門家を育成する学問分野です。「診療放射線分野」はレントゲン、断層診断(CT)、磁気共鳴画像装置(MRI)などでの検査法を学びます。「臨床検査分野」は血液・尿の成分や細菌・ウイルスの有無、細胞組織のがん化などの検査技術を学びます。また、検査だけでなく病原体の研究などをする研究者としての役割も求められています。

身体や言語の機能回復のための専門技術を学ぶ

リハビリテーション系には身体の機能回復をめざす「理学療法」、作業を通じて心身の回復をめざす「作業療法」、聴覚・言語の機能回復をめざす「言語聴覚療法」の分野があります。自然治癒力を高めるとして予防医学の点からも注目されている鍼灸師や、骨・関節・筋・腱・靭帯などの骨折・脱臼・打撲・捻挫などの損傷を手術をしない「非観血的療法」によって治療を行う柔道整復師などもこの領域に含まれます。

将来 臨床検査技師、理学療法士、作業療法士など、専門家としての知識と技術を生かし、病院、臨床検査センター、保健所や、特別養護老人ホームなどの社会福祉施設で働く人が大半です。健康機器メーカーなどの民間企業へ就職する人もいます。
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