早稲田大学文化構想学部陣野 英則先生のきっかけ
日本文学の魅力に気付いた、出版社での経験。
高校から大学のころの私は、日本の古典文学に対して、何か「閉じた」印象を抱いていました。現代にそぐわない身分社会の話であったり、男尊女卑があったりして、おまけに読みづらい……とネガティブなイメージばかりでした。しかし、大学を卒業し、出版社で働きはじめてから数年後、日本の古典文学には、例えば欧米の文学・文化にはない「開かれた」面があるように思えてきました。特に、今から一千年も前の女性たちが見事な文学を生成し得たのはなぜなのだろうかと興味を持つようになり、大学院での研究をめざすようになりました。