地域・世界の理解と新しい芸術領域で
自分らしい感性と創造力を磨く
1・2年次で自分を知り
3・4年次で自分らしく表現
2023年に開学10周年を迎える秋田公立美術大学では、社会の変化に合わせた新しい芸術領域の創造に挑戦しています。そのため、従来の芸術とは方向性や視野を変えて、古い概念に縛られない「未知の領域の芸術」に取り組める環境が整えられています。
専攻構成についても同様に、「絵画」「彫刻」「工芸」「デザイン」などの分野・技法で固定された従来の枠組みではありません。地域の歴史的な文化資源を再評価して新たな芸術表現を探求する「アーツ&ルーツ」、さまざまな素材や媒体で現代的表現を展開する「ビジュアルアーツ」、文化資源から新たな視点と価値を持ったものを制作する「ものづくりデザイン」、多様なメディアを活用した効果的なデザイン・ディレクションを可能にする「コミュニケーションデザイン」、感覚・知識・経験を総動員して社会変革を促す景観を創る「景観デザイン」の5専攻で構成しています。
1・2年次には全専攻を横断的に学び、すべての基盤となる知識と技術を学びます。その中で自分の可能性を模索し、学びたい分野や方向性を見出すことができます。3・4年次には1つの専攻に所属し、高度な知識や技術を磨きます。「素材や技法」ではなく、「自分らしさ」で未知の領域を切り開くことができる「表現の軸と創造力」を4年間で身につけます。
秋田から世界へ。
地域理解を深め、新たな価値観を発信
秋田には、自然に恵まれ歴史的に培ってきた伝統的な文化、生活様式、技術があります。それらの芸術的価値を再評価し、現代に通じるものとして復興し、世界へ発信していきます。本学は県内外の大学、民間企業や小・中・高等学校、美術館などとも連携し、地域ブランドの開発や地場産業の復興、芸術活動の展開など、地域活性化に貢献できる人材を育成します。
本学の人材育成について一番の特徴は、学生と教員が一緒に、そして対等にプロジェクトを進めていく点です。こどもたちの自由な発想を引き出すアートスクール「こどもアートLab」や、アートで動物園活性化を目指す連携企画「大森山アートプロジェクト」など、地域連携活動を幅広い視点で展開。旅を通して地域を問い直す滞在型ワークショップ・プログラムでは、コロナ禍によって形を変えながら考察し、世界の社会環境変化を踏まえたアートマネジメントを実践してきました。活動を通じて学生たちは既存のカテゴリーに収まらない「しなやかな強さ」を身につけていき、頭よりフィジカルが先立つ姿勢や、体験して何を感じるかというセンサーを鋭角にしていきます。これからも本学は、地域芸術を現代に通じるものに進化させ、世界へ発信できるアーティストやデザイナーとして次世代の価値を創っていく芸術家を養成していきます。