2024年度 新学年スタート号
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リベラルアーツ特集 国際基督教大学(ICU) (東京都)

日本初の4年制リベラルアーツ・カレッジ
国際社会の期待に応えるグローバル人材へ

日本におけるパイオニア
ICUのリベラルアーツ教育とは

 日本初の4年制リベラルアーツ・カレッジとして、1学部1学科のみを設ける国際基督教大学(ICU)は、大学全体がリベラルアーツの実践の場。1つの専門科目だけを学ぶのではなく、自然科学を含む学問分野の垣根を越えた幅広い学びを可能にする「リベラルアーツ教育」、日英両言語で学ぶ「日英バイリンガリズム」、学生が受け身ではなく自律的に学べる「少人数・対話型教育」を特徴とする大学です。
 1学部1学科制の利点の1つは、入学後に専門分野を決められることです。一般的には受験段階で学部を選択する必要がありますが、その時点で持っている情報だけで専門分野を選択するのは難しいのではないでしょうか。本学に入学する方はすべて「教養学部アーツ・サイエンス学科」に入ることになり、その中には自然科学、人文科学、社会科学にわたる31のメジャー(専修分野)があります。入学後の2年間で、様々な分野の研究者の授業を履修したうえで、自分が深い学びを追求したいと思うメジャー(専修分野)を決定します。本学では、基本的に学年や国籍、利用した入試制度などによる区別はなく、すべてのメジャーのクラスが全学生に開かれています。あるメジャーのコースを、別の国籍、別のメジャーの学生、そしてメジャーをまだ決めていない学生たちが履修していて、クラスの中に「多様性」がある、というのはICUでは当たり前の風景です。多様な観点から「批判的思考」をもとに意見を出し合う活発な「対話」は、そのような開かれた環境の中で行われます。

自分に合ったメジャー専修分野の選択で、
専門性と総合性を兼ね備えた人へ

 本学の31のメジャー(専修分野)には、法学、物理学、心理学などの伝統的な学問分野と、「平和研究」「アメリカ研究」などの問題解決型や地域研究型があります。また、1つのメジャーを修める「シングルメジャー」、2つのメジャーを同等に履修する「ダブルメジャー」、2つのメジャーの比率を変えて履修する「メジャー、マイナー」と学び方も3通りあるため、興味・関心に応じて自らの学びをデザインすることができます。メジャー選択の傾向として興味深いのは、入試時アンケートでは国際関係学が一番人気にもかかわらず、卒業時に実際選択していたメジャーを見ると、人気が分散するということです。これは、ICUのリベラルアーツ教育を通じて、学生の興味・関心が良い意味で変わっていることの表れです。
 なお、2023年春には新校舎「トロイヤー記念アーツ・サイエンス館」(下写真)を使用開始します。この建物は、全ての学生が訪れることで「知の融合」が起こるよう設計された、まさにリベラルアーツのための空間です。