サイエンス教室・進学相談会などを
通して未来のリケジョをプロデュース
サイエンスの楽しさを伝えて自身も
成長していく「工学GIRLS」
現在本学理工学部の女子学生は約17%と少なく感じますが、以前はさらに少数でした。女子学生は真面目で活発な人が多いということもありますが、ダイバーシティの観点からも、より多くの女子に本学部を選んでもらえるようにすることが課題でした。それには女子から安心して志望してもらえるようにすること、入学後も過ごしやすい環境に改善することなどが必要だと、それらを手伝ってくれる女子学生を募集。「工学GIRLS」というグループが結成され、10年以上活発に活動しています。
現在の主な活動は女子高校生を対象とした進学相談会と、小学生を主な対象としたサイエンス教室・サイエンスショーの開催です。特に後者は2023年度には20回近く開催するなど、活動の柱になっています。子どもに理科の魅力を伝えることは、将来理系を選択してもらうのに役立つと捉えていますが、逆に教えることがGIRLSメンバー自身のサイエンスリテラシーやコミュニケーション能力の向上にも役立っているため、本学部では非常に重要な活動であると考えています。イベントの依頼を受けた自治体や公的機関などからも大変好評で、新聞・テレビなどのマスコミでも大きく取り上げられています。また、「工学GIRLSがあるから」と本学部を志望してメンバーになった女子学生もいます。
アイディアが活き、女子児童も大喜び
最近は、環境やSDGsをテーマにしたイベントの依頼も多くなってきています。2023年度には、九州・壱岐という遠方でのサイエンス教室も行いました。壱岐での教室はエコに関する国際会議の一環としてのイベントであったため環境を意識しましたが、そこで新たな実験などを考案しました。その一つはGIRLSメンバーのアイディアが基になった、「都市鉱山からの本物の金箔を使ったスノードーム作り」です。まず大学で集めた廃パソコンからメモリ基板を取り出します。そこから抽出した金箔と、動物の形をした消しゴム、薄めた洗濯糊を小さなビンに入れてスノードームを作ってもらいます。かわいいこともあり女子児童に特に人気で、これをきっかけとして科学や環境に興味を持ってもらうことも期待し、工作の1つとしてよく実施しています。
学生はあくまでも学業が本業ですが、先輩たちはこれらの活動を通じて学問以外のことでも自らを高めているばかりではなく、社会とつながり貢献することも大いに学んでいるそうです。あなたもGIRLSメンバーとなって、一緒に学問を社会貢献に活かしてみませんか。