私立 金沢工業大学
SDGs時代を担う
次世代リーダー育成に向けて
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大学全体でSDGsに取り組む
金沢工業大学は、国連全加盟国が合意をするSDGs(持続可能な開発目標)の達成に向け、特定の教員や学生による研究・活動にとどまることなく、学部・学科を超えた全学体制により貢献しています。これからのSDGs時代においては、大学に求められる役割が大きく変わってきます。大学は社会の役に立つ研究を研究室の中でのみ行うのではなく、生み出した研究成果を実社会の中に組み込み、その中で新たな発見を得て研究を深めていくといった社会実装型の研究を推進していく必要があります。金沢工業大学はこうした時代の変化を早い段階から予測し、実践できる体制を整えてきました。そして、既に実社会における様々な課題を解決し、SDGsの達成に向けた貢献を行っており、2018年には、第1回ジャパンSDGsアワードの「SDGs推進副本部長(内閣官房長官)賞」を受賞しています。
SDGs推進センターは全学体制でSDGsアクションを推進する際の学部学科の横串を通す役割を有すると共に、地域の様々なステークホルダーを結びつけるハブ機能を有する組織です。主に教育、地域経営、ビジネスの3つの領域で活動をしていますが、その中でも最重要領域は教育です。企業や自治体などのパートナーと連携し、SDGsの先を見据えたBeyond SDGs時代を担う次世代リーダーの育成をめざしています。 -
SDGsについて専門的に学べる授業を開講
情報フロンティア学部 経営情報学科では、SDGsを専門的に学ぶ「SDGs基礎」「SDGs実践」の科目を用意しています。「SDGs基礎」は、「マネジメント能力」と「ビジネス応用・プロジェクト遂行能力」達成のための科目。世界でSDGsの活動が進む中、特に期待されているのは貧困・気候変動・食糧危機などの様々なグローバルイシューを解決するビジネスです。SDGsの17の目標の現状を映像・講義を通じて把握し、企業がその解決のために、どのようなビジネスを推進しているのかを学ぶ中で、身近な問題を地球規模の視点で考えるための基礎能力を身につけます。「SDGs実践」は、「ビジネス応用・プロジェクト遂行能力」を身につけるための科目です。経営戦略分野科目の集大成として、ビジネスを通じて課題解決を目指すために必要なプロデュース力を身につけます。様々なステークホルダーが持つリソースや能力を発見し、組み合わせ、社会課題の解決を実現するにはプロデュース力が不可欠です。自分ひとりの力だけではなく、他者の力を掛け算することでより大きなインパクトを生み出す人材育成を行います。
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学生自身が課外活動の中で学びを実践
SDGsに関連した学生プロジェクトもあり、SDGs Global Youth Innovators(GYIs)が学内外で活動を行っています。「私たちは私たちの未来を救うために」を理念に、SDGs普及啓発活動およびSDGsアクションに取り組んでいます。代表的な活動は、SDGs教育教材であるTHE SDGs アクションカードゲーム「X(クロス)」の開発で、クラウドファンディングを達成して製品化も行いました。「X(クロス)」は、誰もが楽しみながらSDGsを学べるコンテンツとして金沢工業大学が開発したカードゲームです。何かを解決するために何かを犠牲にしている状態が書かれたトレードオフカードに対して、ヒト・モノ・コトなどが書かれたリソースカードの組み合わせを考えることで、楽しみながらアイデアが生み出せるようになっています。
また、2020年は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、全国の多くの小・中・高等学校が休校となっていたため、SDGsに関する専門教育やスタンフォード流イノベーション教育の成果などを生かし、学生自身が講師として、小中高生に対するSDGs学習機会の提供とSDGsアクションの実施に関する相談などをオンラインで行いました。 -
多方面から持続可能な社会の担い手の育成を支援
金沢工業大学が行ってきたSDGs達成の担い手を育成するさまざまな教育を活用し、より一歩進んだ達成への貢献活動も推進しています。金沢工業大学は、文部科学省の「SDGs達成の担い手育成(ESD)推進事業」に2019年度〜2021年度の3年連続で採択されています。2020年度は採択を受けて、「SDGsイノベーション教育拠点校」を募集し、全国の小・中・高校・学習塾から10校を選定。各校の教員がSDGsに関する授業を実施するための教材の提供、アドバイザーによる相談窓口の設置、研修会などを行い、持続可能な社会の担い手育成をサポートしています。
また、株式会社タカラトミーとは、SDGs教育のための「人生ゲーム」の開発・活用に向けた検討も始めました。金沢工業大学がこれまで培ってきたSDGsの専門的な知識・取り組みと、タカラトミーのロングセラーボードゲームの制作ノウハウおよびSDGsをわかりやすく子どもたちに伝えてきた経験を融合して、企画・開発を進めています。
企業との協働も進めています。コマニー株式会社とは、SDGsの達成に貢献できる製品・サービスの開発について検討し、避難所において特に女性のプライベート空間確保に課題がある点に着目。被災地での避難所に関する研究や意見交換、学生による脳波計を用いた快適性に関する研究も踏まえて、避難所用のプライベートブースを開発しました。仮設設置型で、工具不要で組み立てでき、充分な強度を保っています。平時に活用可能な点も意識し、集中スペースやテレワークでの利用も想定しています。 -
地域をまきこんだSDGsアクション
活動の場は大学内にとどまりません。2つのキャンパスが位置する白山市と協力し、持続可能な白山市について考え、アクションを起こしていく活動を行っています。白山市の山間部にある自然豊かなまち「河原山町」において、地域住民と本学の学生が協力し、未来の街づくり構想を描きました。「河と山につどい、ともに未来をつくるまち」をコンセプトに、「空き家を活用した交流の拠点とプログラムづくり」「川、山、森を楽しむ居場所とプログラムづくり」「滞在型プログラムの実施」という3つのキープロジェクトを立案。具体化すべく、取り組みを進めています。
さらに、白山市SDGs未来都市計画の実現に向け、「白山手取川流域SDGs認定制度」を創設しました。SDGsに関して、本質的な理解をして活動したい人を後押しし、ネットワーク化を図る制度です。また、新型コロナウイルスの感染拡大は、私たちの暮らし方や空間、ニーズを大きく変え、欧州を中心にSDGsを重視した生活やそれを支えるビジネスに資源が集まる動きが加速しています。新たな時代に必要な持続可能な地域づくりを学び、そこから生じる生活や消費者のニーズ、地域の可能性を生かしたSDGsビジネスを学ぶ「地域デザイン・SDGsビジネスセミナー」も開催しています。
金沢工業大学は、学生のみならず、小中高生を含めた若者たちのSDGsアクションを支援することで、今後一層SDGsの達成に貢献していきます。あなたも、ぜひその一員としてともに学び、活躍しませんか。