金沢工業大学は4学部12学科を擁する「自ら考え行動する技術者」を育成する大学です。工学部、情報フロンティア学部、建築学部、バイオ・化学部からなり、学術的な探求に留まらず、社会に存在する課題に積極的にアプローチする教育研究が行われています。学びの中心となるのが、問題発見から解決にいたる過程・方法をチームで実践しながら学ぶ「プロジェクトデザイン」の授業です。専門科目で専門の知識・技術を身につけるだけでなく、このプロジェクトデザインを通して、知識・技術を社会に実装するスキルを学ぶことができます。また、企業と連携した社会実装型の研究も多く行われ、企業との共同研究に学生が携わることも珍しくありません。
また、学生が企業の実際の業務に長期間従事し、企業が持つ最先端の技術について実践的に学ぶ「KITコーオプ教育プログラム」も行われています。学びの場がキャンパス内に留まらずキャンパス外に拡大し、企業が学生たちの学びの場となる点が、コーオプ教育プログラムの大きな特徴となります。学生にとっては、企業の一員として責任をもって学ぶ経験を得ることができるだけでなく、大学で学んだ知識・技術がどう社会で使える・役立つかを知り、プログラム終了後には大学に戻りコーオプ教育の経験を活かしてさらに学びを深めることができます。社会実装型の深い学び、実用研究レベルの学びを得られるメリットがあります。
データサイエンスとは、社会の様々なデータを数学、統計学、コンピュータサイエンスの手法を用いて解析し、それぞれの分野の専門家がデータを読み解くことで、社会の発展に役立てる学問分野です。金沢工業大学では、既存のAIの基礎科目に加えて、2022年度からはデータサイエンスの3科目が全学科必修に。「データサイエンス入門」では、Excelの基本操作を学び、社会の実際のデータをもとに、データを集計・分析する力を身につけます。「データサイエンス基礎I・基礎Ⅱ」では、データを数学的手法で明らかにする方法を、より実践的な演習で学び、加えて「機械学習」「ニューラルネットワーク」などのコンピュータによる代表的な手法も学びます。
デジタル社会の読み・書き・そろばんとなるデータサイエンスの基礎を全学生が学習し、所属学科の専門分野でその力を発揮することができます。また、より発展的な内容を学べる「AIとビッグデータ」「IoTとロボティクス」「ICTと情報セキュリティ」という応用の3コースで、高度な情報技術を身につけられます。
授業での学びを課外で実践し学びを深めることのできる、アカデミックな課外活動「KITオナーズプログラム」があります。本プログラムは「自ら考え行動する技術者」に向けて、自ら目標を設定し、それを達成するために活動する自己目標達成プログラムで、「夢考房プロジェクト」や「学科プロジェクト」で構成されています。ものづくりの部活「夢考房プロジェクト」では、学生メンバーが立案・調査・設計・製作・分析・評価という一連のものづくりのプロセスを体験できます。ロボットやソーラーカー、小型無人飛行機などを製作し、国内外の大会に挑戦する12のプロジェクトが活動中。例えばロボットプロジェクトは「NHK学生ロボコンへの出場・優勝」など具体的な目標をもとに活動しています。
学科の学びをテーマにした「学科プロジェクト」では、医工連携や建築模型制作、心理学、SDGs、プログラミングなどをテーマに、様々なプロジェクトが活動を行なっています。例えば、工学部 機械工学科を対象とした「医工連携に基づいた人間にやさしい医療機械の創製」では、医工連携の立場から医学を理解した工学技術者の育成を行っています。これまで医学的知見のみに依存して開発されている医療機器について、患者や医療従事者にやさしい医療機器開発を目標とし、活動しています。
2022年3月卒業生の就職率は99.9%(就職者1,152名)を達成。しかも、66.6%が上場企業、大手企業、公務員・教員へ進んでいます。就職サポートに取り組むのが「進路開発センター」です。進路アドバイザーによる指導やマナー講座、インターンシップ、先輩の就職活動体験報告会など多彩な取り組みを実施しています。また、東京・名古屋・大阪・新潟・仙台に就職活動支援バスを運行するなどのバックアップも行っています。