文理統合力で社会の未来をデザインする
データ&イノベーション学群、始動。
『データを起点にイノベーションを起こす』
文理統合型人材を育成する新学群
2025年までに日本企業がDXの取り組みを十分に行わなかった場合、世界の経済競争に勝てず、2025年以降に年間最大12兆円の経済損失を招くといわれているのが「2025年の崖」です。これは企業だけの問題ではなく、人口減少や社会基盤の経年劣化が深刻な地方都市にも社会変革を進めることが必要です。そこで高知工科大学では、第1に「情報・社会マネジメントをはじめとする先進の研究成果を活かし、DXによる地域課題を解決へと導き、これを普遍的モデルとして世界的な普及をめざすこと」、第2に「データとデジタル技術で新たな価値を生み出し、人々を幸せにできる人材を育てること」を目標に掲げ、この目標を実現するために2024年4月、新たな学群として「データ&イノベーション学群」を開設します。
本学がこれまで進めてきた「理系・文系の統合」をさらに進め、高度な情報通信技術(ICT)で新たな価値を創造できる文理統合型の力を育む新たな教育・研究環境で文理の枠にとらわれない幅広い視点からソリューションを創造し、未来社会に求められるイノベーションができる人材の輩出をめざします。
データ&イノベーション学群の特徴
本学群では、AIデータサイエンス、ネットワーク技術といった高度なICTを「使いこなす力」が身につく学びをめざしています。
例えば、学んだ知識と技術を実社会で活用するために経済・経営やマネジメント、イノベーションに関する科目や、実社会の課題解決に取り組む実践教育として高知県の企業や自治体と連携した地域密着型の課題解決型学習(PBL)を1年次から導入予定です。過疎の進んだ地方や中小企業が抱える課題、防災や高齢者支援、農林水産業の振興といった多くの課題がある高知県が学びのフィールドということも大きな特徴です。
文理統合の3つの力
社会に対する俯瞰的な視野と工学的視点を兼ね備えた文理統合型の人材を育成します。
■ビジネスカ
経営、マーケティング、会計、ファイナンスの基礎的理解に基づいて、ビジネスの現場で課題解決・価値創造に挑戦し続けるカ。
■データ活用力
機械学習などデータに関わる基盤技術の根本を理解し、活用法を学び続け実践できるカ。
■次世代技術活用力
工学の根本を理解し、次世代技術を学び続け活用できるカ。
将来の社会システムの発展に寄与する
AI・データサイエンス専攻
数学や統計の基礎的な思考を身につけ、データに対してさまざまな仮説を立て、解析、検証できる方策を導き、企業や行政などに実装、実現、価値化できる能力をもつ人材を育成します。
研究紹介
吉田 真一
教授
ディープラーニング(深層学習)による画像認識を応用し、柚子の生育状況の把握を自動化できる仕組みの構築や、熟練技術者の技術を手軽に学べる学習コンテンツを網羅したアプリの作成など、高知県の農業の未来を支える技術開発を行っている。
データサイエンスで価値創造を実現する
デジタルイノベーション専攻
先端的学術や高度技術を活かした価値創造やビジネス創造を実現するため、基礎学問をベースに、多視点を活用した課題発見および分析能力など、ニーズを理解し、価値創造ができる能力を養成します。
研究紹介
上村 浩
教授
デジタルイノベーションの検討から実装までの過程におけるコミュニティの変化をとらえ、メカニズムを解明する研究に取り組み、デジタル社会における組織管理の新たな概念の確立をめざしている。