小論文・面接編
1 課題文の読解
小論文は課題文(資料)の内容を読み解くところから始まる。読解を疎かにしては的確な解答ができない。その際に必要なのは、①客観的な読解、②主体的な解釈の2つ。
- ①筆者の主張を客観的に読み解く … 「筆者は〜と言っている」
- ②それを自分なりに解釈する … 「それはつまり〜ということだ」
①は要約問題や説明問題の、②は論述問題の解答のベースとなる。
2 設問への応答
最近の小論文は総合問題化していて、設問が複数ある場合が多い。各設問が何を問うているのか、事前に設問の要求をしっかりと分析することが肝心だ。
- 要約・説明問題 … 解答すべき要素を過不足なく絞り込む。
- 見解論述問題 … 何についてどういう視点から議論することが求められているかを確認する。
3 論述の説得力
小論文の中心は論述問題。指定されたテーマに関して自分はどう考えるのか、自分なりの議論を展開する必要がある。そこで最も重要なのは論述に説得力があることだ。説得力は、①論理性、②具体性の2点から生まれてくる。
- ①論理性 … 概念を適切に使用して、論理に破綻がなく、首尾一貫した議論を展開しているか。
- ②具体性 … 課題を自分の問題として引き受けて、適切な事例や体験を挙げながら、具体的に議論を展開しているか。
4 適切な文章表現
小論文は相手に読んでもらうものである。日本語が解体していては始まらない。表現・表記や文章構成を整えることは基本的なマナーだ。
- 表現・表記 … 誤字・脱字をしない。基本「~である」体で書く。
- 文章の構成 … 主述の呼応。接続詞の適切な使用。必要な段落構成をする。
5 基礎となる知識
上記の4つの要素を基礎から支えるのが知識だ。文章を読み書きするために必要な一般的教養があることは大前提だが、そのうえで、課題文を的確に読解し、自分の論述を展開するためには各系統に即した知識が必要である。大学進学をめざす人間なら身につけているべき知識が当然のように要求される。
- 医学・医療系 … 医療に関する基本的な知識。
- 自然科学系 … 理科教科の学力に加えて環境問題やエネルギー問題に関する知識。
- 社会科学系 … 政治、経済や近現代史の知識に加えて最近話題になっているトピックス。
- 人文・教育系 … 近代の思想や価値観とその現代的な変容に関する知識。
1 何が試されるのか
面接で試されるのは、①大学で学ぶだけの知的な能力があるか ②社会的責任感や倫理観など人間性に問題がないかの2点と言ってよいだろう。要するに、大学生にふさわしい人間かどうかが試される。
2 面接の形式
面接の形式は、①個人面接、②集団面接、③グループ討論の3形式がある。大学によって採用している形式が分かれるので事前に確認しておこう。
- 個人/集団面接 … 質問に明晰かつ簡潔に答えられるかの応答力と回答内容の適切さ。
- グループ討論 … グループで協力して議論を進行できるかという協調性と問題解決能力。
3 面接の内容
面接の質問内容は、①志望理由、②本学志望理由、③関心のあるニュース、④個人のプロフィールなどで構成される。可能であれば、事前に過去の質問内容を調べておくようにしよう。
- 志望理由・本学志望理由 … 大学で何を学びたいか、将来どういう道に進みたいと考えているかなど、大学進学の意欲や学問的関心の内容。
- 関心のあるニュース … 大学生に期待される社会的な関心の有無やその広がり。
- 個人のプロフィール … 高校時代の学業・部活、自分の性格、家族・友人関係などに関する質問を通した人間としての成熟度。