2022年度 入試直前激励号!
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化学編

1 過去問を研究しよう

受験する大学の過去問に、必ず目を通そう。しかし、大学によっては昨年度までと出題範囲が変化していることもある。出題範囲に注意しよう。

出題範囲・科目が制限されている場合がある

例えば、化学で「『高分子化合物の性質と利用』を除く」とされていたり、化学基礎に加えてもう1科目受験が必要な大学もある。当然、出題範囲に含まれない分野の対策は必要ないが、自分の受験に何が必要か各大学の募集要項をしっかりと確認しよう。

解答の順序をシミュレーションしよう

前半に理論化学、後半に無機・有機化学の問題が配置されている入試問題が多い。けれども、大問1から解答していかなくてはならないという規制はない。知識のみで解答できる部分を早々に仕上げてから、計算問題にじっくりと時間をかけるという順序で解いても構わないのである。限られた時間内に、自分が一番効率よく得点できる順序を考えてみよう。

2 計算問題を正確に

理論化学では、計算問題が多く出題される。また、計算問題は配点が大きく、しかも、最初の計算でミスをすると、その後の問題にも影響し、大きく失点することがある。

電卓を使わず、一つ一つの計算を丁寧に

当然、入試では電卓を使えない。したがって、問題演習をするときには平素より筆算で行うこと。計算ミスをする人は、計算時の文字が雑であることが多い。計算こそ、一つ一つの数字を丁寧に書いて行わないと、立式が正確にできていたとしても点数に結びつかない。

有効数字の指定に注意

有効数字の指定を守っていなければ、必ず減点される。途中の計算値は、指定された有効数字の桁数よりも一桁多くとる必要がある。例えば、有効数字2桁の指定の場合、途中の計算値は3桁目まで求めておく必要がある。

3 有機化学を得意分野に

国公立大二次試験・私立大入試での有機化学の配点は、平均すると全体の3割から4割を占める。しかも、パターン化した問題が多く、確実に得点できる分野である。

構造決定の問題

構造決定の問題は、しっかりと問題演習を行っていないと得点差がつきやすい。標準的な問題集に掲載されている構造決定問題は、スムーズに解答できるようになるまで繰り返し練習しよう。

高分子化合物の分野もしっかりと

糖類、アミノ酸・タンパク質、合成高分子に関する問題は、暗記さえしていれば解答できる問題がほとんどである。この範囲の学習を敬遠して、損をしている受験生が非常に多い。しっかりと学習し、確実に点数が取れるようになろう。

4 論述問題対策

論述問題の多くは、化学用語の説明、化学現象が起こる理由、実験結果の考察についてのものである。化学用語の説明は基本的な学習で対応できるが、化学現象の起こる理由や実験考察は、暗記のみに頼った学習では対応できない。

典型的な論述問題を再確認しよう

標準的な問題集に登場するような論述問題をピックアップし、整理しよう。

自分の文章で、書き直してみよう

自力で解答できなかった論述問題については、単に解答を写すだけでは実力がつかない。解答を見ても構わないが、その後、自分の言葉で文章を書き直してみることが重要である。少しぐらい下手な文章であっても、キーワードが含まれていれば正解になる。

5 苦手分野の克服

入試本番で苦手分野が出題されると、手つかずになり、大きく失点するおそれがある。また、その結果、冷静さを失い、他の簡単な問題までミスをしてしまうこともよくある。苦手分野が残ってしまっている受験生は、早急にその分野の克服をしよう。

理論化学に苦手な分野がある場合

教科書の例題レベルの問題を最低限、解答できるようにしておこう。難しく思える問題であっても、実際のところは基本的な内容の組み合わせに過ぎないことが多い。特にその傾向が強い、化学平衡や電離平衡の問題の対策が手薄なまま入試に臨む受験生が多いが、逃げずに取り組もう。

無機・有機化学が苦手な場合

教科書準拠問題集の標準問題に出てくる化合物名、化学式、反応式だけはしっかりと書けるようにしておこう。暗記さえしていれば解ける部分での失点は非常にもったいない。最後まであきらめずに頑張ろう。