模擬国連は、参加者が担当国の外交官になりきって、国際社会が直面している問題を議論し、実際の国際合意形成の手法を模して、決議を目指す教育活動です。その過程で、国際問題を解決する難しさや、国際協調の重要性への理解を深めます。神戸市外国語大学では、英語力や会議でのコミュニケーション能力を磨く「模擬国連」の関連授業を開講し、全学的に学生が履修できる環境を整えており、語学力の先にある国際性を身につけることができます。世界中で盛んに開催されている模擬国連のうち、国連が全面支援しているのが、ニューヨークに本部を置くNMUNが主催する世界最大規模の「模擬国連世界大会」です。
2016年には本学がホスト校となり、日本で初めての「模擬国連世界大会」を神戸で開催し、世界各国から330名の大学生が参加しました。2020年の開催が新型コロナウイルス感染症の拡大により延期しましたが、2022年11月、本学が再びホスト校となり、世界大会を神戸で開催します。
現代社会のニーズに適応した人材を育成するため、2021年度より専門教育を担う「コース制」を再編しました(外国語学部<昼間部>入学生限定)。コースは、言語・文学・文化に習熟し、柔軟な言語運用能力と批判的思考力を身につける「語学文学コース」、国際社会の諸問題に向き合い、平和秩序の形成に必要な構想力を培う「国際法政コース」、経済学・経営学・商学の知見をもとに、現代の諸問題の深層に至る力を養う「経済経営コース」、世界の諸課題を見据え、多様な文化的背景を持つ人々と共生する力を育む「多文化共生コース」、多様な学問領域から世界の根源的な問題を掘り下げ、自由で豊かな発想力で次代を創造する「リベラルアーツコース」の5つです。
従来、「3年次」からコースに所属し専門科目を履修していましたが、「2年次」からコースに所属することになりました。国際関係学科でも2つのコース選択(「主専攻」及び「副専攻」)を必修とすることで、より専門性を追求し複眼的な専門教育を実施します。
このような専門教育の学習時間を拡充する全学コース制再編により、「伝統ある語学教育に支えられた高いコミュニケーション能力」と、「専門教育により培われた確かな洞察力」、その両方を兼ね備えた人材―2つの武器を持つ人材― を養成していきます。
2021年の創立75周年を機に、本学のブランドコンセプトに「HaMiDaSu」を掲げ、学生や卒業生が自分の殻を破り、様々な枠をはみ出して活躍できるよう、新たな支援を行っていきます。グローバル人材の育成を目的に「神戸グローバル教育センター」を開設し、「模擬国連」活動や国際機関との連携を通じた国際理解教育をさらに推進しています。留学制度の見直しも行い、支援をさらに充実することで、海外留学を希望する学生がより留学しやすくなる体制づくりを進めています。また、さきにご紹介したコース制再編も支援の一環で行いました。
こうした本学の国際的な教育環境は「THE 世界大学ランキング日本版2022」の「分野別ランキング・国際性」部門で2年連続の国内トップ10にランクインし、高く評価されています。