国際化が進み、日本語や日本文化を学ぶ人が世界に拡大したこともあり、日本語を世界の中の1つの言語としてとらえ、日本語の成り立ちや構造・活用法、その歴史や特徴を研究する学問です。例えば、日本語が日本文化とどう関わっているかや、方言や性別などによる言葉の違いを文法上のルールとして説明できるようにするなどの研究を行います。
日本語に対する正確で幅広い知識と表現能力を習得します。さらに、日本文化に対する幅広い知識と理解や、外国の言語・文法・文化との比較研究を通して現代日本語の論理的な構造解明をめざします。また、世界中にいる日本語の習得を希望する外国人を対象とした、日本語や日本文化の教育方法や教材についても研究範囲となります。日本語だけではなく、日本文化に対する幅広い理解も求められます。
学校教員免許(国語)を取得して学校教員になる人、学んだ知識を生かすために外国人対象の日本語教師や各国の文化事業コーディネーター、旅行・観光業界やマスコミ・出版関係を含む一般企業に就職する人が大半です。
東京女子大学 現代教養学部 人文学科 日本文学専攻 教授 山本 真吾 先生
日本文化とされるもののルーツをたどってみると、中国や韓国などの外国文化にたどりつきます。日本でゼロから生まれた文化はそれほど多くありません。歴史的に見ると、日本人は基となった外国文化に「ひねり」を加えていくことで日本文化を発展させてきたことがわかります。また、日本では新旧や国を問わず、多くの文化が共存しています。こうした「かさね」という重層性も、日本文化の特徴のひとつです。
日本語にも、「ひねり」と「かさね」が生きています。例えば、ひらがなやカタカナは中国由来の漢字にひねりを加え、早く楽に書けるようにしたものです。また、日本人は用途によって文字を区別して、数種類の文字をかさねて使い続けています。
語彙(ごい)にも同じことがいえます。日常生活に必要な日本語の語彙は10,000語程度とされていて、ほかの言語と比べてとても多いのです。外来語の「ホテル」を漢語で「旅館」ということもあれば、和語で「やど」ということもあるように、日本語では同じ対象を複数の語彙で表現することができます。これは、さまざまな言葉を吸収し、受け入れてきた結果です。
新横浜駅の新幹線ホームで「停車後、すみやかに発車いたします。」というアナウンスが流れてきました。この「すみやかに」という言葉、「すぐに」と意味は似ていますが少し硬い感じがします。いったい、こういった言葉はいつからあったのでしょうか。例えば『源氏物語』や『枕草子』など、女性の書いた古文の作品を読んでみると、「とく」という古語がこの意味に相当することがわかります。しかし、同じ平安時代でも、漢文を読んでいた男性たちの書物には、「すみやかに」という言葉が出てきます。現代に生きる私たちの日本語も、共通語一つではなく、方言、女性語、若者語というように複数の言葉があるのと同じく、昔の日本語も貴族女性の言葉一つではなかったはずで、多様であったことがわかります。
高知大学 教育学部 准教授 岩城 裕之 先生
方言の研究をしていると、人によって同じことを言うのにも言い方が違うことがあります。例えば農家の人は「そもそも……」とのんびり話し始めますが、漁師さんはまず「こうだ!」と言い放ってから、理由を問われれば答えるという傾向が見られることがあります。このようなものの言い方には、個人差だけではなく地域差があることもわかってきました。日常のコミュニケーションで、「ちょっとあの言い方は……」と思うことがあっても、それはもしかしたら地域差なのかもしれません。
沖縄県の宮古島の方言のように、ほかの地域の人にとって理解が難しい方言を、言語学的には「宮古語」と呼びます。同じように、沖縄本島北部の言葉も「国頭語」と言います。一方で、同じ国内で日本語から分かれた言語ですから、「宮古方言」「国頭方言」という言い方もできます。一口で方言と言っても、その定義は難しい面があります。
また、日本語の方言は地域による違いであることが多いのですが、世界的にみると必ずしもそれだけではありません。社会的な属性、例えば貴族やそれ以外など、属する階級に由来する方言もあります。
2011年の東日本大震災では、数百キロにわたって海岸線が津波被害を受け、拠点病院のほとんどが被災したため、首都圏をはじめ、各地から医療従事者が駆け付けました。このときから、医療現場での方言の研究が始まっています。診察時に問題となるのは、方言がまったく理解できない場合はもちろんですが、同じ単語なのに共通語とは意味が違うといったケースです。もしも、体調や体の部位を表す表現を医師や看護師が誤解したら、最悪の場合、命の危険にもつながります。
将来の地震や津波など大規模災害への備えとしても、避難場所となる予定の学校には、体調が悪いときに使いそうな方言を一覧できる表を準備しておくことが有効です。方言研究は、このように社会に役立つ研究でもあるのです。
関東圏で、国立では珍しく歴史学コースがあったから。
日本文化だけではなくアジアの文化を広く学べるため
英語と日本語の勉強の両立ができること。英語はキャリア・イングリッシュ・アイランドで自分の空いている時間に英語力を高められるのが魅力。
日本語学の分野が大切にされている
教職の免許を取るのに早くから現場を見せてくれるカリキュラムになっていること。
小学校の教員免許を取得しながら中、高の免許も取得できるため
私が好きな日本語について学べる。博物館が近い為取得したかった博物館学芸員の資格もより良い質で取ることが出来そう。
英語も学べてエアラインの授業があるというところに魅力を感じたからです。
岩手大学 教育学部
複数の学校教諭免許を取れ複数の道を拓けるから
地元との繋がりが密接なので、ダイレクトに岩手の子どもたちのためになる研究ができるとおもったから。