「教育」という学問は、学校教員の養成だけではなく、学校・職場など社会全体から個人におよぶまで、あらゆる場面での教育のメカニズムのあり方を学び研究する学問で、「教育学」「教員養成」「総合科学課程」の3つに大別されています。
「教育学」は、人間の発達や教育制度、教育政策、教育環境など、教育のあり方について学ぶとともに、学校教育の諸問題と解決方法も研究対象となります。「教員養成」は、学校教員になることを主目的とし、教員免許の取得に必要な科目を中心に、生徒指導のための専門知識や技術を学びます。「総合科学課程」は、教員免許の取得にこだわらず、その時代の社会の要請に応え、生涯教育・情報化・国際化・人間科学・文化・芸術・スポーツなど幅広い分野の教育を総合的に研究する学問で、大学の専攻・課程も多岐にわたります。
幼稚園や小・中・高等学校などの教員になる人が大半ですが、公務員や図書館司書、学芸員になる人や、塾・予備校などの教育産業だけでなく、金融・保険関係、サービス業などの一般企業に就職する人もいます。
白鴎大学 教育学部 発達科学科 准教授 森 好紳 先生
新学習指導要領により、従来は小学校高学年で行われていた外国語活動が中学年に前倒しされ、高学年では教科として外国語科が実施されます。しかし、英語教育が早期化したからといって、これまで中学生に教えていた内容や方法を、そのまま小学生に当てはめればいいとは限らず、子どもの発達段階に合わせた指導が必要になります。例えば、小学生は中学生と異なり、物事の細部を分析的にとらえるより、全体としてとらえる傾向にあります。また、視覚や聴覚を刺激したり、体を動かしたりするなど、体験的に学んでもらうことが有効だと考えられます。
外国語を学ぶとき、単語一つひとつは理解できても、話の全体像を理解できなければ、コミュニケーションに支障をきたす場合もあります。まとまりのある話を理解するためには、一つひとつの単語の意味を理解した上で、それらをつなげて話の流れを理解する能力が必要です。このように、第二言語学習者の頭の中でどのようなプロセスが起きているのかを分析し、それを基にどうすれば適切な指導ができるかを考えるのが、「教育言語学」という学問です。
教育言語学は「応用言語学」と呼ばれる領域の一つで、関連領域の知見も活用しながら、言語学の知見を教育に応用する分野です。例えば、言語学で得られた知見に、認知科学や心理学などの知見を組み合わせて、第二言語習得に生かしていきます。言語の習得状況を研究する方法としては、ペーパーテストだけでなく、英語を処理する際の時間を計る、視線の動きを分析する、脳波を調べるなど、さまざまな手法が使われます。
こうした調査から、英語教育の現場に役立つ示唆を導き出すことが期待されます。例えば、まとまりのある話の概要を把握してもらう場合、細部だけでなく全体に目を向けさせることが大切です。そのためには、「あとで話の内容を友だちに伝えられるようにしましょう」と指導するなど、「活動の目的」を明確にすることが大切です。
共栄大学 教育学部 教育学科 教授 光野 公司郎 先生
かつて歴史の授業では、例えば「平安京に遷都したのは何年ですか」という問題に「794年」と答えることが求められてきました。しかし、現在の小学校では、単に出来事と年号を覚える歴史学習は重視されなくなりました。今、重視されているのは、その時代にどういう流れで世の中が動いたか、歴史を現代に生かせる部分はあるか、という観点です。
ブロック遊びを想像してみましょう。ブロックのピースをたくさん集めただけでは、何かの形にはなりません。それを組み上げてはじめて、車や家などの形を成すことができます。
幼稚園から高校までの教育カリキュラムの基準を記した学習指導要領は、2017年に改訂されました。小学校の学習指導要領は、学習指導と生徒指導によって「生きる力」を育むことを主眼としています。学習指導においては、ただ知識を学ぶだけでなく、学んだ知識を組み立て、新しいものを創造できる力をつけさせることをめざしています。OECD(経済協力開発機構)が実施している「国際学力調査(PISA)」で求められる、学んだ知識を実社会で活用する力を身につけ、グローバル化時代に活躍していける能力が「生きる力」です。
小学校の教師には、難しいことをやさしく教える技能が必要です。そして、やさしいことをわかりやすく、わかりやすいことを楽しく伝えることが求められます。そのために有効なのは、「イメージ化」です。文字だけの情報に、具体的なイメージを与えることで、理解を助けるのです。例えば、歴史の年表も、単なる事実の羅列ではなく、つながりのある一つの読み物として「イメージ化」してとらえられるようにするのです。
小学校の教師は、長い時間、子どもと接し、すべての科目を教えますから、子どもの成長に大きな影響を与えます。子どもの豊かな人間性の育成に関わる難しい仕事だからこそ、やりがいもある仕事だと言えます。
愛知教育大学 教育学部 教育科学系 教育ガバナンス講座 教授 風岡 治 先生
現代の学校教育現場は、多様化・複雑化しており、教員は多忙を極めています。学習内容が年々変化し、児童生徒一人ひとりと向き合うことが求められ、授業やテストのほかに登下校や給食、掃除の指導、生活習慣指導、集金に至るまで教員の仕事は山積しているのです。
質の高い教育を実現するためには、この多忙を解決しなければなりません。そのキーワードとなるのが、「チーム学校」と「働き方改革」です。
チーム学校では、学校運営をチームの仕事として考え、学校組織の再構築やマネジメント力を強化します。教員が抱える多くの業務を専門職に分担し、教員は本来の教育に専念できる現場づくりをするのです。スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、部活動指導員、図書館司書、英語指導助手など、多くの専門職の人たちと連携しようという動きが加速しています。
キーパーソンとなるのが、事務職員です。校長や教頭、教務主任などとタッグを組み、予算の管理、環境の整備、諸手続き、対外的な折衝などを担える絶好のポジションにいます。学校組織の運営をマネジメントする、教育支援専門職としての活躍が期待されているのです。これが、教員の働き方改革にもつながっていきます。さらに、不登校や外国人、貧困家庭といった子どもが抱える課題に、きめ細かく対応する役割も期待されています。
また、地域連携も不可欠です。文部科学省が推進し、各地でコミュニティ・スクール(学校運営協議会)が発足しています。これは、保護者や地域の人たちが主体となって学校運営に関わる取り組みです。教育ビジョンや課題を共有し、ともに子どもたちを育てると同時に、地域の活性化にもつながります。ここでも、事務職員によるコーディネートが期待されます。
このように、教員がやりがいをもって教育に取り組み、児童生徒が安心して充実した学校生活を送ることを目的とした教育支援体制づくりが急務となっています。
英語教員になるためだけの勉強ではなく、その他の職業になるための勉強もできるから
将来体育科の教員になるための免許が取得できるほか小学校教員の免許も同時に取得できることに魅力を感じたため。
1年次から実際に小学校に行って学べる所が魅力で良いなと思い、決めました。
実習が1年の早い段階からあるなど、充実している。基礎をしっかりとやったり、アカデミーがあったりなど、教員採用試験の対策もしっかりできる。
愛知教育大学では、1年次から学校体験活動などがあり、教育現場での活動体験ができるからです。
特別支援学校の5領域全ての学習ができる点
現代の学校に特化した学びができるからです。プログラミング学習の充実やキャリア教育について詳しく実践的に学べるということを知り受験しました。
聴覚・視覚・発達障がい、病弱、肢体不自由の全ての領域が学べるそうで、近畿では少なくとも調べた限りではこの大学だけで、そこにとても魅力を感じたからです。
岩手大学 教育学部
東北に教育学部がある大学が少ないうちの1つで、自閉症についての研究をしていたから
サブコースでは教育コースや心理学コース等を一年次後期から選択でき充分に考えてから自分の学びたいものへ向かうことができると感じ志望しました。