経営学は企業の運営・管理で発生する「人・モノ・金」などに関する事象を分析することを目的としています。財務・生産・労務などの現状を把握した上で、目的達成のための手段や技法を学ぶ学問です。経済学との明確な区分は難しいですが、経営学の方が企業活動そのものを対象として、より実務的で具体的な分析や研究を行います。
商学は、商品の生産・流通・販売・消費の商業活動全般を研究対象としています。さらにマーケティングや貿易、金融〈銀行・証券・保険)について学ぶことができます。商学の一分野である会計学は、企業活動に必要な会計・簿記を研究するもので、財務会計・管理会計・税務会計などについて学びます。経営学・商学の両方とも、基礎的な経済学や民法・商法、会計学などを学ぶのが一般的です。
事務系職種のほとんどは学んだ内容と関連しているため、進路は多岐にわたります。一般企業では、流通・サービス業、商社、製造業、金融・保険業を希望する人が大半です。公認会計士や税理士などの国家資格取得をめざす人も少なくありません。
一橋大学 商学部 教授 軽部 大 先生
人口減少・少子高齢化が急速に進む日本において、今後の経済成長・経済発展をめざすための重要なキーワードは、新しい知識・技術を利用して課題を解決すること、つまり「イノベーション」です。経営学における「イノベーション」とは、大きな社会変化と経済成果をもたらす「革新」のことを意味します。
企業経営においては、新たな製品・サービスの開発や生産・販売方法の導入などを通じて、これまでに見たことのないような新しい価値を生み出すことが求められています。
こうしたイノベーションを生み出せる企業と、生み出せない企業の違いはどこにあるのでしょうか? その理由や時代背景、地域差などを多面的に研究するのが「イノベーション研究」という学問です。しばしば、イノベーションは「境界領域」で起こると言われています。境界領域とは学問分野に限らず、複数の領域が重なり合う場のことで、互いに異なる視点を提供し、共通の課題を解決できれば、それが独創的なアイデアや方法論の実現につながります。
例えば、ペンギンは鳥類でありながら、飛ぶことはできません。ですが、魚のように水中を泳ぐことができ、海の中と陸の上の2つの世界を自由に行き来することができます。その意味で、ペンギンは境界領域に存在していると言えます。こうした複数の視点や言語、価値観を合わせ持つ人材が、今の日本企業には残念ながら欠けています。
イノベーションの種は、「夢」や「希望」ではなく、「困難」「不便」「悲しみ」といった社会が抱える課題にあります。例えば、パソコンなら左利きの人も使えるように左右にUSBポートを配置したもの、キーボードを使わなくても声で文字入力や操作ができる機能など、社会的少数者に注目して、商品・サービス・システムを作れるかどうかもイノベーションを生み出す上で重要なポイントなのです。
武蔵野大学 経営学部 経営学科 准教授 宍戸 拓人 先生
経営学では、ヒトのマネジメントに役立つ心理学の理論についても学びます。それらの理論を応用すれば、勉強がきらいになってしまう理由を理解することもできます。例えば、テストで悪い点をとった時に、周りの人から「……のように勉強すべきだ」とアドバイスをもらうことがあるでしょう。リーダーシップ研究では、「悪い結果が出た後になって口を挟まれると、人はやる気を失う」という事実が確認されています。したがって、よかれと思ってアドバイスすること自体が、勉強のやる気を失わせてしまうことがあるのです。
よい点をとったらご褒美をあげるという方法はどうでしょうか? 一見すると効果的だと感じられますが、この方法にも問題があります。例えば、趣味で絵を描くことが好きな人が、お金を稼ぐために絵を描き始めると、楽しくなくなってしまうことがあります。「楽しいから頑張る」という自主性をともなったやる気を内発的動機と言います。報酬の獲得を意識すると内発的動機が弱まることが、モチベーション研究において確認されています。したがって、ご褒美をあげるという方法は、試験の点を高める効果を持ちうるけれども、勉強自体の楽しさや自主性を犠牲にしてしまうのです。
では、「100点をとる」などの目標を立てることは、どうでしょうか? 挑戦的な目標を立てることによってやる気が高まるという議論は、目標設定理論として体系化されています。しかし、目標の設定はかなり注意深く行う必要があります。例えば、どう勉強したらよいかわからないのに、「100点をとる」という目標を無理矢理立てさせられても、勉強のやる気は高まらず、むしろ過剰なプレッシャーを感じてしまうでしょう。このような場合には、落ち着いて自分の現状を分析し理解するために、あえて「100点」などの数値目標を無視することが効果的であるという事実が、目標設定に関する研究において確認されています。
桃山学院大学 ビジネスデザイン学部 ビジネスデザイン学科 教授 牧野 丹奈子 先生
デザインとは「美しい形を天才肌の人がつくること」だけではありません。チームでコミュニケーションしながら、「新しい仕組みをつくること」もデザインと言います。ですからビジネスデザインとは、チームで新しいビジネスの仕組みをつくることを意味します。例えば、メルカリなどのシェアリングビジネスも新しいビジネスの仕組みのひとつです。
グローバル化のなかで、日本企業はさまざまな危機に直面しています。今の日本企業に求められるのはイノベーションです。イノベーションとは単なる技術革新ではなく、新たな社会的価値を生み出すことを意味します。つまり、革新的なビジネスの仕組みを生み出すことが求められているのです。そこで必要となるのが、ビジネスデザインの学びです。ビジネスデザインを学び、モノづくりではなく新しいビジネスをつくることで、ジャパンブランドは復活させられるのです。
ビジネスデザインには4つのフェーズがあります。「調査」「分析」「企画」「実践」です。
このように書くと「調査」→「分析」→「企画」→「実践」と進むように思うかもしれません。しかし、それでは新しいビジネスはつくれません。新しいビジネスをつくるときは、これらの4つのフェーズをスピーディーに行ったり来たりします。つまり、これら4つのフェーズを自由に行き来する力が求められるということです。自由に行き来するためにはさまざまなスキルが必要になります。コミュニケーション力もそのひとつです。そしてスキル以外に大事なのは、心構えです。例えば、調査や分析では対象を他人事として考えることもできますが、企画や実践では自分事と考えなければ実現できません。このようにビジネスデザインでは、強い意志(当事者意識)が必要です。このような意志はAIには持てません。だからこそ、これからの社会で人間だけができるビジネスデザインを学ぶことが重要なのです。
公立鳥取環境大学 経営学部 経営学科 教授 磯野 誠 先生
私たちは物理的にはもちろん、現実の中に生きていますが、気持ちとしては、現実と理想(あるいは夢)の間に生きています。言いかえれば私たちは現実にいながら、常に理想の自分を想像し、それを追い求めているものでしょう。理想があるから今の自分があるということもできます。その理想とは、「将来こんな仕事につきたい」といったような大きなものから、「昼は美味しいものを食べたい」といったような小さなものまでいろいろです。いずれにしてもそのような人が 抱く理想を実現しようとするのが、マーケティングです。
部屋の消臭芳香剤で考えてみましょう。消費者の理想を知るべくその気持ちを聞いてみると、彼らは「窓を開けると風が吹き込んできたような爽やかな部屋」が欲しい、とわかったとします。そこで、消臭芳香剤でもただ臭いを消すものとしてだけではなく、「吹き込んできた風が部屋全体を爽やかにする」というイメージをもとにコンセプトを立てたとすれば、「風の流れ」や「透明感」「爽やかさ」などを具現化した、消費者がその理想により近づくことのできるような商品をつくり提供できることになるでしょう。
今、私たちは当たり前にスマートフォンを使っています。きっと20年後には通信・コミュニケーション手段は全く異なる形になっているでしょう。今からその未来の姿を正確に予想するのは不可能です。しかし、人々がどんなライフスタイルで毎日を過ごすのが理想的かと想像することで、現在の延長線上にはない新しいアイデアが出現する可能性があります。
これは「ビジョニング」という考え方です。近年の地方創生という大きな課題でも、現在の延長線上としての未来ではない、より理想的な未来とは、という視点に立てば、今すべきことがより明らかになるでしょう。ここにもマーケティングが果たすべき役割があります。
1年次に行われる武蔵野FSというプログラムが他校にはなく、自分にとって成長できると思ったから。
カリキュラムが充実していることで、自分の学びたい分野を専門的に学ぶことができる
学部独自の実践的なプログラムや進路支援を職員の方達が一対一でサポートして下さる就活担任制などが充実
経済学部エキスパート型が魅力的だった
送料とも無料
発送予定日: 明日発送発送日の3〜5日後にお届け
経済学に加え、経営や会計、法律、情報と様々かつ、専門的に学べる環境に惹かれたから。
地元の活性化について興味があり、それについて勉強できる大学に進みたいとおもっていました
経営学を学びながら環境学についても学べるから
英語村や、図書館も遅くまで開いている
一橋大学 商学部
一橋大学の商学部には、1年次からのゼミナール教育があるのです
商学部でマーケティングなどを学びたい。