経営情報学は、社会にあふれる情報の中から企業経営に必要な情報を選択して収集し、経営の分析や意思決定に役立てることを目的とする学問です。経営学が研究対象としている「人・モノ・金」に加えて「情報」という要素を研究の中心に据えていることが、この学問の大きな特徴です。ネットワークシステムの発達で情報の重要性はますます高まっています。
組織の管理や運営といった文系的側面に加え、コンピュータによる情報処理やデータ分析という理系的側面の両面から学びます。経営の意味や組織のあり方を考える経営学理論をふまえて、データの収集・分析によって経営システムの開発や構築をめざしたり、経営マネジメントや企業の経営戦略立案の方法なども研究対象となります。プログラミングやシステム設計など情報処理の能力が大いに発揮できる分野です。
経営学的な知識に加え、情報・コンピュータ科学の分野にも通じた人材として、企業での期待度が高まっています。情報処理系企業をはじめ、金融・保険業、流通・サービス業、広告代理店などへの就職が目立ちます。
成蹊大学 経営学部 総合経営学科 教授 山崎 由香里 先生
多くのコンビニは、売れ行きのよい人気商品や新商品を中心に販売しています。上位20%の売れ筋商品がお店全体の利益の80%を占める傾向があるからです。ですがローソンでは、エッグタルトのような購入頻度がさほど高くなくても販売し続ける商品も見られるようになりました。なぜならば、エッグタルトは若い女性を中心に繰り返し購入されるため、長い目で見ると十分な利益を生み出すからです。
どんなビジネスでもリピーターをつかむことが大事です。広告宣伝費をかけて認知度を高め新規顧客を獲得するためには、既存顧客に再購入を促すより5倍もの労力が必要だと言われるからです。少ない販売量でも長期的に売れ続ければ利益につながる「ロングテール」というマーケティングの考え方があり、Amazonもロングテールによる成功企業の一つです。Amazonの特長と言えるのがレパートリーの豊富さで、実店舗に行ってもなかなか見つからないマイナーな商品を手軽に購入できることが話題となり、短期的なニーズは少なくても長期的に売れる商品により売り上げを伸ばしています。
企業がロングテール商品を見つける手掛かりとしているのが購入データです。その入り口となっているのが消費者の持つポイントカードです。カードには顧客のデータが入っていますから、それをたどれば、どの商品がどの性別や年齢層を中心に購入されているかを判断することができます。一方、消費者のスマホや店のレジにもさまざまなデータが蓄積されています。これらのデータをまとめた総称が「ビッグデータ」です。
そのビッグデータから、顧客がどういった商品を購入しているかの行動パターンを探り、息の長い商品や少数派が求めている商品など、利益につながる情報を掘り起こすことを「データマイニング」と言います。人の嗜好(しこう)が多様化した現代において、さまざまな角度からデータを分析して個々人の消費の傾向を見つけ出すことが、ビジネスの成功を左右するのです。
中京大学 経済学部 経済学科 教授 増田 淳矢 先生
Amazonなどのネット通販サイトで商品を購入すると、おすすめ商品が表示されます。それは過去の購入データから、自分の購入履歴と近い人がほかにどのような商品を購入しているかを分析して、表示したものです。どんな商品が売れるかは、価格や好みなどさまざまですが、それを分析するのが経済学であり、実証するのが統計学です。統計は実験が難しい医学・社会科学などの学問、さらに国の政策立案などにも利用されてきました。王政時代のフランスでは、統計データを用いて人口を推計して、きちんと税金を徴収したことにより、恨まれて処刑された人がいたほどです。
統計は、言葉の分析にも活用されています。例えば、どの企業に投資をすればいいかを考えるとしましょう。どういう企業が儲かるかを考えるのが経済学の役割です。経済学の知識を生かして、儲かっている企業を探すのがデータ分析の使い方になります。企業を分析する場合、一年間の業績を集計した「有価証券報告書」などを分析しますが、数字以外に使われている言葉でも統計分析ができます。
業績が悪化している企業は、「今」の内容を詳しく書いても暗いことしか書けません。となると、「将来」「未来」に関することを説明したくなります。実際に調べてみて「将来」「未来」という類の言葉が多い企業の業績が悪かったことがわかったら、その言葉を多用するほかの会社も「業績が悪化している可能性が高い」と分析できるわけです。言葉は生き物のようなもので、使い方は時代とともに移り変わりますが、統計分析に役立つ指標にもなるのです。
今日、ITの発達で、活用できるデータの種類はますます増えています。統計を使って、膨大なデータを分析することで、例えば「価格が安ければ売れる」「大学に行けば生涯賃金が高くなる」などの漠然としたイメージでしかないものが、本当にそうなのかを多分野にわたって証明していくことができるのです。
桃山学院大学 ビジネスデザイン学部 ビジネスデザイン学科 准教授 大村 鍾太 先生
「サプライチェーンマネジメント」とは、モノを顧客に提供するまでの一連の流れを統合して考えて、設計・管理することです。IT(情報技術)が導入されたことで飛躍的な進歩を遂げました。例えば、小売店は需要を予測して、念のために多めの在庫を用意します。同様に卸売店、メーカーも、念のため多めに在庫を用意しようとします。これらが積み重なると実際に売れる量よりも多くの製品が生産されてしまいます。しかしITによって小売店の実際の販売状況が製造ラインに共有されれば、適切な量の生産が行えるため、無駄が発生しません。
私たちの身近にも、サプライチェーンマネジメントにITをうまく活用している企業があります。コンビニ業界でトップシェアを誇るチェーンは「単品管理」というマネジメント手法を確立しました。これは商品ごとの販売実績のデータをうまく活用して、売れる商品を多く発注し、売れない商品は棚から外すなど、情報をもとに売り場を改善していく手法です。アメリカでも「TANPIN KANRI」という言葉になるほど広く知られています。
この分野で今、注目を集めているのは、「ブロックチェーン」というIT技術です。これは、一度記録された情報がネット上に消えることなく存在し続け、広く共有されるという仕組みで、ビジネスの分野では特に取引上の信頼性の担保に役立ちます。例えばワインを作るには仕込みから完成までに多くの時間がかかるため、ワイナリー経営のリスクは高いと言えます。しかし、ブロックチェーンを活用すれば、ぶどうを仕入れた時期や仕入れ先、醸造される樽や販売相手といった一連の情報が偽りなく詳細に共有されるので、投資家からの信頼を得やすく、経営が安定します。製造者や投資家、消費者にとって有益な技術として、実用化が進められています。
山口大学 経済学部 経済学科 教授 兵藤 隆 先生
電子マネーは、利用できるお店が限られるという欠点はあるものの、現金を用意しなくても決済できるという利点があります。手続きも簡単です。では、このサービスには企業側にどんなメリットがあるのでしょうか。日本で電子マネーが普及するきっかけとなったのは鉄道会社が導入したことでした。改札で使用される、切符を通す形の自動改札システムは機械が複雑で高い維持費がかかっていました。そこでコストを削減するために導入されたのが、かざすだけで決済ができる非接触型のICチップを使った電子マネーです。
鉄道会社の電子マネーは、切符や定期だけではなく駅構内の店舗や駅以外の店舗でも使えるようになり、新たな収入源の開拓につながりました。この成功を見たコンビニやショッピングセンターなどの流通企業も、独自に電子マネーを導入するようになりました。ポイントシステムを導入して顧客の囲い込みを行い、自店舗以外でも使えるようにして利用者を拡大しています。流通系の電子マネーでの企業のメリットは、電子マネーには個人情報が含まれているので、レジでバーコードによって収集する購入情報と個人情報を結びつけた緻密なデータが得られることです。これは次回のマーケティングに利用されます。
さらに、電子マネーはほかの企業への波及効果もあります。例えば、電子決済システムを開発した企業へ大きな収益をもたらします。また、ショッピングセンターやコンビニを母体とした新しい金融機関を誕生させる呼び水にもなっています。ただし付随する問題もあります。それはポイント制度です。ポイントは企業にとっては負債で、利用者が一挙にポイントを使うと収益低下の要因になるというリスクがあります。リスクを回避するため、ポイントに使用期限を設けるなどしていますが、提携企業が増えればそれだけリスクも増大します。利便性の拡大とリスク増大は表裏一体なのです。
グローバルフィールドスタディーズや留学制度、経済の勉強もしっかりできるところに魅力を感じたからです
視野を広く持てるようになれるかと思います。
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観光政策学科があり観光についての分野を経済の観点から学べるから
経済について学べる。公認会計士の資格を在学中にとれる。
成蹊大学 経営学部
特定の分野に特化したプログラムが多数あったため、より深い内容の学習ができると思ったから。
経済、経営どちらからの視点でも学べる学科設定に魅力を感じたから