コンピュータ、情報、通信などに関するあらゆる技術を研究する学問です。インターネットの普及と、通信技術やモバイル端末の進歩により、情報のネットワークが一気に拡大し、情報の高速化、大容量化、モバイル化は生活の利便性を高めています。こうした技術開発を担っているのが通信・情報工学です。
主要な研究分野は、以下の3つに分かれます。1つ目はコンピュータのハード・ソフトと通信・情報処理を総合的な観点から学び、情報伝達技術の向上や環境について考える分野です。2つ目は情報とは何かという問題から情報の扱い方を考え、それを確率・統計、情報理論、ソフトウェアの研究に生かす分野です。3つ目は情報の産業部門への応用を図る分野で、管理工学・経営工学などと関連が深く、産業分野で情報を利用するためのシステムや機器の開発なども行います。
システムエンジニアのような直接情報に関わる職業に就く人や、家電・音響機器などの電気・電子機器メーカー、各種製造業、流通・サービス業、金融・保険業などに就職する人が大半です。研究開発職での就職を希望し、大学院へ進学する人もいます。
公立はこだて未来大学 システム情報科学部 複雑系知能学科 教授 村井 源 先生
コンピュータを使ってデータを分析し、処理することは、いまや当たり前の時代です。中でも人工知能(AI)の研究は日々進歩し、近年では、人間の創造性豊かな思考や感情を表現し、言葉の持つ奥深い意味をくみ取り理解できる人工知能の開発が進んでいます。
言語、特に日本語は、同じ単語を使っていても、感情や文脈、解釈の仕方、時代の変化などにより意味が異なってきます。そうした言葉の不思議さ、多義性を分析する研究の第一歩は、膨大なデータを分類し、分析することです。
そのデータを生かした研究のひとつが、人工知能に物語を自動生成させるシステムの開発です。小説などの文章を構造的、技術的に分析する「物語論(ナラトロジー)」をベースに、言葉の組み合わせやレトリック(修辞技法)のパターンを人工知能に学習させます。それにより、あるテーマを与えると、人工知能が自動的に文章を作成し、物語を作るという仕組みです。ただし、ここで問題なのがレトリックです。レトリックとは、簡単に言えば「花のような人だ」のような表現、比喩や修飾語などのことで、文学作品でよく使われる手法です。レトリックを人工知能に組み込むには、その言葉が持つ深い意味合いも含めたデータを的確に与えなければなりません。そのためには自然言語処理や人文学の知識も必要で、理系・文系双方の学問が融合した研究なのです。
単に辞書にある言葉の意味だけでなく、発言の奥に隠された意図や深い意味までコンピュータが判別できるようになれば、さまざまな分野でヒトとコンピュータの双方向コミュニケーションが可能となるでしょう。例えば、「その場の空気を読んで受け答えする人工知能」が生まれるかもしれません。しかもその会話も、ワンパターンないわゆる機械的な応答ではなく、相手によって言葉遣いを変え、状況に応じて臨機応変に答えてくれるものとなるでしょう。
電気通信大学 情報理工学域 II類(融合系) 情報通信工学プログラム 教授 松浦 基晴 先生
光ファイバーと聞いて何をイメージしますか? インターネットなどの通信技術で使われている線、という答えが一般的かもしれません。光ファイバーの多くは、普通のガラスよりも純度の高い、透明度の高いガラスで作られています。そのため、光ファイバー通信では、光の信号が髪の毛ほどの線からほとんど漏れ出ることなく伝送され、遠く離れた場所にも情報を送ることができるのです。
光ファイバーは、通信だけでなく、電気の供給にも利用されています。この技術で注目されているのが、災害時のアンテナ基地局への給電です。携帯電話は、最も近い基地局と無線通信することで通話やインターネットへの接続ができます。しかし、災害でどこかの基地局が停電してしまうと、その周辺のスマートフォンや携帯電話は通信できなくなります。そこで活躍するのが、光ファイバー給電です。
基地局では通信に光ファイバーを使用しているので、光ファイバーで電気を送る仕組みを整えれば、たとえその地域が停電になっても基地局の機能を維持できます。それを実現するには光の通路とともに電気の通路をも確保した特殊な光ファイバーが必要となりますが、すでに十分な電力を、通信に影響を与えず送る技術は開発されています。
光ファイバーには、ガラス製のほかにプラスチック製のものもあります。プラスチック製は軽く柔軟なため、揺れたり動いたりといった負荷にも比較的強いのが特長です。そのため、自動車などの乗り物への利用が進められています。特に期待されているのが、車の自動運転技術への利用です。自動運転では、複雑な情報を大量かつ高速に処理するシステムが必要になります。しかし、それを車の中に作るのに、従来の電気回線ではケーブルだけで80キロほどの重量になり、車体が重くなってしまいます。軽量かつ耐久力のある光ファイバーはそうした問題を解決する素材として、自動車産業からも注目を集めているのです。
武蔵野大学 データサイエンス学部 データサイエンス学科 准教授 佐々木 史織 先生
現在、国連などの国際機関で活用されているシステムに「5D World Map System(5次元世界地図システム)」があります。2次元は「平面」、3次元は「空間」、4次元は空間に「時間」軸をプラスした概念です。それに、「意味」という概念をプラスしたのが「5D=5次元」です。この場合の「意味」とは、メディア(文章・画像・動画)に表現されたものを指します。これらをデータ化して世界地図に統合したのが「5D World Map System」です。
メディアをデータ化することは簡単ではありません。文章の場合は、単語に分解して、どういう単語がどこでどのくらい使われているかを抽出して、データ化します。画像や動画の場合は、どの色や形がどこにどのくらい使われているのかといった指標をもとにデータ化していきます。こうしてデータ化されると、メディア同士の「意味」的な近さを計算できるようになります。これらメディアをIoT環境センサーデータと共に世界地図のデータに統合することで、地球がどんな状態に置かれているのかを多角的に把握できるようになります。
例えば、海岸に溜まったプラスチックごみを撮影した画像を、世界的な規模で収集し、このシステムに統合して検索すれば、どこにどれだけのプラスチックごみが存在しているのかがわかります。時間軸を合わせたり、気象条件や地理的条件を合わせたりして検索することもできます。こうした画像は一般の人でも撮影することができますから、世界中から容易に集めることができます。さらにここに、国・自治体・研究者が計測した水質センサーデータを重ねて見ることもできます。この手法を使えば、世界のどこでどんな現象が起きているのかを明らかにし、原因を分析し、解決策を提言することが、今まで以上の精度でできるようになります。まさに、身近なデータの活用が「新しい知識」の創造につながることになるのです。
富山大学 工学部 工学科 知能情報工学コース 教授 田端 俊英 先生
医療では、同一の病気であっても、すべての人を全く同じ治療法で治すことは難しいです。なぜなら、遺伝子=DNAの配列はその人ごとに異なるため、適した治療法や薬の効果にばらつきがあるからです。そこで、一人ひとりに応じた方法で治療することにより、高い治癒率をめざす必要があります。その情報源となるのが遺伝子であり、それを設計図として作られている約2万種類のタンパク質です。
遺伝子は4種類のDNAの文字(塩基)の配列で構成されています。塩基の配列がアミノ酸の合成を指示しますが、塩基の配列が変異するとアミノ酸が変化し、タンパク質の形と働きが変化するため、病気を引き起こします。これまで、患者さんから見つかった変異と、臨床データとすりあわせ、遺伝性の疾病を診断する方法が研究されてきました。しかし、変異と臨床データの間に一定の規則性はあっても、変異から疾患を正確に診断することはできていませんでした。正確な診断には、変異がどうやって疾患を引き起こすかという因果関係がつかめていなければならないのです。
例えばネット通販でコーヒーを買うと、ほかの人の購入履歴などに基づいてクッキーの広告が表示されたりします。しかし、なかにはクッキーが嫌いな人もいます。現実では統計データだけでは説明できない結果が見られるのです。そこで、「コーヒーは苦く、クッキーは甘い。一緒に食べるとおいしいから同時に買う」など、人それぞれの因果関係をデータベースに反映させることで、より効果の高い広告を表示させることができます。
疾病についても同様です。遺伝子の変異がタンパク質の働きにどのような変化をもたらすかを実験的に明らかにし、遺伝子変異→タンパク質の働きの変化→疾病という因果関係を反映したデータベースを作れば、診断の精度を上げることができます。このようなデータベースが、一人ひとりに最適な治療を提供するテーラーメイド医療を実現すると期待されます。
数学、理科の科目を質問できる環境ソフトウェア等の環境
他大学にはない独自の学科であったため。
通信工学や電子工学をしっかり学びたいと思っていたため、それらが専門的に学べる電通大を志望した。
自分のしたいVRやARなどの分野が盛んであり、プログラミングも詳しく勉強できると思ったため。
新設学部でやりたい事の出来る学部の為
データサイエンス学部はこれからの日本や世界を支える学問
医薬品関係の研究に特化し、地元企業と連携して学問を学ぶことができるから
自分のやりたい医療にかかわる工学を勉強できるから
公立はこだて未来大学 システム情報科学部
AI研究において一歩先を行くため
人工知能について有名な教授がいるらしいから。