看護学は、病院や社会福祉施設などで医師の診療を補助し、新生児から高齢者まで、病気で苦しむ人を身体、心の両面からケアする技術や方法を学ぶ学問です。患者の年代や病気の内容により「基礎看護学」「精神看護学」「成人看護学」「小児看護学」「母性看護学」「老年看護学」などに分かれていて、細分化された看護のノウハウを学びます。
所定の科目や課程を履修することで、看護師、保健師、助産師(女性のみ)の受験資格や、養護教諭の資格を取得できます。医療の高度化や専門化にともない、がん薬物療法看護や感染管理、緩和ケア、クリティカルケアなどの特定分野について高度な看護を実践できると認められる「認定看護師」や、大学院修士課程を経て特定の専門看護分野で卓越した看護能力を持つと認められる「専門看護師」などの認定制度もあります。
国家試験受験資格を取得し、看護師、保健師、助産師などをめざす人がほとんどです。医療機関での勤務に限らず、在宅療養を望む人のケアや、老人福祉施設、児童福祉施設、訪問看護ステーションに所属するなど、活躍の場は多岐にわたります。
埼玉県立大学 保健医療福祉学部 看護学科 准教授 櫻井 育穂 先生
小児看護の世界で、現在研究が進みつつある分野として、「移行期支援」があります。移行期とは、子どもが成長し、その人らしく大人になる過程のことです。その過程の中で病気をもつ子どもは、病気の理解を深めたり、療養行動を獲得したりするなどさまざまな課題があり、それをどのような看護で支援すべきかが小児看護の課題となります。
移行期には、大きく分けて3つの移行があります。ひとつは、「診療の場の移行」です。大人の診療科と違い、小児科における治療や看護においては、成長し発達していく子どもが対象であるということが、大きな意味を持ちます。特に、子どもの患者は、15歳くらいになると小児科から大人の診療科に「転科」することになり、担当医師も替わります。子どもや家族からすると、「パートナーが替わる」という重要な問題です。もう1つは、「意思決定をする人の移行」です。幼児期においては、治療方針などを本人ではなく家族に判断してもらうことがありますが、成長するにつれて、本人への説明と意思確認を行うようになっていきます。もう1つ、「療養行動の移行」もあります。子どもが自律・自立していくにつれて、自分でできることが増えていき、健康状態も自己管理ができるようになっていきます。
「乳児期」「幼児期」「学童期」の看護のあり方についてはこれまでも研究されてきましたが、「思春期」については今まであまり研究対象とされませんでした。
小児科の場合、医師や看護師は患者だけでなくその家族とも向き合っていくことになりますが、思春期になると患者本人と1対1で向き合うことが多くなり、従来の小児科の考え方とはまた違ったアプローチが求められるようになります。乳児期、幼児期、学童期、思春期と、発達段階に応じて必要とされる看護のあり方は変わっていくのです。特に思春期は、自分らしさや夢を模索している時期のため、その人らしく大人になるための移行期支援が重要な課題となるのです。
千葉大学 看護学部 教授 池崎 澄江 先生
看護に対してどのようなイメージを持っていますか? 病気を治療中の患者さんのお世話、というイメージが強いのではないでしょうか。もちろん、病気を治すために行う看護は大切です。しかし、看護にはこれ以外にもたくさんの役割があります。
例えば、人が人生を終える時を支えていく「エンドオブライフケア」も大事な役割です。死期が近づいている人にとって、治療するだけが残りの人生ではありません。いつか亡くなってしまうとしても、その日1日を快適に、自分らしく過ごすということは、その人にとってとても大事なことです。そのために看護に何ができるか、ケアのあり方を考えるのも看護の仕事なのです。
理想のエンドオブライフケアの形は、人によってさまざまです。エンドオブライフケアにおいては、その人が望むことを尊重するという徹底した姿勢が最も大切です。病気に対する治療を続けることより、本人の希望を優先することもあります。しかし医療者が本人の望むようにしたいと思っていても、本人に直接聞くのがためらわれたり、病気の進行によって聞き出せなくなってしまったりということがあります。そうならないために、予め準備していくという発想が必要です。人生の終末期を迎えた際、どうしてほしいのか普段から家族で話しあうよう、周知させていく必要があるでしょう。とはいえ、人の気持ちは日々変わっていくので、実際のケアのなかで本人の意思をくみとっていくことも欠かせません。
また、医師をはじめとした医療や介護に関わるさまざまな職種との連携や、家族とのコミュニケーションが重要です。ケアを受ける場所は、病院とは限りません。介護施設であれば、介護職のほうがより多くの情報を持っていることもあります。また、エンドオブライフケアは患者さんを看取る家族にとっても大切なものです。家族に後悔を残さないことも、役割のひとつといえます。
同志社女子大学 看護学部 看護学科 教授 和泉 美枝 先生
看護師の活躍する場は多岐にわたりますが、唯一、命の誕生に関わるのが産科の看護師です。出産をめぐる状況は、時代とともに変化しています。少子化にともなう核家族の増加、女性の社会進出にともなう高齢妊娠・出産の増加、ハイリスク妊婦や新生児の増加、不妊や帝王切開の増加などにより、妊娠・出産・育児が、以前より困難になってきているのが現状です。
また、人工授精、代理母、出生前診断など、医療の進歩にともなって、新たな生命倫理の問題も出てきています。
そんな時代の変化の中でも、産科の看護師には変わらない役割があります。それは、赤ちゃんの誕生に際して、家族の幸せな出発をサポートすることです。出産という家族にとってかけがえのない場面でつまずくと、産後うつや育児放棄などにもつながりかねません。それほど大切な仕事です。それぞれの家族にとって何が一番いいのかを考え、そこに寄り添ってケアを行います。2つの命を預かる責任はとても重いものですが、赤ちゃんが生まれた時の感動は、何物にも代えがたい大きな喜びです。
看護師には専門知識と技術が必要なのは言うまでもありませんが、それと同じくらいに大切なのがコミュニケーション力です。看護師は、相手の状況を考えた上でアプローチする仕事です。お母さんの話し方や赤ちゃんとの接し方など、目の前の母子を見て気づいたことから想像を膨らませて考えることで、本当にその家族が求めていることを理解し、それに応じたケアを提供できるのです。
現在、医療と地域との連携が広がってきています。共に働く人も、医師や薬剤師だけでなく、行政、保健師、保育士、児童福祉士、栄養士など多岐にわたり、さまざまな人と連携を取りながら仕事を進めていく必要があります。今後、看護師にとって、コミュニケーション力と観察力は、ますます大切になっていくでしょう。
保健師や助産師になれるコースもあるので魅力的だった。地域密着の学習ということで将来訪問看護にも興味があるので強みになると思ったから。
看護師、保健師の国家試験受験資格が得られる大学は数多くあるが、看護師のほかに保健師、助産師、養護教諭から選択できる点が魅力的だったから。
普遍教育に力を入れているので、自分の価値観や知識の幅を広げて行ける環境だと感じたから。
医療系三学部による亥鼻IPEという教育プログラムにおいて、患者さん中心の専門職の連携のあり方をより実践的に学ぶことができると思ったから。
医学部、付属病院、他同じ敷地内にあり、チーム医療が学べるのが魅力的でした。
自習が一年時からあり即戦力となれる看護が学べると考えたからです。その上、施設や自習先が充実しており魅力的に感じました。
看護を学ぶのに施設、環境が良いと思った。
落ち着いた雰囲気が良いと思いました。
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札幌市立大学 看護学部
OSCEというカリキュラムに興味を持ったことと、デザイン学部と共同で授業をするので患者さんにより良い環境を作ることが出来ると考えたから
助産学専攻科でも学ぶことが出来るので、看護師・保健師免許だけでなく、助産師の免許も取れる