児童学は、幼児・児童の心身の成長と発達をさまざまな角度から分析し、子どもの成長にとって望ましい教育や生活環境について研究する学問です。幼児期の教育は子どもの成長と発達にとって重要です。子どもたちとの実際の交流を通して、子どもたちが抱える問題をとらえる臨床的な研究も行われています。
主な研究分野は5つに分かれています。「児童心理学・発達心理学」は子どもの発達に応じた心理と行動の関係を研究します。「児童教育学・保育学」は児童の教育のあり方を家庭や地域社会を含めて考えます。「児童福祉学」は児童の育成で生じる問題の福祉的側面からの解決を模索するとともに、児童福祉の理念を学びます。「児童保健学」は児童の心身の健康について学びます。「児童文化・環境学」は子どもと、その生活環境の関わりを研究します。
保育士や、幼稚園・小学校で教育職になるなど、子どもと直接関わる職種を志望する人が大半です。児童相談所職員や公務員として行政面から児童の問題に関わったり、玩具や子ども服のメーカーなどに就職する人も少なくありません。
國學院大學 人間開発学部 子ども支援学科 准教授 吉永 安里 先生
『おおきなかぶ』の絵本は、幼児期の教材として幅広く取り入れられているものです。しかし、幼稚園・保育園と小学校での取り組みを比べると、同じ教材ですが指導方法には違いが見られます。
幼稚園・保育園では多くの場合、子どもたちは先生の前に集まって座った状態で、先生が絵本を見せながら読み聞かせをします。周囲の子と肩が触れ合うような距離感で「うんとこしょ、どっこいしょ」と声を合わせて体を動かしながら聞いています。想像を膨らませながら物語を友だちや先生と楽しむことが、幼稚園教育要領や保育所保育指針では一番のねらいになっています。
それに対し、小学校の伝統的なスタイルでは先生が教壇に立ち、児童一人ひとりが距離を保った席に座り、45分先生の話を集中して聞くことを求められます。言葉を覚えたての時期は「りんご」という単語を見て「り」「ん」「ご」と一音ずつ発音し、読み終わった後に自分が発した音が「りんご」とつながり、意味を理解します。そのため、小学校1年生の教科書は文節ごとに空白をいれて表記する「分かち書き」で書かれています。言葉のまとまりが視覚的にわかり、文章の意味をつかみやすくするためです。
また、物語の内容を理解しやすくするため、授業の最初に先生が話を一通り読んで聞かせることもあります。それでも、先生から指示されたページを開き、一人で文字を読んで物語を理解するのは、小学校1年生には高いハードルです。
こういった幼稚園・保育園の指導とのギャップを子どもたちは敏感に感じ取っています。小学校に入学した子どもが新しい環境になじめない状態が続く「小1プロブレム」という問題も起きています。学校や幼稚園・保育園、家庭、地域環境などそれぞれに要因があると考えられますが、文部科学省では子どもたちが入学時から楽しく、充実した学習ができるように「スタートカリキュラム」の導入を進めています。
名古屋市立大学 人文社会学部 心理教育学科 准教授 上田 敏丈 先生
幼少期は人が発達・成長する重要な時期であり、保育者の役割はますます大切になっています。そこで、保育者のレベルアップには、経験豊かな保育者たちが現場で培ってきた「実践知」を学ぶことが有効です。例えば、現場ではよく「子どもを見守ることが大切」と言われますが、どう見守ればいいのでしょうか?
見守るとは、監視や静観、放任とも違い、関与の仕方も違ってきます。「見守ること」ひとつとっても、保育者や園によって異なります。その価値観の差異が、保育の違いにもなっています。
ある保育者は、子どもが取っ組み合いのけんかをしていたら、「のこった、のこった」と相撲の行司のように声をかけ、遊びにしてしまいます。また、ある時は子どもたちから話を聞き、「誰が何をどうしたか」を整理して解決に導くこともあります。これらは、子どもたちを見守りつつも、関与して介入する手法です。
一方、ある保育者は場合に応じて、子どもたちを40分以上も見守ります。子どもたちが自分の意見を言い、話し合って解決するまで待つのです。ここには、介入せずに関与する姿勢があり、子どもたちの思いや時間、主体性を大切にする意図があります。いずれも良い悪いではなく、教育方針や実践知の表れなのです。
実は見守る教育は、日本独特のスタイルです。アメリカや中国などでは、時間をかけて見守ることはしません。子どもの「できた!」という達成感を育てるために、保育者たちが下準備しているケースが多いのです。
それに対して日本では、保育園や幼稚園にもよりますが、「話し合って解決する」のが教育のベースとしてあります。「見守る時間」が、子どもたちがチャレンジするチャンスの時間となるのです。多くの保育者は、実践知でどうするべきかを知っています。これを理論として確立することが、新人保育者の育成のためにも必要です。
大阪教育大学 教育学部 教員養成課程 家政教育部門 教授 小﨑 恭弘 先生
男性が子育てをするイクメンが注目されだしたのは、1990年代後半です。1980年代から男女共同参画社会の創出に向けて女性の進学率や就職率が向上した結果、共働き家庭が増加しました。1980年代には専業主婦世帯数が共働き世帯数の2倍も多くありましたが、1990年代には逆転し、夫婦が協力して育児を行う家庭が増えました。また、1990年代は日本の経済成長が停滞し、社会の中での格差が広がった時代でもあります。一人当たりの給与が伸びていないことから世帯ごとの所得も上がらず、共働きを選ばざるを得ない家庭が多いというのが実情です。
男性の育児参画への意識が変わってきた一方、社会の受け皿はまだ整っていないのが現実です。男性の育児休業取得を義務化した企業や自治体もありますが、社会全体で見ると、男性が育児のために堂々と仕事を休むことは難しい状況があります。
法制度をはじめ、社会全体で女性の社会進出を促してきたように、男性の育児を促進するためには、専門的な制度や仕組みづくりが必要です。これは男性の生き方を育児に限定させようというものではなく、その人次第で仕事も育児も選ぶことができ、多様な生き方が認められる社会を作るために必要な支援なのです。
現在、育児不安や育児ノイローゼ、児童虐待といった問題を抱えるのは、統計上圧倒的に女性です。これは母親が一人で育児を行う「ワンオペ育児」による影響が大きいと言えます。また、近年の研究では、目標に向かって頑張ったり、他人とうまく関わったり、感情をコントロールしたりする「非認知的能力」は、幼少期の教育に影響を受けることがわかっています。この時期の育児には、母親、父親ともに重要な役割があります。こうした時代背景の中で、単に子育てを手伝うのではなく、自分の家族に対する責任と覚悟を持って育児に関わる「真のイクメン」が求められているのです。
子ども教育の中でも、人間開発という観点から様変わりする社会を生き抜いていく子どもたちを支援するために今何が必要かを幅広く勉強できる
生徒少人数に先生一人がつくルーム制という制度があったから。また、2年次から実習があること。
幼稚園から大学院までコンパクトにまとまっており、他の年齢層との交流があるため教師を目指すには環境が整っている。
教育学部の教育方針、資格取得、環境が魅力的だったから
心理学について教育と関連づけながら学びたかったから。
自分の学びたいことについて幅広い視点から考察できる点や、実習などの能動的な学習の機会が多いから。
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福祉系に興味があり、心理士や児童指導員の資格が取れる学部に惹かれたから。
思春期の子どもたちの悩みに寄り添ってあげたいと思い
聖徳大学(女子) 児童学部
カリキュラムが自分に合った
先生と生徒の距離が近いため、先生と生徒の壁が無いと思ったら