情報学は、コンピュータやプログラミングを学ぶ、情報の収集・分析・処理技術を学ぶ、情報と社会の関係を学ぶなどの分野に大別。文系学部では情報技術の理論・知識と情報収集・情報解析などの実践的技術を習得して情報を活用した問題解決手法を学びます。理学系学部では認知科学や情報統計学、情報処理論などの原理的研究が中心。工学系学部ではネットワークやAI(人工知能)などを学びます。情報学を学べる学部・学科は文理とも増加傾向。
IT技術の普及により収集・蓄積が容易になった膨大かつ多種多様なデータ(ビッグデータ)を活用して、ビジネスや社会課題の解決などに生かすのが「データサイエンス」という学問。統計学も学びますが、収集・分析する内容を自ら考え、課題の発見・解決やビジネス上の成果につなげるため、経済・経営やマーケティングに関する知識も必要です。
IT関連、金融・保険業を含む幅広い業種の企業、一般企業の情報関連・マーケティング・企画開発部門や、データサイエンティストとしての活躍が期待されます。情報学の理工系は、ソフトウェア開発・情報サービスや各種メーカーなどに就職する人が多くいます。
東京工科大学 デザイン学部 デザイン学科 准教授 伊藤 英高 先生
電車やバスの中でさえ、車内に設置された画面に広告の映像が流れるようになりました。スマホで見るサイトの広告も今や動画、映像が使われる時代です。私たちは映像による情報を目にしない日はありません。しかし、こうした映像には種類があります。ニュースを伝える映像は現実の様子を映し出すものですが、広告などで使われる映像デザインは、商品やサービスの良さを人々に伝える情報ツールとしての役割を担っており、時にアート性も求められます。アートと映像デザインの融合は近年、目覚ましい発展を遂げています。
アートの世界に映像機器が持ち込まれたのはごく最近のことですが、今では多くのアーティストが表現方法の一つとして映像技術を使っています。映像の面白さは、編集機器の進歩で大きく広がりました。例えば、石や鉛筆を回転させながら撮影すると、その残像が残ってそれらが変形して見え、想像を超えた面白みのある映像に仕上がることもあります。本来ならば静止しているはずの石に、動きをつけることができるのです。物と時間軸を使うこの表現方法は映像ならではの技法と言えます。
リアルなものを変化させる加工技術も多く見られます。人の顔を瞬時に動物にしてしまう画像技術や、映画で使われるCGも一つのデジタルの画像加工技術です。このように、技術は日々進化していきます。身近なスマホの中でも高度な画像合成や三次元的な処理が日常的に行われています。
しかし、技術で補えないものがあります。それは作品を生み出すアイデア力です。表現上の新しさは技術でもたらされますが、どのように見せるかという想像力や発想力を鍛えるのはたやすいことではないからです。また、映像は人々に強い影響を与えますから、加工した作品を世に出すうえでは作り手としての映像に関するリテラシー(知識や能力)も身につけておくべきでしょう。
福知山公立大学 情報学部 情報学科 教授 山田 篤 先生
アップル社のAI(人工知能)アシスタントSiriやスマートスピーカー(AIスピーカー)Google Homeなど、コンピュータに話しかけると返事が返ってくる音声対話システムが、私たちの生活に定着しつつあります。
人間同士が話すように対話するこの技術は、相手の言うことを聞き(音声認識)、それを理解して返事を考え(自然言語処理)、その返事を音声にする(音声合成)という3つの要素に支えられています。これらの技術を急速に向上させた一番の要因はAI研究の発達です。例えば音声認識率は、AI研究の基盤技術であるディープラーニングの導入により飛躍的に向上しました。
しかし、AI研究が発達する一方で社会的な問題や課題も表出しています。例えば、プライバシーの問題です。スマートスピーカーを通じて得られたユーザーの音声はクラウドで処理されるため、事業者のサーバに送られます。また、音声の誤認識や利用者の言い間違いによって生じる電子商取引上の誤発注も発生しており、システムの進歩に対して法整備などの社会的対応が後手に回っているのが現状です。
重要なことは、ユーザーがこれらの仕組みをしっかりと理解した上で、各個人がこれらの仕組みを利用するにあたって事業者と交わしている契約内容を把握して、自分で自分を守るという考え方を身につけなくてはなりません。
このように音声対話システム研究は今、世界中に広く展開可能なモデルを形成し実際に使用しながら、そこで発生する社会的・技術的課題にも取り組み続ける成熟段階にあります。次の展開として注目されているのが、より身近な地域社会の課題解決にこのシステムを生かす研究です。例えば、観光客への多言語対応や防災・減災に関するツールでの利用など、生かし方は多様に広がる可能性を秘めています。そのために経営学や社会学などの専門家と共同で学際的な研究が日々進んでおり、社会情報学は新たな注目を集めています。
関西大学 総合情報学部 総合情報学科 教授 林 勲 先生
実はAI(人工知能)の歴史は古く、初めて提唱されたのは1950年代後半でした。第2次のブームが訪れた1990年前後には、人間らしさや人間的な感性をコンピュータに実装する試みが行われ、「ファジィ」や「ニューロ」理論を応用した家電が登場しました。そして2015年頃から第3次といわれるブームが盛り上がりを見せていますが、その立役者は「ディープラーニング(深層学習)」と呼ばれる技術です。
ディープラーニングは、人間の脳の生物学的な仕組みをソフトウェアで再現しようとする「ニューラルネットワーク」というシステムをベースに、膨大なデータから知識を獲得する「機械学習」の仕組みによって、人間が自然に行う決定や思考、認識をコンピュータで実現しています。人間の脳の神経細胞の仕組みを模したニューロンを多層的に重ねたニューラルネットワークを深く学習して、膨大なデータの特徴を獲得できるのがディープラーニングの強みです。囲碁の世界チャンピオンに勝ったディープラーニングのAIアルゴリズムは、大量の対戦データから勝つための戦略を自己学習し、試合中のあらゆる局面で取りうる「手」を評価して予測し、瞬時に最も有効な指し手を選択しています。
同様に、対戦スポーツで、AIアルゴリズムが相手の動きから勝つための戦略を瞬時に立て、次の有効な攻撃を選手にコーチングすることも夢ではありません。卓球を例にとると、過去の試合動画からボールの軌跡や回転、選手の動きなどの大量のデータを抽出し、AIアルゴリズムがそれらのデータを知識化して、相手の攻撃を予測した上で「勝ち」パターンを導き出すことができます。また、選手の能力を引き出してくれるAIコーチング型ロボットを作ることも可能です。人間の脳のさまざまな有効的な仕組みをプログラムで実現する脳知能モデルの進化は、これからの社会を大きく変えていくでしょう。
神戸大学 工学部 電気電子工学科 教授 寺田 努 先生
音楽のライブ会場を盛り上げるのに欠かせない光の演出に導入されているのが、ウェアラブルコンピュータ、つまりLEDやセンサーなどを身につけて使用するコンピュータです。リオデジャネイロオリンピックの閉会式でも、音楽やダンスに連動して服に搭載されたLEDが点滅するパフォーマンスが繰り広げられました。これは、センサーが人の動きを察知して、自在に光を制御する技術を活用しています。見る人を魅了するウェアラブル技術は、エンターテインメントの世界にとどまらず、福祉や介護、教育などあらゆる場面でも応用されています。
人の動きを感知するセンサーの先読み技術を搭載したコンピュータを身につけることで、例えばパーキンソン病患者は、手の震えの悩みから解放されました。食事のときにも手の震えが止まらず、料理をうまく口に運べずに苦しんでいましたが、スプーンの取手部分にセンサーを内蔵することで、スプーンの動きを安定させることに成功したのです。
さらに同様の技術で、キーボードを正確に打つことも可能にしました。また、尿意を感じにくい認知症患者には、センサーをおなかに貼ることで、トイレに行く時間を知らせ、介護の負担を減らすことにもつながりました。
ウェアラブルコンピュータは、心理学、社会学、医学、哲学などあらゆる分野との関わりで今後もどんどん発展し、一気に利用が広がるときがくるでしょう。障がいのある人は苦手な能力を補うことができ、プロのアーティストやスポーツ選手はさらに能力を高める支援を受けられます。ユニバーサルデザインからさらに一歩進み、一人ひとりに合った生き方をサポートするパーソナルデザインの世界への移行が実現するはずです。
しかし、新技術には良い面と悪い面が存在します。研究者はその両方を理解し、人に与える影響を十分考え、技術を生み出すことが求められています。
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診療情報管理士の資格取得ができるとともに、フィールドワークを多く取り入れているから。
地域協働型実践教育に惹かれたから。
情報機器が豊富で学べることが自分の意思と合っているから。
専攻という分け方がない自由度の高いカリキュラム形式なため、自分が勉強したいことや興味を持ったことを選択して学ぶことができるから。
市民工学科という分野は神戸大学にしかないから
学習内容が自分の理想的です。留学制度も充実しており、将来に役立つ経験が豊富にできるようだから
自動車工学に関しては歴史のある伝統校でハイレベルな資格合格率、就職実績など受験に際しての決め手となりました。
教育と数学の二本立てで学べるため
東京工科大学 デザイン学部
1・2年次ではデザインの基本的な技術を学び、3・4年次ではコース選択で本格的に映像について学べるこの大学がベストだと思い進学先を決めました。
工業デザインを学びたかったから。