医療現場になくてはならない医療科学技術の専門家を育成する学問分野です。「診療放射線分野」はレントゲン、断層診断(CT)、磁気共鳴画像装置(MRI)などでの検査法を学びます。「臨床検査分野」は血液・尿の成分や細菌・ウイルスの有無、細胞組織のがん化などの検査技術を学びます。また、検査だけでなく病原体の研究などをする研究者としての役割も求められています。
リハビリテーション系には身体の機能回復をめざす「理学療法」、作業を通じて心身の回復をめざす「作業療法」、聴覚・言語の機能回復をめざす「言語聴覚療法」の分野があります。自然治癒力を高めるとして予防医学の点からも注目されている鍼灸師や、骨折・脱臼・打撲・捻挫などを手術せずに治療をする柔道整復師、診療情報管理士や医療情報管理者などをめざす医療情報技術などもこの領域に含まれます。
臨床検査技師、理学療法士、作業療法士など、専門家としての知識と技術を生かし、病院、臨床検査センター、保健所や、特別養護老人ホームなどの社会福祉施設で働く人が大半です。健康機器メーカーなどの民間企業へ就職する人もいます。
埼玉県立大学 保健医療福祉学部 理学療法学科 准教授 国分 貴徳 先生
再生医療などの医療技術の発展により、怪我に対して手術を適用しない治療法が注目を集めていますが、理学療法では運動という視点から治療に貢献することができます。
例えばメジャーリーガーの大谷翔平選手と田中将大選手が経験した肘(ひじ)の靭帯(じんたい)損傷という怪我があります。大谷選手が手術をした一方で、田中選手は手術をしない保存療法を選択しました。田中選手が選択した治療法は自身の血液から損傷した組織を治癒する成分をとりだして肘に打ち込む治療法だったといわれています。これと同様の効果を、適切な運動により導くことができる可能性があることがわかってきています。この技術の発展により未来の医療が変わっていく可能性があります。
スポーツ選手に多い、膝(ひざ)の前十字(ぜんじゅうじ)靭帯損傷という怪我があります。手術をしないと治らないと考えられてきましたが、理学療法の研究結果から手術以外の治療の可能性が見えてきました。実験で前十字靭帯を損傷させた動物に、関節の異常な運動をサポートする介入を行い飼育したところ、今まではつながらなかった靭帯がまたつながったのです。
損傷の位置や程度による治癒の可能性といった研究データが現在はまだ不足しているため、現状では保存療法を実践している病院はほとんどありません。しかし保存療法の適用基準を定めるための基礎研究、靭帯が治るプロセスを科学的に解明する研究、そして研究結果をもとにした装具の開発などが進められることで、近い将来、患者さんに手術以外の選択肢を提示できるようになるでしょう。
理学療法士が患者さんに適切なタイミングで適切な運動を指導することで、治癒反応の促進が期待できます。理学療法には、リハビリという側面だけではなく、医学的な治療にも貢献できる可能性があります。さらに、これまでは治らないと考えられていた怪我を「実は治せる」ということを解明していくのも理学療法学の魅力です。
森ノ宮医療大学 医療技術学部 診療放射線学科 教授 小縣 裕二 先生
病院で受けるX線撮影やX線CT(コンピュータ断層撮影)検査、血管造影検査は、放射線の一種であるX線を用いて、肉眼では見えない身体の中の様子を撮影し画像化することで診断に役立てる技術です。これら放射線画像検査では、専門の診療放射線技師が撮影にあたります。
診療放射線技師は医師の指示のもと、機器を操作し患者さんに寄り添いコミュニケーションをとりながら、身体の中の撮影を行います。またこうして発見されたがんなどの疾患に対して、治療計画に基づき放射線治療も担当します。
放射線の照射が人体に与える影響は全くないとはいえません。しかし、X線CTやPET(ポジトロン断層法)など最新の技術を使った放射線画像検査では、今や1cm程度の小さな病変でも発見できるようになっており、病気の早期発見・治療という大きなメリットがあります。人体の撮影で難しいのは、普通の写真と異なり、撮影した画像と実物を眼で診て比較できない点です。正しい撮影ができなければ誤診のリスクにつながるため、できるだけ少ない放射線量で、いかに多くの情報を正確にとらえた画像を撮影できるかが重要です。そしてそれは、診療放射線技師の知識と技術、および経験にかかっているのです。さらに、診療放射線技師には画像の撮影だけでなく、画像を評価(読影)する能力も必要です。
画像診断は病気の早期発見だけでなく、治療の効果判定や経過観察においても重要な役割を果たします。そのため、患部をいつでも同じ条件で撮影し、医師が正しい判断を下すために必要な画像を提供するスキルが求められます。現在は乳がん検査のマンモグラフィーや、全身を細かく検査できるX線CTへのニーズも、ますます高まっています。放射線の特性や人体への作用、機器に関する高度な専門知識と技術を持った上で、「より早く・より安全に」、患者さんに優しい検査や治療が行える診療放射線技師が求められているのです。
県立広島大学 保健福祉学部 保健福祉学科 作業療法学コース 教授 西田 征治 先生
認知症になると、同じことを何度も聞いたり、約束を忘れたりするなど、生活の中で小さな失敗を繰り返します。それを周囲に指摘されることで自信を失い、不安やいらだちを感じ、うつ状態になり引きこもってしまうケースもあります。日本の認知症の人は、2025年には高齢者の5人に1人にあたる700万人に達するとされており、その生活支援は大きな社会的課題です。こうした現状に対して、作業療法学の分野では、認知症の人に興味や関心を持てる作業をしてもらうことで、前向きに生活が送れるように支援する研究が行われています。
とはいえ、認知症の人がすぐに自分の興味や関心のあることを話してくれるわけではありません。周囲に心を閉ざす人も多いため、まずは「回想法」といって、これまでの人生や生活を聞き出すことから始めます。そして、例えば長年家族の料理を作り続けてきた人だとわかった場合、家族や支援者が本人の前で料理をし、徐々に料理への関心を高めてもらいながら、最終的には調理作業をしてくれるように促していきます。作業療法の内容は、本人にとって価値や意味がある作業であることが大事で、そうした作業でこそ失われた自信を回復できるのです。
患者さんを支える家族への支援も重要です。まずは、「パーソンセンタードケア」といって、認知症の人本人の立場に立って考える姿勢を身につけてもらうことが大前提です。その上で、適切な介護技能を習得してもらいます。例えばトイレに誘導する際は「ここを持って」と声をかけるだけでなく、持つ場所を握らせて誘導するといったテクニックを身につけることで、介護がスムーズになり、家族の負担も軽減されます。また、こうした技能を持つ作業療法士や介護士といった専門職とのつながりを作ることも重要です。専門職が単に技能を教える存在ではなく精神的な支えにもなることで、家族の介護に関する意欲の向上にもつながるのです。
幅広い進路がありながら運動と健康の関わりについて学ぶことができる健康行動科学専攻に興味を持ち決定しました。
大学の雰囲気がいい看護や理学療法士など医療従事者との連携する教育が受けられる
検査技術界の中では他の大学より優れている。また、東京医科歯科大学では最先端医療が学べる。
医療界総合大学であり、全学科で学ぶ教養部もあるのでチーム医療の土台を作ることができる。
料金(送料含) : 250円
発送予定日: 本日発送発送日の3〜5日後にお届け
臨床検査技師と臨床工学技士のダブルライセンスの取得が可能であり、これは他の大学ではほとんどないことだから。
自分の目標とする臨床技術者になるために必要なゼミが行われている。
多くの人を笑顔できる社会福祉士になりたいと考えたから。
地域包括ケアシステムについて学ぶことができるから
茨城県立医療大学 保健医療学部
自分の将来関わりたいリハビリの領域について深く学べるから。
リハビリに関して常に最先端の研究をしているため、理学療法士になるためにはここに行くことが良いと思ったから