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グレープフルーツジュースで薬を飲んだらいけないのはなぜ?

薬学

私、最近グレープフルーツジュースにはまってるの。でも昨日、薬をジュースで飲もうとしたら、友達にだめだよーって言われたの。なんで?

  • 先生、さっき友達から「グレープフルーツジュースで薬飲んだらだめだよー!」って言われたんですよ! なんでですか? 薬の効き目ってそんな簡単に変わるのかな。
  • 何でそんな状況になったのかが気になるけど・・・。実は薬って、すごく繊細なものなの。まずは、薬が身体の中でどうやって効いているのかを説明するわ。人がものを食べると、体内でどうやって吸収されるか覚えてる?
  • えーっと、確か胃とかの消化管を移動して、そのあと小腸で吸収されるんでしたっけ。
  • よく覚えてたわね。胃、小腸、大腸などで吸収された薬は、血液を通して体内に広がっていくわ。そのとき、患部にだけ作用してほしい薬物が、正常な組織にも拡散してしまったり、肝臓へ運ばれ酵素で代謝・分解されてしまうの。だから、薬を作るときは、そうしたことを考えてあらかじめ設計加工されているのよ。
  • へえ、そんなことが考えられてるんですね。じゃあ、なんでグレープフルーツジュースはダメなんですか?
  • グレープフルーツに含まれる成分がもともと人間の体が持っている薬の分解酵素を弱めてしまうの。薬が多く体に吸収されてしまうことになるわ。
  • っていうことは、薬の効き目が強くなっちゃうんですね。
  • その通りよ。特に、副作用が出るものには注意しなきゃいけないわ。高血圧や狭心症ってわかるかな。その治療に使うある種の降圧剤という薬の場合、血圧が余計に下がってしまうの。だから絶対にグレープフルーツジュースと一緒に飲んだらダメ。
  • 使う薬によっては特に注意しなきゃいけない組み合わせがあるんですね!
  • 他にも、飲み合わせの悪い薬と食べ物の組み合わせがたくさんあるはずなの。でも、まだ検証されていないものが多いわ。薬が想定どおりちゃんと効くためにも、こうした情報を集めていくことが必要ね。
  • そうなんだ~。びっくりしました。薬って繊細なんですね。薬の効き目に関する研究は、ほかにもあるんですか?
  • 例えば、ドラッグデリバリーシステム(DDS)という研究よ。薬剤が必要な箇所に確実に到達し、しかも意図した時間に必要な量を放出させることができれば、副作用を減らし、効能を最大限に引き出すことができるわ。
  • 薬剤を確実に届かせるって、そんなことできるんですか?
  • うん! 例えば、高分子(タンパク質、多糖類など)を薬剤の運び手として利用する方法があるわ。がん細胞近くでとどまる高分子に薬剤を載せ、がん細胞を直撃することができるわけ。
  • また薬の効き目を効果的にするための投与経路や投与方法についての薬物動態研究も必要ね。最近では、そうした研究をコンピューターで行うモデリング・シミュレーションという手法も進んできているわ。
  • そうなんだー。私も今飲んでる薬、授業中、眠くなるからちょっと困ってるんです。副作用、なくなったらいいですね。
  • そうね。DDSで問題になるのは、人間の免疫システムよ。人間の免疫にとっては、ウイルスも薬の入ったカプセルも、等しく異物として認識されてしまうの。
  • せっかくの薬が異物として排除されてしまうんですね。
  • その解決策の一つとして期待されるのが2006年に日本で認可された「リポソーム製剤」。薬を入れるカプセルのようなもので、大きさはなんと細胞の約1/100。100ナノメーターほどしかないのよ!
  • さらに、リポソームの表面には水と馴染みやすいポリエチレングリコールという成分が組み込まれていて、体内に入るとリポソームの表面を水分子が取り囲み、白血球に捕まったり肝臓で分解されたりせずに長時間体内に留まることができるってわけ。
  • すごい! 水に化けちゃうんだ!このDDSの技術が発展すれば、副作用に悩まなくてもよくなるんだー。
  • 今はまだ特定の病気の薬にしか使われてないけど、いずれはそうなるかもね。ほかにも薬を入れたカプセルにヒトのタンパク質をくっつけておいて、免疫システムにカプセルを異物ではなく、体内の組織の一部と見なさせる研究もあるわ。
  • いろいろな方法でドラッグデリバリーシステムが研究されているんですね。興味が出てきました!
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