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農業経済学の
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日本の農業が発展するにはどうすればよいの?

農業経済学

なんとなく厳しいイメージがある農業。日本の農業が発展するにはどうすればいいの?

  • この間、お母さんから聞いたんだけど、実はうちもおじいちゃんちは田んぼとか山を持ってるらしいんですよね。どこにあるのかお母さんもよく知らないみたいだけど……。
  • 田んぼや畑は財産として昔は代々受け継がれてきたけど、今の若い人たちはそういうものに関わらなくなっているからね。
  • そうかもしれないですね。それに昔は田んぼとか畑だったところってどんどんマンションとか工場とかが立ってる気がする。
  • 環境保護などの理由から山を切り崩して新しい土地を造成することが難しくなってるからね。新たに使える土地自体があまり残ってないから、市街地では農地が宅地や工業用地に変えられてるね。
  • ただ、農地の転用は制限されているし、農業への新規参入の難しさなど、さまざまな理由から、耕作放棄地といわれる荒廃した農地も増えてきていて、全国で東京都の面積に1.8倍にものぼるんだ。
  • そうなんですか! 田んぼや畑だけじゃなくて農家の人もどんどん減ってるイメージがあります。
  • 定年退職したあとに農業をやる人や若者でもサラリーマンを辞めて農業をやる人も増えてはいるね。ただ、全体では働き手の人口は確かに減り続けている。農業は採算性が決して高くないことが一つの原因だね。優れた農業技術でも、受け継がれることがなくて廃れはじめている。
  • うーん、厳しい状況ですね。でもどうして農地や農家がそんなに減っていってしまっているんですか。私たちが食べるものってちゃんと確保していけるの?
  • 耕作機械や農薬や化学肥料などの科学技術の発達で、農業生産性は上がっているよ。でも、一方で海外から安い農作物がたくさん輸入されているんだ。
  • そのため、日本では今、カロリーベースの「食料自給率」がなんと39%にまで低下してしまっているから、海外から輸入できなくなってしまうような状況になると、日本人も食糧危機に陥ってしまう可能性があるんだよ。
  • そうなんですか。じゃあ、なんとかして日本の農業を立て直していく必要がありますね! ……田んぼや畑が減ってしまうと「食料自給率」以外でも何か問題があるのですか?
  • 米や野菜を栽培して社会に供給するということだけが農地の役割ではないからね。洪水が起こった時、一時的に水を受け止めて下流に一気に流れるのを防いだり、急激な気温の変化を緩和して生態系を保全する役割もしてるんだ。
  • なるほど。単純な問題ではなさそうですね。じゃあ、どうすれば農業が発展するんだろう……そうだ、会社みたいなものを作って規模が大きい農業をするのはどうですか?
  • おっ、いい案だね。例えば、お米の話だと、集落を単位として残った農家を組織化し、規模の拡大を図ることで今までよりも安いコストで米の生産を行う試みは行われているね。
  • 農家が集まって経営規模を拡大していく場合もあるけれど、平成21年の法改正で企業が参入しやすくなってからは、多くの企業が参入し、IT技術を導入して生産を効率化したり、企業的な経営システムを取り入れたりして、生産力を拡大しているよ。
  • ふふ。私のアイディア、かなりいい感じですね。ところでIT技術の導入ってどういうことですか?
  • 例えば「IT農業」という試みがあるね。ドローンで空撮した画像から稲の生育状況を判断し、適切な量の肥料を無人ヘリによって自動散布することで無駄のない施肥を行うんだ。作業の手間や人手を省くと共に効果的な施肥で無駄なコストを削減できるんだ。
  • それはすごそう! 農業にITなんて意外すぎます。
  • 他には、土の中に可視光と近赤外光を照射して、その反射をとらえてリアルタイムで畑の土壌を分析するなんてものもある。畑が今どうなっているかを科学的に記録することができるんだ。
  • IT以外にも様々な科学技術が農業にも利用されるようになってきているけれど、収量アップやコスト削減に役立つだけではなくて、農家の長い経験によって蓄積されたノウハウや技術を伝達するということも考えられているんだよ。
  • なるほど! ん、もしかして「なるべくお金をかけずして、いっぱい取れるようにする」以外の解決策ってないのかな……。
  • 「六次産業化」という考え方があるよ。一次産業だけではなくて、生産(第一次)・加工(第二次)・販売やマーケティング(第三次)にいたるまでトータルで行うという考え方だね。
  • それ、昨日夕方のニュースで見たかも。十勝で地元のパン屋さんたちが協力して、十勝産小麦を使ったパンを開発し、十勝ブランドとして売り出そうとしてるのも例になるのかなぁ。
  • そうだね! もちろん健全な家族経営が基盤になるから、いろいろな視点で農業の発展を考えていくことが大事だね。
  • よくわかりました!

48 農業経済学

農業を経済・経営・社会学的な視点からとらえる

農業経済学は、社会科学的な視点から日本や世界の食糧問題・農業の問題を研究する応用経済学という側面があります。例えば、農業政策論では、日本や世界の農業政策の歴史を振り返ったり、現在の農業が置かれている状況、高齢化が進む地域での農地の荒廃の問題などの解決策を探ります。農業生産や所得の向上、農村地域の振興のためのブランド食材の開発や流通ルートの開拓なども研究対象となります。

農業が抱える問題の解決への道筋を探る

農業経営への株式会社の進出や、農協といった組織を研究することもできます。さらに、研究対象は日本国内の問題だけにとどまらず、重要な問題となっている農産物の貿易自由化や日本の食糧需給率の低下にともなう食糧の安全保障の問題など、国際的な視点からも、農業が抱えている課題の解決に取り組んでいきます。

将来 農学と社会科学の両方の学問の修得により、全国農業組合連合会、農協などの農業関連団体、食品・流通・販売といった業種のアグリビジネスへ進む人が大半です。環境関連、運輸やエネルギー関連の企業に就職する人もいます。
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