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被服学の
学問分野解説
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なぜ昔と今のファッションは違うの?

被服学

最近お母さんが若いころの服を貸してもらったんだけど今の服とぜんぜん違う! 肩パッドってありえない! なんで今のファッションと違うの?

  • ナビ子ちゃん、そういえばこの前の服、よく似合ってたけど、あれは自分でコーディネイトしたの?
  • はい、自分でやったんですよー。ちょっと気合入れました! 昔はファッションリーダーだったと自称しているお母さんにもアドバイスもらいました。
  • お母さんも服が好きなのね。
  • そうなんですよ。そのときにお母さんが若いころに着ていた服を見せてもらったんです。もう今の服とぜんぜん違ってて衝撃を受けました。何なんですか、肩パッドって! そんな大昔でもないのに何で今のファッションとは違うんでしょうか。
  • 確かに。それを考えるためにはまず大昔の服がどのように今の形に変わってきたのか、その歴史を見ていくのがいいかもね。
  • ファッションの歴史ってなんだか不思議な表現ですね。
  • 現代に意識が行っているのね。だけど、服はその地域の文化や社会、宗教などと密接につながっているのよ。例えば、古代では男女をはっきりと区別した服はなくて、ただ一枚の布を巻きつけただけだったの。
  • キリスト教の時代に変わるなかで、ファッション自体が性別を意識した表現になっていくわ。キリスト教文化の、「女性は脚を隠しなさい。男性は逆に、立派に、魅力的に見せなさい」という考え方が根底にあると考えられるのよ!
  • だからあんなに長いスカートをはいてるんだ!
  • その通り! 19世紀になってくると見た目の美しさを意識するようになって、コルセットが流行したの。内臓が変形するほど苦しい思いをしたにもかかわらず、廃れなかったのだから、相当ね。
  • ええ、見た目のために、そこまで努力してたんですね。
  • そして20世紀初頭、第一次世界大戦の勃発でさらに大きな変化が起こるわ。社会に出ていく女性が増えたことを反映して、見た目の美しさだけでなく機能性も重視した衣服が登場するの。
  • 代表的なのはココ・シャネルの「地下鉄の階段を駆け上がれる服」ね。ここから、飾り立てるだけのものだった女性の服にも機能性を持たせようという考えがどんどん浸透していくの。
  • そっかあ、今と昔のファッションがぜんぜん違うのは、その時代の社会や人々を反映しているからなんだ……。
  • そうね。時代とともに変化するファッションは、社会を映す鏡とも言われるわ。でも、ファッションが多様化した現代社会では、ファッションは自分自身の内面や生き方を表現する上で、大切な役割を果たすようになってきているわね。
  • シャネルもかつて、「着る物を選ぶということは、自分の生き方を選ぶことだ」と言っていたわ。ファッションを通しても人と人はコミュニケーションをしているのね。
  • そうかも! でも、いろいろなブランドがあるから、私服を着るときはなにを着たらいいか迷っちゃうこともあるんですよね。
  • 確かに、ファッションを楽しめるようになると、かえってなにを着るか迷ってしまうこともあるかもね。ファッションを学ぶとは縫製や製図などの技術を習得することのように思われがちだけど、社会や時代を反映したライフスタイル全般を作り上げていくこともテーマになるわ。
  • ファッションを作る側も大変ですね。
  • 今は、世界中の街角でファッションをリサーチし、常に世界で最も低コストの地域で原材料を調達して製品をつくり、出来たてを素早く店頭に並べて、基本的に追加生産はしないという「ファストファッション」なんていうものも生まれているわ。いつも新しいファッションが店頭に並んでいて、しかも安いから、人気があるようね。
  • 安いっていうのはいいですよね。
  • でもね、最近はファッションでも「環境」ということがテーマになってきてもいるの。農薬を使わないオーガニックのコットンやウールのように、環境に優しく、かつ高品質な素材の開発などを通じて、社会の問題を考えていくファッション研究も重要な意義があるわね。
  • ファッションって個人で楽しむばかりだと思ってたけど、いろいろな意味で社会に大きく関わっていたんですね。
  • もちろん、ファッションは社会だけでなく着ている個人とその周りにも大きな影響をもたらすのよ。落ち込んだとき、自分の気分が浮き立つような服を着ることで、気持ちの切り替えができたりするの。
  • 色彩心理の面からは、デザインよりも色合いが人の印象に強く残るという研究結果があるわ。例えば、赤い服を着ると、実際はそうでなくても外向的な性格に見られるの。
  • すごい……ファッションって思ってたより奥が深いんですね。もっと詳しく知りたいなあ。っていうか先生、なんでこんなに詳しいんですか?
  • ふっふっふ。実はその昔私もファッションリーダーだったのよね。
  • また自称ファッションリーダーが増えた……。

59 被服学

被服はライフスタイルの重要な要素

被服学は、衣服のデザインや製作、素材となる繊維の開発や生産、衣服の流通・消費、服飾文化や歴史といった、衣服と生活の関わりを、科学的・文化的に研究する学問です。被服学のかつての主目的は「洋服や和服の縫製技術の修得」でしたが、現在は「快適な生活やライフスタイルのための衣服の創造」に移行しています。

歴史から素材研究、マーケティングなども研究対象

衣服の歴史や文化を学ぶ「服飾美学・服飾史」や、被服の流通や消費に関するマーケティングなどを学ぶ文系的要素と、衣服を創作するための素材の研究、防炎・防臭・防水など加工技術の研究、被服製作や縫製技術、コンピュータでの設計・製図を学ぶ理系的要素が絡み合っているのが特徴です。色彩学、テキスタイル(織物・布地)デザイン、人間工学、繊維や染色の化学工業技術などとも深い関わりがあります。

将来 アパレル関係、繊維メーカー、流通・サービス業などへ就職する人が大半です。デザイナー、パタンナーといったクリエイターや、商品企画・商品管理、品質管理に関わりながら専門的な能力を発揮する人、家庭科教員になる人もいます。
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