太陽と地球のつながり:オーロラの不思議
天空の神秘・オーロラはなぜ光る?
オーロラとは、「太陽風」と呼ばれる太陽から飛んでくるプラズマの流れが、地球の大気と衝突したときに生まれる現象です。プラズマは電気を帯びた粒子(電子やイオン)で、それが地球の磁場の勢力範囲に入り込むと、エネルギーが高くなり、大気中の酸素や窒素とぶつかることで発光します。酸素と反応すると赤色や緑色に、窒素と反応すると青色やピンク色に光ります。
オーロラが起きる条件は「大気、磁場」
金星や火星では、磁場がないので、地球のような南北両極のオーロラは存在しません。また、磁場はあっても大気がない水星では、オーロラは見えません。磁場と大気のある木星や土星ではオーロラは見えますが、大気は水素が主成分なので、オーロラはピンク色です。オーロラが起きるためには、「大気」と「磁場」が必要なのです。
オーロラを光らせる電子のエネルギーは、数百ボルトから数千ボルト以上にも達します。実はオーロラの活動が活発になると、私たちの生活に支障が出ることがあります。人工衛星が不具合を起こして、衛星放送や通信システムに障害が出たり、送電線に強い電流が流れて停電が起きたりするのです。被害を防ごうと、太陽の活動やオーロラの出現などを予測する「宇宙天気予報」の研究も進められています。
オーロラ観測から宇宙を知る
2014年1月現在、1秒間に数百枚のオーロラを撮影することができる人間の目より何倍も高性能なカメラで、オーロラを観測する研究を進めています。オーロラは、カーテンのような形をしてゆらゆらと瞬いていますが、その中で目に見えない速さで複雑な動きをしていると考えられています。その動きを細かく調べることで、宇宙のプラズマの変化の様子がわかるのです。オーロラの形やその時間変化など、わからないことは数多く残されています。オーロラは、宇宙空間での太陽と地球のつながりの表れです。オーロラを観測する研究は、宇宙の現象を解明することでもあるのです。
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先生情報 / 大学情報
名古屋大学 宇宙地球環境研究所/工学部 電気電子情報工学科 教授 三好 由純 先生
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