日本の未来は、理数教育にかかっている!?
理数教育が日本の将来のカギ
国を成長させるのは、人を育てる「教育」です。海外では、貧富の差などにより教育が行き届かない例もありますが、日本は全国にて一定レベルの教育を提供するという、素晴らしい教育システムがあります。そして、日本は資源を持たない科学技術立国です。日本が生き残るには、理数教育の充実が欠かせません。教員は、専門知識を高めるだけでなく、小中高の子どもたちが理解しやすく学びやすい教育方法を身につけることが何より大切です。
理数教育の検証
高校では2022年から、「理数探究基礎」という科目ができました。これは、理科と数学の考えや手法を用いて、複合的かつ多角的な視点で事象を捉え、課題解決に必要な資質・能力を育成するための科目です。物化生地といった理科の分野における自然事象を理科と数学の両方の観点から探究します。
例えば数学の「フィボナッチ数列」は、ひまわりのタネのらせん構造や松カサなどにも見られます。正四面体の中心と各頂点を結ぶ直線が互いにつくる「マラルディの角度」は、ミツバチの巣やA4用紙の対角線の角などに現れるとされます。このように理科と数学を単独ではなく、両教科を関連づけて考えることが重要で、こうした理科と数学に関連した教材の開発と提供が急務となっています。
理科や数学の楽しさを伝える工夫
小学校の理科ではチョウを卵から育てますが、蛹から成虫へ羽化するのは明け方が多く、子どもたちはその瞬間を見ることができません。しかし、蛹の重さを把握して温度と光をコントロールすれば、人為的に昼間の授業中に羽化を促すこともできます。また、アメリカには13年または17年ごとに発生する「素数ゼミ」と言われる蝉がいます。どうしてこの蝉はこの周期で出現するのでしょうか。このように身の回りには、不思議なことがいっぱいありますが、この不思議を調べていく過程で、理科や数学を学ぶ楽しさを子どもたちに伝えていくことも、長い目で見れば日本の未来につながっていると言えます。
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