個人情報を守りながら、利用者データを実社会で生かすには?
利用者データを用いたデジタルマーケティング
Webコンテンツは、利用者の入力情報や閲覧履歴データを収集して分析、商品に誘導するなど利用者にマッチした情報を提供しています。Webである商品を見たり買ったりすると、類似商品や興味のありそうな商品の広告が表示されることは、よく経験するでしょう。テレビCMと比べて、何人が目にしたか、そのページに何分滞在して商品を買ってくれたのかといったデータが広告主に提示されるという点が評価され、Web広告の市場は急成長しました。特に、マーケティング分野では、本や経験から学んだ理論を実践し、その成果が実際の数値としてわかるようになりました。
IT企業への情報集約の課題
IT企業は検索エンジンやSNSなど、提供するサービスを通じて、膨大な個人情報を収集しています。この情報は個人間の関係性、誰がどんな好みを持つのかといった情報を含んでおり、ビッグデータの利用がWebサービスの高度化に寄与しています。しかし、過度のプライバシー情報の収集が社会問題となりつつあります。
一つの解決手法として、各Webサービス利用者から収集するデータを一カ所に集めず、それぞれ計算された収集したデータの統計値のみを共有する。そして、このデータ単位でAIを構築することで収集データは世界中に分散したままで、AIによる個人の興味や関心を推測する手法があります。
技術をどう実践・活用していくのかが課題
インターネットが社会のインフラとして整備され、成熟してきた結果、2010年頃からは、いかにビジネスに応用できるかが課題となっています。特に、現在のデータ分析で用いられるAIの手法の多くは40年も前から知られていました。しかし当時はインターネットがなく、マシンの性能も低かったのです。こうした技術を実践できるようになったのは最近のことであり、学問研究においても使いこなすことは、まだまだ課題なのです。
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先生情報 / 大学情報
東京国際大学 商学部 データサイエンスコース 教授 土屋 健 先生
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