データサイエンスを通して子どもたちの「統計的思考力」を養う

あらゆる分野で活用されている「データ」
デジタル化により、膨大なデータがさまざまな分野で活用される時代です。そこで必要になるのがデータサイエンスの知識やスキルです。数学や統計学、情報工学やビジネスなどの理論を使ってデータを分析し、有益な情報や結論を導き出す、つまりデータを「読み」「生かす」のがデータサイエンスです。IT業界はもちろん、広告業界やアパレルや飲食、旅行会社などのサービス業や各種企業でのマーケティングなど、あらゆる分野でデータサイエンスは活用されています。
データサイエンスのベースは統計学
データサイエンスの知識やスキルは、子どもの頃から養うのが重要です。データサイエンスのベースは統計学です。分数や統計、確率などの数理的な概念を、どうとらえているのかを「数理認識」と呼びます。現在、この数理認識の観点から、子どもたちの「統計的思考力」を養う統計教育について研究が行われています。
統計的思考力には、「統計的批判的思考」と「適切なグラフを選択する判断力」が含まれています。同じデータを基に作った棒グラフがあるとして、目盛りの数値が10単位か100単位かでは見えてくる結果は違います。また、伝えたい内容やデータによって、グラフの種類や見せ方も変わってきます。このようにデータの見せ方やまとめ方は適切なのかと提示されたデータに対して疑問を持ったり、どのようにデータやグラフを選択するのかを考えることが重要です。これらのカラクリに気づくことが、児童教育における統計的思考力育成の第一歩です。
児童教育学にもデータサイエンス
児童教育学において、数理認識の観点を基にして授業方法を考え、データサイエンスの素養を育てることは、今現在の生活をより良くすることであり、将来的に社会に出て役立つ知識や考え方にもつながっていきます。直接的に高度な数学(統計学)を使わなくても、企業や社会生活の中で、データを見て活用する機会は多く、いまやデータサイエンスは、社会を生きるための必須スキルといえます。
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先生情報 / 大学情報

福山市立大学教育学部 児童教育学科 准教授太田 直樹 先生
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