ピラミッドも現代建築? 空間を見て触って味わう建築史研究
ピラミッドが現代建築?
「紀元前に作られたピラミッドも現代建築です」と聞くと驚くかもしれません。ピラミッドは一般的には古代建築です。それは、作られたのが古代だということです。しかし、ピラミッドは今もそこに存在しています。現代を生きる私たちと同時代に存在し、実物を体験することができるという意味では、ピラミッドも現代建築だといえるのです。
近年、建築史の研究分野では、その建築がいつどうやって作られたのかだけでなく、その後存在していた年月の間にどんな使われ方や変化を遂げててきたのかにも注目されています。
材料が建築のカタチと存在感を左右する
元来、建築はその土地でとれる材料を使い、その土地に合わせて作られるものです。例えば、西洋建築では、石とレンガが主な材料です。石やレンガをただ積んだだけではつまらないですから、壁を装飾する文化が発達しました。そのため、西洋建築では壁が主役になります。 一方、日本建築の主な材料は木です。木がたくさん生えている地域は蒸し暑く、雨がよく降ります。木の棒で建物を作ると基本的に壁はないので、風通しがよくなります。逆に、雨をしのぐために屋根は立派なものになります。つまり、日本建築では屋根が主役になるわけです。
このように、使われる材料のちがいによって、建築はカタチや存在感が決定づけられるのです。
暮らしを味わい深くする学問としての建築史
建築を学ぶうえで、実物に勝る教材はありません。おいしい料理を食べたことのない人においしい料理が作れないのと同様に、良い空間を体験したことがない人に良い空間は作れません。良い建築を作るには、名建築を訪ねて、素材に触れたり音や光を感じる体験が重要です。同時に、その建築の歴史を知ることでより深く理解できます。
建築史には、新しい建築を作るための知見を得る学問という側面があります。しかし、建築史は、建築の作り手だけの学問ではありません。建築を使う人々が、日々の暮らしをより味わい深いものにする学問でもあるのです。
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文化学園大学 造形学部 建築・インテリア学科 准教授 種田 元晴 先生
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