超高層ビルに欠かせない動脈、「エレベーター」の技術革新

超高層ビルに欠かせない動脈、「エレベーター」の技術革新

世界最高峰にある日本のエレベーター関連技術

エレベーターは超高層ビルなどの現代建築には欠かせません。近年のエレベーターに関する技術の進歩には目覚ましいものがあり、特に日本の技術は、世界でもトップレベルにあると言われています。非常に高速で動作しているのに、乗り心地はとてもスムーズで快適で、知らないうちに目的の階にまで着いてしまいます。騒音や振動は最小限に抑えられていて、中にはエレベーターのカゴの床に500円玉を立てて置いても倒れないものがあるほどです。

なめらかな乗り心地を実現するには

エレベーターの動作速度や乗り心地を左右するのは、上下に長い距離を動作する際の加速度の制御と、動作によって発生する振動の制御です。超高層ビルのエレベーターを動かすのに多く用いられている電気モーター自体の技術革新も進んでいて、緻密で正確な動作を可能としながら、より小型で省スペースな形状となっています。最近では、減速時にエネルギーを取り出して再利用できる省エネルギー設計のモーターも登場しています。また振動を抑えるには、エレベーター全体の高い工作精度が欠かせません。

あらゆる事故や故障に対処できる機能

エレベーターに求められる最も重要な要素は、安全対策です。最近のエレベーターでは、たとえワイヤーが切れたとしてもガイドレールを強力につかむブレーキが即座に動作します。このブレーキは、運転時にはかからないように制御されており、ワイヤーの切断や停電などのトラブルが発生すると、その制御が切れて動作するのです。
乗降時の事故防止のためには、エレベーターのカゴ側とフロア側の両方のドアの位置が完全に一致しないと開かない仕組みや、開いた状態での動き出しを検知して止める仕組みなどが用意されています。さらには、ビルの火災や水没すら想定した安全対策も施されています。過去に起こったエレベーターに関する事故を教訓とし、改良や工夫を重ねることで高性能、高機能となっているのが、現代の建築物に用いられているエレベーターなのです。

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先生情報 / 大学情報

日本大学 理工学部 精密機械工学科 教授 青木 義男 先生

日本大学 理工学部 精密機械工学科 教授 青木 義男 先生

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機械工学、ロボット工学

先生が目指すSDGs

メッセージ

現代は変革の時代で、10年前や20年前には想像もしていなかった技術の進歩が世の中にもたらされています。高校生のあなたが将来の仕事について考えたとしても、10年後にはその職業自体がどうなっているかわかりませんから、最先端の科学や技術に興味関心をもってください。私自身は、人工知能を搭載して自ら動くエレベーターを研究しており、誰でも宇宙まで行き来できるロボットシステムを開発したいです。これから大いに注目されるのは「ロボット」や「人工知能」であり、キーワードは「安全性」「認知・判断」だと思っています。

先生への質問

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