
同志社は2025年に創立150周年を迎えます

1875年11月29日、わずか2名の教員と8名の学生によって始まった同志社英学校を前身とする同志社大学は、現在、14学部・16研究科を擁する総合大学に成長しました。
創立者・新島襄は、1874年秋、米国バーモント州ラットランドのグレイス教会で開催されたアメリカン・ ボード(海外伝道組織)の年次大会で登壇し、「日本にキリスト教主義の学校をつくりたい」という大志を訴え、年老いた農夫と寡婦から手渡された2ドルを含む約5,000ドルの寄付を得ました。帰国した新島は、私立大学を「人民の手に拠(よ)って設立」することを志し、1888年、20をこえる新聞、雑誌に「同志社大学設立の旨意」を公表して大学設立への協力をよびかけました。「同志社」には、“志を同じくする個人の約束による結社”という理念が込められています。
このように、多くの先達の善意や献身、熱意によって支えられてきた同志社大学の150年の歴史を真摯に振り返ると共に、その歴史に見合う未来への展望を描くため、様々な創立150周年記念事業(大学事業)を実施しています。その一つである大型建設事業では、「歴史」・「知」の集積を象徴する新時代の図書館「今出川校地図書館」、京田辺キャンパスのスポーツ環境改善のための「スポーツ・コンプレックス」、キャンパス全体の活性化に寄与する「京田辺キャンパス・リニューアル」などの工事が進行中です。また、別の記念事業としては、社会で活躍されている卒業生・修了生との対談企画「『志』その先へ-卒業生・修了生対談-」や、著名な講師を招いた記念シンポジウムなども実施し、その動画を公式YouTubeチャンネルで公開しています。ぜひ、ご覧いただければと思います。
「自治自立」の人物を育てる同志社
創立者・新島襄は、新しい教育によって人や社会を変える(再生する)ことができるという強い信念を持っていました。その新島が同志社大学において育みたいと願ったのが「自治自立」の人物です。まわりに流されることなく、自分で考え、判断し行動できる人物になってほしいという新島の願いは今も受け継がれています。それを現代において実現するために、自由の気風あふれる同志社大学は新たな挑戦を続けています。
上述した150周年記念事業(大学事業)も含め、学長自身が同志社大学の今、そして未来をお知らせする「学長室だより」というページを開設しています。その中の「学長とともに同志社について学ぼう」には同志社を知るための多様なコンテンツがあります。ぜひご覧ください。

リベラルアーツ教育の深化
同志社大学では、全学部学生を対象とする「全学共通教養教育科目(以下、全教科目)」を提供しています。全教科目は以下の4つの科目群から構成され、総合大学の強みを活かし、3,000クラス以上の多様・多岐にわたる学問分野・内容をカバーしています。
①同志社科目群
「建学の精神」やキリスト教を学び同志社人としてアイデンティティを深めます。
②基礎学術科目群
人文科学・社会科学・自然科学・人間科学の4区分を軸に基礎的・学術的な理論を学びます。AIや数理・データサイエンスを学ぶ科目も提供しています。
③グローバル教養科目群
国際教養科目と外国語教育科目で構成されています。外国語教育科目では、英語及びドイツ語、フランス語、中国語、スペイン語、ロシア語、コリア語の体系的カリキュラムを提供し、兼修外国語としてイタリア語も学べます。また、ドイツのEUキャンパスで学ぶプログラムや海外留学プログラムも提供しています。
④イノベーション創出科目群
ライフデザイン科目、クリエイティブ・ジャパン科目を提供します。クリエイティブ・ジャパン科目は、日本の伝統・文化・芸術への関心を育む科目が多数あり、京都科目では京都を題材とした学びを通じ、日本各地の伝統、文化への汎用的理解力を養います。
さらに、これらの多様な科目を体系的に組み合わせた教育プログラムを提供することにより、全学の教養教育をより時代に即した形へと進化させる以下の取り組みも進めています。
同志社データサイエンス・AI教育プログラム(DDASH)
DDASHは、デジタル時代に不可欠なデータサイエンスやAI活用のスキルを文系・理系問わず、初めて学ぶ方でも安心して体系的に学べる教育プログラムで、NTT西日本と共同開発した生成AI「DAIB(Doshisha AI Buddy)」が学びをアシストします。文部科学省が推進する「数理データサイエンス・AI教育プログラム認定制度」の認定プログラムである「DDASH-L(リテラシーレベル)」「DDASH-A(応用基礎レベル)」に加え、本学オリジナルの「DDASH副専攻」の3段階構成で、段階的に学びを深めていくことができます。知識の習得にとどまらず、それらを活用して現実の課題に取り組み、新たな価値を創造する力を育むことを目指しており、将来のキャリア形成においても大きな強みとなるプログラムです。
同志社イノベーション・ゲートウェイ
「同志社イノベーション・ゲートウェイ(DIG)」は2025年度にスタートした新たな教育プログラムで、複雑化する現代社会において、既存の枠組みにとらわれず、新たな価値を創造できる力を育むことを目的としています。
本プログラムでは、起業や組織運営に加え、社会変革や文化的創造といった広範なテーマを扱い、批判的思考、協働力、問題解決能力を養成します。著名な起業家をゲストに招いた講義や、データサイエンス・AIに関するスキルの習得など多彩な科目が用意されており、受講者は自身の関心に応じて学びを深めることができます。また、履修生同士が交流し高め合うコミュニティの場も設けられ、対話と協働の中で新たな知を生み出します。