
150年の歴史が育んだ4つの強み

北海道大学の前身である札幌農学校は、1876年、寒冷地における農業技術の開発と人材育成を目的として設立されました。その後、150年の歴史の中で、北海道の広大な土地に、12の学部と21の研究科・学院等を有する総合大学として発展しました。
本学は、長い歴史の中で、①世界最大級の研究林と豊かな海洋研究に代表されるフィールド研究、②世界最先端をリードする複数の卓越研究、③地域課題解決を目指す社会展開力、④SDGsに繋がるサステイナビリティの考えを大学創成期から持っていたこと等、極めて個性的な強みが醸成されてきました。大学の社会貢献の取り組みをSDGsの枠組みを用いて評価するTHEインパクトランキングにおいて、本学が2020年から5年連続国内1位を獲得しているのは、こうした建学当時からの歩みによるものです。 本学はこうしたアイデンティティを認識し、国際社会・地域社会との連携を格段に強化し、協働による社会的インパクト・イノベーションを生み出す新しい公共財・経営体としての基幹総合大学を目指しています。

基本理念に基づく教育プログラム
本学は、教育研究に関わる4つの基本理念を醸成してきました。学生・教職員がそれぞれの時代の課題を引き受け、毅然として新しい道を切り開いていくべきとする「フロンティア精神」、教養教育の充実によって自文化の自覚に裏付けられた異文化理解力を養い、世界で活躍していく能力を養う「国際性の涵養」、豊かな人間性と高い知識を兼ね備え、広い教養を身に付ける「全人教育」、そして、現実世界と一体となった普遍的学問の創造と、研究成果の社会還元を重視する「実学の重視」の4つです。
本学は、この4つの基本理念に基づき、自然豊かな環境のもと、多様な人々との交流を通じて、最先端の研究に基づく高度な専門性や、Society5.0をはじめとする多様な未来社会を共創するために必要な幅広い知識・スキルを身に付け、グローバル社会や地域社会で活躍できる人材を育成するための教育プログラムを展開しています。
1)教養教育の充実

学士課程において身に付けるべき共通の素養として、コミュニケーション、チームワーク、リーダーシップ、創造性、チャレンジ精神、更には社会倫理・社会貢献の精神等があります。1年次を中心に受講する「コアカリキュラム(教養科目)」や2年次以降に受講可能な「専門横断科目」により、総合的な素養を育みます。
2)主体性を促進する国際教育プログラム

「Nitobeカレッジ」「OGGs」等、本学独自の国際教育プログラム・科目群を実施しています。また、世界の第一線で活躍する研究者を招聘して授業を行う「Hokkaidoサマーインスティテュート」や、本学及び海外大学の学生等を対象に海外で共に学ぶ「海外ラーニングサテライト」等、多様なプログラムを通して、国際コミュニケーション能力、課題抽出・解決力、異分野融合展開力を培う場、多様な学修・交流の場を提供しています。
3)イノベーション・フロントランナーの育成

「学びを、キャンパスから外へ、地域社会や世界のフィールドへ広げる」をコンセプトに、もっと学びたい、研究したい、視野を広げたいと願う学生の支援を目的に、北海道のフィールドを活用し、共創教育、グローバル教育、アントレプレナーシップ教育などを通じ、学部・大学院一貫で未来社会の開拓者「イノベーション・フロントランナー」を育成します。
ダイバーシティ・多様性へ取り組み
2021年、本学は多様な人々との共存と共生を基盤とした「北海道大学ダイバーシティ&インクルージョン推進宣言」を公表しました。すべての学生・教職員が、その能力を最大限に発揮して自らの可能性に挑戦できることを目指して、本学は、さらなる意識改革および環境整備を進めています。また、本学のキャンパスやフィールドは、もともと、北海道の先住民族(アイヌ)の方々が日々の生活を得ていた場所であることを、共通認識として共有できるよう、研修・教育を行っています。学生生活を送る上での悩み、アクセシビリティ、留学等を気軽に相談できる学生相談総合センターもあり、学生生活をサポートしています。