歯科医院だけじゃない、歯科衛生士の活躍の場
広がる歯科衛生士の活躍の場
予防歯科先進国と言われるアメリカやスウェーデンでは、予防処置のプロフェッショナルである歯科衛生士の活躍の場は広く、歯科衛生士が独立開業し、地域住民の口の中の健康維持・増進に大きく貢献しています。日本では、歯科衛生士は歯科医とチームで予防処置などを行っています。口の中の健康が全身の健康にも影響を与えることが認識されるようになり、歯科衛生士の活躍の場が広がっています。
歯科衛生士の主な業務
歯科衛生士の主な業務を紹介します。1つが、歯科の二大疾患である虫歯と歯周病を防ぐ予防処置(プロフェッショナルケア)です。歯垢(プラーク)や歯石などの口の中の汚れを取り除き、フッ素を塗って歯を丈夫にするのが代表例です。2つ目が、歯科診療の補助業務です。歯科診療は「チーム医療」で、歯科医と歯科衛生士が一緒に診療に取り組みます。歯科衛生士は、予防処置の専門家として歯科診療を支えるだけではなく、近年は、医療分野でも口腔ケアの重要性が認識され、医師や看護師ともチームを組む機会が増えています。3つ目は、保健指導です。虫歯や歯周病は生活習慣病で、食生活を整えたり、歯磨きを習慣づけたり、患者さん自身によるセルフケアも、予防処置と並んで重要で、その改善のための保健指導を行ったりするのも歯科衛生士の大切な業務です。保健所・保健センターでの保健指導や、学校や地域の施設を訪問して指導を行うこともあります。
高齢者の健康を支える歯科衛生士・歯科技工士
人は、年を重ねるにつれてかんで飲み込む(咀嚼嚥下:そしゃくえんげ)力が弱っていきます。口の中が清潔でないと、繁殖した細菌が誤って気管に入り、誤嚥(ごえん)性肺炎を引き起こすことがあります。高齢化の進展とともに、高齢者施設などで、歯科衛生士による口腔ケアが、歯科技工士と歯科医がチームで作製するよくかめる入れ歯とともに求められるようになってきています。世界が認める匠の技ですが、日本人の匠の技は歯科技工でも世界的に認められています。
参考資料
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先生情報 / 大学情報
東京医科歯科大学 歯学部 口腔保健学科 教授 品田 佳世子 先生
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