「フードビジネス」の新たな価値創造に向けて
すべてのビジネスに必要な「マーケティング」
あらゆるビジネスの目的は何でしょうか。それは、ヒト、モノ、カネ、情報といった経営資源を用いて「マーケティング」活動を行い、ときに「イノベーション」を引き起こしつつ、多様な「価値」を提供することによって、そのビジネスが社会になくてはならないものとなり継続していくことです。
他方で、人々が求める「価値」は変化し続けます。「食」にかかわるビジネスにおいても、常に「新しい価値」を創り出し続けるために、マーケティングの視点を持ち、多様で柔軟な発想に基づく取り組みが大切になってくるのです。
生産から加工、提供まで
農林水産業、食品工業、卸売業、小売業、飲食店など、「食」を支えるビジネスはさまざまです。例えば「外食産業」は約26兆円、「中食産業」は約11兆円の市場規模があり、食料品工業、食料品流通業、フードサービス業で働く人々は1,000万人を超えると推計されています。フードビジネスは、食材生産から加工(調理)、店舗販売、レストランでの「おもてなし」の提供までかかわっています。生存のためだけではなく、従来とは異なる視点や考え方、手法を用い、新しい価値を生み出し、人々に「美味しい!」「新しい!」「面白い!」といった感動を提供する使命をフードビジネスは担っているのです。
「食」はあらゆるビジネスの強いコンテンツ
他方で、「食」という切り口は、社会で欠かすことができないコンテンツととらえることもできます。例えば「地域の活性化」の取り組みにおいて、地域の食材や食文化を育て「ブランド」として培い、独自の「強み」としていくことができます。「和食」は世界に向けて発信できる日本の強いコンテンツです。さらに、新しく生み出される食の価値は、まず人々にPRし、知ってもらわなければなりません。「売る」とは「欲しい」と思ってもらい「買って」もらうことです。広告を創る、SNSで情報発信する、センスの良いパッケージやネーミングをデザインすることも「フードビジネス」なのです。
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先生情報 / 大学情報
新潟食料農業大学 食料産業学部 食料産業学科 ビジネスコース 教授 高力 美由紀 先生
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