インターネットやSNSで農業が激変 農業経営の情報コントロール

インターネットやSNSで農業が激変 農業経営の情報コントロール

インターネットの普及で変わる農業

SNSで見かけた農産物をスマートフォンから注文したり、ホームページから通販で購入したりというネットショッピングは、今や当たり前です。このように、実店舗ではなく、インターネットを介して物を販売することを「電子商取引」と言います。インターネットの普及による電子商取引で、大きく変わった分野のひとつが農業です。農業経営における情報アクセスの変化は、農家と消費者をダイレクトに結びつけました。この「農業とインターネット」の変化は、大きく3段階に分けられます。

SNSで生まれた双方向コミュニケーション

昔の農家は消費者と直接やりとりする機会はほとんどありませんでした。2010年頃から、ホームページで情報発信や通信販売を行う農家が増え、消費者がダイレクトに情報を得られるようになりました。これが第1段階です。しかし農家からの一方通行の情報で、ホームページの更新が遅いなど、タイムラグもありました。第2段階として、スマートフォンやタブレットなどのモバイル情報端末の爆発的な普及や、SNSが浸透したことで、即時性が大幅にアップしました。情報も一方的なものではなく、農家が発信する情報に消費者がすぐに反応し、双方向の情報のやりとりがリアルタイムに進行するようになりました。第3段階として現在では、インターネットにあふれかえる膨大な情報から、消費者が欲しい情報を探すのが困難になったことで、仲介業者が生産者の情報を整理・分類し、一括して発信するインタフェースが生まれました。

これからの農業は情報活用が発展の鍵

双方向の情報のやりとりで、農家は消費者のニーズや改善点などを知り、消費者は品質だけでなく農家のこだわりや姿勢、ポリシーなどを知ることで、商品が差別化され選択しやすくなりました。今後の農業経営は、インターネットを使って情報をいかにコントロールし、活用していくかが重要な鍵となります。将来的にはさらなる最新技術を使った情報配信も登場することでしょう。

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先生情報 / 大学情報

新潟食料農業大学 食料産業学部 食料産業学科 ビジネスコース 講師 斎藤 順 先生

新潟食料農業大学 食料産業学部 食料産業学科 ビジネスコース 講師 斎藤 順 先生

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農業経営学

先生が目指すSDGs

メッセージ

私は自分の得意なパソコンと農業とを結びつけて研究分野にしています。大学生のときの先生に「君の得意なものを合わせたらきっと面白いよ」と言われたのがきっかけです。大学は、そんなふうに自分の得意を見つけ、それを生かせる分野を探すことができる場です。
自分の「好き」を大切にし、それをどうしたら学問や社会で生かすことができるのかを探ってみましょう。どんなことでも生かせる道はあります。できるだけ選択肢を増やして、その中からいかにいい道を選ぶのかが、将来の自分のやりがいにもつながります。

先生への質問

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新潟食料農業大学に関心を持ったあなたは

“Farm to Table to Farm”は「農場から食卓へ、そして農場へ」という意味です。食物は、農場で生産されてから多くの人の手を経て食卓に届けられ、この流れを「フードチェーン」とよび、農場から人々の食卓まで、フードチェーン全体をつかさどる産業を食料産業とよんでいます。本学では、新しい食料産業を作り出すために不可欠な科学(サイエンス)、技術(テクノロジー)、経済活動(ビジネス)を一体的に身につけます。日本の農業を変え、さらに世界をリードする新しい食料産業をともに生み出していきましょう。