講義No.11852 食物・栄養学

これおいしい! なぜおいしい? どうすればもっとおいしくなる?

これおいしい! なぜおいしい? どうすればもっとおいしくなる?

おいしく食べるために欠かせない「食感」

かまぼこやちくわなどの水産練り製品には、白身魚の「冷凍すり身」が使われています。そして現在、ウナギのかば焼き、ウニ、ホタテといった水産イミテーション食品にも冷凍すり身が使われるようになっており、驚くほど、おいしさが再現されています。以前からあるカニカマも、まるで本物のカニのようなリアルな製品が登場しています。水産練り製品を含めた食品において、おいしさの重要な要素となるのが「食感」です。食品には「その食品に合った食感」が存在し、それを表現できたとき、多くの人においしいと感じてもらえるのです。

生物学・化学・物理学の知識を生かす

冷凍すり身は、スケトウダラなどの魚肉を水にさらし、脱水・裏ごし・再度の脱水、その後に糖を混合した後、冷凍して完成します。かまぼこにするのであれば、その冷凍すり身に塩などの調味料を混ぜて成形し、蒸しあげます。水産練り製品における食感の研究では、この各工程の温度・時間・スピード・調味料の量などを生物学的・化学的・物理学的に検証・改善することで、その水産練り製品に合った食感をめざします。加えて、今後さらに安定的に水産練り製品を供給するため、各工程の効率化を図っています。

もっとおいしく食べたい、届けたい

冷凍食品においても食感は重要です。特に揚げ物の冷凍食品を食べてがっかりするようなときは、味よりも食感がよくなかったから、ということが少なくありません。冷凍コロッケの場合、電子レンジで温めるとタネの水分が蒸発してしまい、それが衣のサクサク感を失わせます。これを防ぐためには、どのように製造すればよいか、温め方をどのようにすればいいかといったことも研究対象です。
誰もが「おいしいものを食べたい」「届けたい」という思いはあっても、作りたてを食べたり、とれたてのものを生で食べたりという機会は、なかなか持てるものではありません。そのため、食感を維持したり正確に表現したりといったことが、ますます重要になっているのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

新潟食料農業大学 食料産業学部 食料産業学科 フードコース 講師 阿部 周司 先生

新潟食料農業大学 食料産業学部 食料産業学科 フードコース 講師 阿部 周司 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

食品加工学、食品保蔵学

先生が目指すSDGs

メッセージ

おいしいものを食べることが嫌い、という人はまずいないと思います。高級な食事である必要はありません。「あのメーカーのあのアイスがたまらなく好き」「あの店で食べた唐揚げが忘れられない」、そんな食へのこだわりは、ぜひ大切にしてほしいです。おいしいと思ったら、味・食感・香りなど何が要因になっているか考えてみてください。
私の研究では、特に食感を科学的に検証します。生物学・化学・物理学のどれも大切になってきますので、理系全般の学問に興味があるならおすすめします。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

新潟食料農業大学に関心を持ったあなたは

“Farm to Table to Farm”は「農場から食卓へ、そして農場へ」という意味です。食物は、農場で生産されてから多くの人の手を経て食卓に届けられ、この流れを「フードチェーン」とよび、農場から人々の食卓まで、フードチェーン全体をつかさどる産業を食料産業とよんでいます。本学では、新しい食料産業を作り出すために不可欠な科学(サイエンス)、技術(テクノロジー)、経済活動(ビジネス)を一体的に身につけます。日本の農業を変え、さらに世界をリードする新しい食料産業をともに生み出していきましょう。