情報ネットワークの鍵を握る「エッジコンピューティング」とは?

情報ネットワークの鍵を握る「エッジコンピューティング」とは?

クラウドコンピューティングの課題

スマートフォンやパソコンは、主要な情報をデータセンターに集約する「クラウドコンピューティング(以下CC)」によって利用することが、今ではすっかり一般的になりました。しかし、CCが必ずしも万能ではないことも明らかになってきています。スマートフォンやパソコンだけでなく、スマートウォッチやIoT家電など、情報ネットワークにつながる端末は増え続け、情報のデータサイズもますます肥大化しています。こうなると、すべてをクラウドと呼ばれる外部サーバに集約するCCでは、通信に遅延が生じてリアルタイムでのやりとりが難しくなることがあるほか、データの通信や管理にも多くのコストがかかってしまいます。

ネットワークの「端っこ」でデータを処理する

そこで注目されているのが、「エッジコンピューティング(以下EC)」です。「エッジ」とはネットワークの端っこを意味し、私たちが端末を利用している場面に物理的により近い場所に情報を扱う装置を配置し、分散して処理を行う仕組みを指します。ECを活用すると、CCが苦手なリアルタイム性の要求される状況でのデータ処理がスムーズになったり、その状況で必要な情報だけを収集することでデータ管理のコストを抑えたりすることが可能になります。例えば、車の自動運転の際には、各種センサで収集した膨大なデータを逐次処理しながら車を制御していく必要がありますが、リアルタイムでの制御が難しいCCよりも、ローカルに近い環境でデータを処理するECの方がより適していると考えられます。

クラウドとエッジは補完的な関係

CCとECは、どちらか一方だけを使うというわけではなく、それぞれの長所・短所を見極めたうえで、目的や状況に応じてより適した方を用いるという、補完的な関係になると考えられています。両者をいかにうまく組み合わせていくかが、これからの情報ネットワークの道筋と言えるでしょう。

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先生情報 / 大学情報

大阪大学 大学院情報科学研究科 情報ネットワーク学専攻 准教授 荒川 伸一 先生

大阪大学 大学院情報科学研究科 情報ネットワーク学専攻 准教授 荒川 伸一 先生

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情報ネットワーク学

先生が目指すSDGs

メッセージ

科学技術によって、できないことができるようになるというのは、とても面白いことです。あなたは、物心がついた頃からすでにスマートフォンなどが身近にあって、「できないこと」に遭遇する機会は少なかったかもしれません。でも、今あるテクノロジーを前提にした新しいものを発想できる舞台に立っているとも言えます。
それは、人間が情報をどのように解釈し、どのように豊かにするかまで踏み込んだ、人に寄り添うテクノロジーかもしれません。それに挑戦できるのは、あなたの世代だと思います。

先生への質問

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自由な学風と進取の精神が伝統である大阪大学は、学術研究でも生命科学をはじめ各分野で多くの研究者が世界を舞台に活躍、阪大の名を高めています。その理由は、モットーである「地域に生き世界に伸びる」を忠実に実践してきたからです。阪大の特色は、この理念に全てが集約されています。また、大阪大学は、常に発展し続ける大学です。新たな試みに果敢に挑戦し、異質なものを迎え入れ、脱皮を繰り返すみずみずしい息吹がキャンパスに満ち溢れています。