講義No.12723 看護学

期待される遠隔看護の世界 

期待される遠隔看護の世界 

ニーズが高まる遠隔看護

ICT(情報通信技術)が発展する中、病院にいる医師と自宅にいる患者をつなぐオンライン診療が始まっています。住み慣れた自宅で診療を受けようという世の中の動きが強まる中で、「遠隔看護」が注目され、それに伴い看護職の研修でも電話やオンライン面談でのスキルを高める取り組みが増えています。一方、看護大学など看護基礎教育においては、遠隔看護を見据えたコミュニケーションスキルに関する授業は浸透していません。遠隔看護へのニーズが高まり、看護職がその役割を担う時代となってきており、看護基礎教育での教育の必要性が増しています。

VR動画を使った教材

医療現場では、今後オンラインツールを使ったコミュニケーションが増え、数年後には、実際に遠隔看護に携わる場面もあると予測されます。そのため、看護実践能力の中でもコミュニケーション能力は最も重要な力の一つとなります。
現在取り組まれている研究では、看護教育の現場でも取り入れられはじめた「VR」を使った動画教材が製作されています。まだ試作の段階ですが、オンライン面談を想定した場面を再現することで、教科書をなぞるだけではない「自分ごと」として考えられる教材となります。この教材により、遠隔看護でのコミュニケーションはもちろん、対面でのコミュニケーションスキルの向上にもつながると考えられます。

進化する看護の学習ツールを使った看護基礎教育

コロナ禍となり、看護教育の在り方も変化し、オンラインの良い面と対面ならではの学びを考えた授業展開がはじまっています。臨地実習では、実際に対面で学ぶことで得るものが大きいですが、必要な看護を自分で考える力の育成をめざして、学内の授業からさまざまな工夫がされています。学習ツールとしては、e-learningによる独習やリアルタイムでのオンライン授業など、対面授業と組み合わせて授業が進みます。今後、学習ツールの特徴を生かした看護学教育の研究は、より一層重要性を増すでしょう。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

聖泉大学 看護学部 看護学科 准教授 小林 菜穂子 先生

聖泉大学 看護学部 看護学科 准教授 小林 菜穂子 先生

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看護学

先生が目指すSDGs

メッセージ

看護はとても奥が深い学問です。看護学ぶためには、まず相手との関係性を結ぶ力が必要となりますので、相手の話を聴くことや反応を捉える力、分かりやすく話すこと等が必要となってきます。高校生のうちから国語力を磨いておくことや、色々な人と話をしておくことをお勧めします。さらに、看護は思いやりを行動で示すこと、つまり必要な看護を考え実践することが大切です。その為に相手の立場になって考えることや専門職としての知識・技術を磨くことが生涯必要となります。看護の分野で一緒に学んでみませんか。

聖泉大学に関心を持ったあなたは

聖泉大学は、看護師はもちろん、それ以外の資格取得のカリキュラムが充実しています。看護師と同時取得ができる保健師養成課程の定員は30名と多く、学部卒業後に別科助産専攻(10名)に進学すれば助産師もめざすことができます。さらに災害が頻発する時代を見据え、災害看護・防災に関する教育を重視し、誰でも防災士資格をめざすことができます。また、資格取得と併せて、カリキュラムには選択科目を多く設けて、大学ならではの豊かな教養を身に付け、人々の様々なライフステージに関われる看護職を養成します。