期待される遠隔看護の世界
ニーズが高まる遠隔看護
ICT(情報通信技術)が発展する中、病院にいる医師と自宅にいる患者をつなぐオンライン診療が始まっています。住み慣れた自宅で診療を受けようという世の中の動きが強まる中で、「遠隔看護」が注目され、それに伴い看護職の研修でも電話やオンライン面談でのスキルを高める取り組みが増えています。一方、看護大学など看護基礎教育においては、遠隔看護を見据えたコミュニケーションスキルに関する授業は浸透していません。遠隔看護へのニーズが高まり、看護職がその役割を担う時代となってきており、看護基礎教育での教育の必要性が増しています。
VR動画を使った教材
医療現場では、今後オンラインツールを使ったコミュニケーションが増え、数年後には、実際に遠隔看護に携わる場面もあると予測されます。そのため、看護実践能力の中でもコミュニケーション能力は最も重要な力の一つとなります。
現在取り組まれている研究では、看護教育の現場でも取り入れられはじめた「VR」を使った動画教材が製作されています。まだ試作の段階ですが、オンライン面談を想定した場面を再現することで、教科書をなぞるだけではない「自分ごと」として考えられる教材となります。この教材により、遠隔看護でのコミュニケーションはもちろん、対面でのコミュニケーションスキルの向上にもつながると考えられます。
進化する看護の学習ツールを使った看護基礎教育
コロナ禍となり、看護教育の在り方も変化し、オンラインの良い面と対面ならではの学びを考えた授業展開がはじまっています。臨地実習では、実際に対面で学ぶことで得るものが大きいですが、必要な看護を自分で考える力の育成をめざして、学内の授業からさまざまな工夫がされています。学習ツールとしては、e-learningによる独習やリアルタイムでのオンライン授業など、対面授業と組み合わせて授業が進みます。今後、学習ツールの特徴を生かした看護学教育の研究は、より一層重要性を増すでしょう。
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