講義No.08433 看護学

失敗にはメカニズムがある! 看護師の「リスク感性」とは?

失敗にはメカニズムがある! 看護師の「リスク感性」とは?

安全管理だけではミスを防げない!

人の生死がかかる医療現場では、失敗は許されないものです。しかし、医師も看護師も人間です。失敗してしまうことがないとは言えません。ひと昔前までは、失敗した人が悪いとされ、経験を積んで失敗しないようにするしかありませんでした。今は、安全管理のシステムやマニュアルも用意され、病院全体で医療事故を防ぐ努力を行っています。では、医療現場でのミスはなくなったのでしょうか? 残念ながら完璧にミスをなくすことはできていません。

失敗やミスには「メカニズム」がある

失敗しない、あるいはミスを大幅に減らすにはどうしたらいいのでしょうか? それには、失敗する「メカニズム」を理解した上で、リスクに対する感性を磨くことが必要です。例えば高齢の患者さんは、転倒や薬の飲み間違いといったリスクが考えられます。転倒事故はなぜ起こり、防ぐには何が必要でしょうか? 対策としては、床を滑りにくくする、ベッドの高さを低くするといったことが考えられ、これがリスクの回避につながります。
しかし、リスクの要因と対策は単純にはマニュアル化できません。患者さんの身体的あるいは精神的な状況や、病院の環境などによっても異なるからです。また、すべてをマニュアル化してしまうとその通りに動くことになり、患者さんに寄り添うことがおろそかになりかねません。

「リスク感性」を磨くことのメリット

リスクに対する感性は、決して「経験がものをいう」ものではありません。基本的な安全管理の理論を理解し、ケースに応じて考え、実践することが必要となります。そのためには、看護師がリスク感性を磨き、自ら考えて行動できるようになる教育が重要なのです。
そこから患者さんの話を聞いたり、関係性を築いたりといったことが「看る」ことにもつながるでしょう。リスク感性を磨くことで、看護師としての成長を促し、より良い看護に近づくことになるのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

修文大学 看護学部 看護学科 教授 相撲 佐希子 先生

修文大学 看護学部 看護学科 教授 相撲 佐希子 先生

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看護学

メッセージ

看護の仕事は、人を大きく成長させ続けてくれます。いろいろな考えや意見、さまざまな生活環境や家庭事情をもつ患者さんと出会い、時には患者さんが抱える思いや問題を受け止める覚悟が必要です。
病気やケガを看るだけでなく、患者さん自身を看るためにはコミュニケーションも大切になります。自分からオープンになんでも話せば、相手も意外に話してくれるものです。今のうちにいろいろな人と出会い、会話をして、困っている人がいたら声をかけてみてください。将来、看護師になった時に、その経験が必ず生きてきます。

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修文大学は医療系大学へと進化!今後ますます必要とされる地域医療や在宅医療の知識に長けた管理栄養士を養成する「健康栄養学部 管理栄養学科」、最新の医療知識と技術を備え、看護支援地域の医療に貢献する看護師を養成する「看護学部 看護学科」、必要な知識・技術だけでなく、医療科学者として探究心を大切にし、医療チームから高く信頼される臨床検査技師を養成する「医療科学部 臨床検査学科」を設置しています。
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