看護師を育てる教育とは
生涯学び続けるのが看護学の特徴
看護学の学びの特徴は、知識を身につけるだけではなく、知識を使いこなせるプロフェッショナルを育てることにあります。しかも、大学などの看護教育機関を卒業して免許を取得したら、それで終わりというわけにはいきません。医療や看護の進歩に合わせて、卒業後も学び続けることが必要です。大学や専門学校などで行われる教育を看護基礎教育、看護職の免許を取得した人に対して実施されるものを看護継続教育と呼びます。就職後に学習する機会としては、病院などで行われている施設内教育があります。外部の研修や学会に参加したり、大学院に進む道もあります。
看護教育も変化している
以前は、新人看護師の教育用に特別なプログラムを組むのではなく、日常の実務を通じて仕事をマスターしていくという考え方がありました。ベテラン看護師が、自分の経験や受けてきた教育に基づいて新人を教えていました。ところが最近では、看護基礎教育で修得する実践能力と保健医療の現場で必要な実践能力との間のギャップが大きくなっていることなども踏まえて、新人研修のあり方が見直されています。それにともなって、新人や学生の学びを支援する教育指導者の育成にも取り組まれています。コーチングなどビジネスの現場で使われる指導方法が取り入れられ、看護師一人ひとりのニーズや関心に応じた研修コースも設定されるなど、学びの選択肢が増えています。
求められる医療の専門化、高度化への対応
急速な科学技術の進歩にともない医療は専門化、高度化しています。この過程において看護師に求められる知識は増え、技術も高度になっています。「がん看護」「地域看護」など特定の専門分野において卓越した看護実践能力をもつ専門看護師や、特定の看護分野において熟練した看護技術と知識をもつ認定看護師などの制度も作られています。新人や学生の教育に関わる教育指導者を対象とした研修プログラムも整備されてきました。大学院も増えるなど、時代の要請に応える形で看護学教育は進化し続けているのです。
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先生情報 / 大学情報
大阪公立大学 看護学部 看護学科 教授 細田 泰子 先生
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