講義No.09428 看護学

暮らしの質が上がる! 水分補給とトイレの習慣とは?

暮らしの質が上がる! 水分補給とトイレの習慣とは?

早めにトイレに行くべきか

試験前などに、緊張して尿意をもよおすことがあります。そんなときは早め早めにトイレに行きがちですが、それが習慣になってしまうと、トイレに行く間隔が短くなる「頻尿」に陥ることがあります。なぜなら、尿をためる膀胱(ぼうこう)は筋肉なので、少量しかためない状態が続くと、筋肉が衰えて少量しかためられなくなってしまうからです。人間の膀胱は、約200ccたまると尿意を感じ、400ccくらいまでためることができます。子どものうちから尿意を感じたら少し我慢してからトイレに行く習慣をつけるなど、膀胱や尿道の筋肉を鍛えて、尿意をコントロールすることも大切なのです。

脱水症状は一年中危険

また、トイレが近くなるのは嫌だからと、水分をとらない人もいます。しかし、体内の水分が足りなくなると、血液にかたまりができやすくなり、唾液(だえき)や消化液などが減少します。唾液が減ると口の中は細菌が繁殖し、それが肺に入ると肺炎を起こすことがあります。さらに胃液などの消化液が生産されないと、食物中の雑菌を殺すことができません。夏の熱中症だけではなく、一年を通して脱水症状はとても危険なものです。
ただし、水分を一気にとると、すぐ尿になって出てしまいますから、健康や肌の保湿を考えた場合は、時間をかけて少しずつとることが推奨されています。

その習慣が暮らしの満足度を左右する

いかに水分を上手にとるか、いかに尿などの排泄(はいせつ)行為を快適にするかは、暮らしの満足度に大きく関わってきます。特に高齢者になると、骨盤底筋などの筋力が落ち、膀胱に柔軟さがなくなるので、男女ともに尿モレをしやすくなります。そのようなことを防ぐためにも若いうちから水分の上手なとり方を身につけて、排泄に重要な筋肉を鍛えておくことが重要になるでしょう。看護学では、このような生活の質を落とさず健康を維持していく方法を、暮らし方という視点から研究しています。

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椙山女学園大学 看護学部 看護学科 教授 髙植 幸子 先生

椙山女学園大学 看護学部 看護学科 教授 髙植 幸子 先生

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看護学

メッセージ

「自分がやりたい」ことや「どう役に立つ人間になるか」を考える前に、まず、あなた自身がいかに周囲の人たちから大事にされているかということをよく考えてみてください。友人・家族・先生など、多くの人たちから大事にされていると感じることが、幸せを感じることにつながりますし、あなたの今後の人生を豊かにします。
そして、自分が実は大事にされていると思えたら、その幸せを少しだけほかの人に返してあげましょう。そんなふうに思える人が、看護学の分野に進んでもらえたらうれしいです。

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