医療にまつわるデータ分析が、未来の健康や病院経営に生きる!
データをもとに医療の質を向上
「医療情報学」という学問は、簡単に言えば情報科学と医療の知識を組み合わせ、病院の経営や人々の健康のために貢献する学問のことです。中には、医療にまつわる「データ」をどう見るか・扱うか・ためていくかという研究分野も存在します。例えば、医師が患者を診察する際には、どんな症状が出ているかや、どんな薬を飲んでいるかを見ます。その時、医師の頭の中では、複雑な情報処理がおこなわれています。そんな情報を紙に書き留めた場合、後になってどうしても読みにくかったり、劣化・紛失したりといった問題が起きることもあります。スムーズに診察を行うため、それらを電子データとして情報を残していくにあたって、どのようにデータを扱い活用していくかということも医療情報学のひとつです。
情報科学で医療の「未来」を創る
医療情報学の中には、統計学やプログラミングの知識を使った「データサイエンス」を応用し、医療の質を向上させようというものもあります。例えば、放射線技師は業務でCTやMRIを使い、患者の身体を撮影し、画像データを作成します。その画像をもとに、過去のデータとの比較や、病気によって生じた異変を判断するというのがこれまでの流れでした。ところが、コンピュータの処理性能や技術が発展したおかげで、画像をもとに、「治療効果を見る」や「診断の見落としをなくす」など、第2の視点を提供することが可能となってきました。
画像データ分析を病院経営にも活用
医療現場でわかったデータと統計学を応用させることで、病院の経営に役立てることも可能です。例えば、どの部位のレントゲンが多く撮影されているか、薬剤がどれだけ使用されているか、放射線技師が1年でどれほどCTを撮影しているか、といったデータを分析すれば、医療従事者の待遇を改善したり、患者の待ち時間を軽減したり、病院業務の効率化にもつながります。また、AIや機械学習と応用すれば、過去の画像データをあらかじめ読み込ませることで、新たな「気づき」を得ることもできます。
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京都医療科学大学 医療科学部 放射線技術学科 助教 本谷 崇之 先生
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