講義No.13238 生物工学 通信・情報工学 理工系その他

遺伝子のしくみをビッグデータから探る!

遺伝子のしくみをビッグデータから探る!

遺伝子の仕組みは「オミックス」で解明!

ゲノム情報(DNAで書かれた遺伝情報)は、現在では比較的容易に入手できるようになりました。誰もがインターネットでいつでもみることができます。生命の設計図といわれるゲノム研究は、世界中で進められていますが、まだわからないことも多い現状です。遺伝子は複数で協調して働くのですが、どのようなしくみでできるのでしょうか。その答えを探るべく、ゲノムをはじめ生体内のさまざまな物質(DNA、RNA、 タンパク質など)のすべてを把握しようとする、研究が注目されています。ギリシャ語の「すべて」を意味するomeと「学問」を示すicsを組み合わせてomics(オミックス、オーミクス)と呼ばれる分野です。データ量が大きいため、情報科学のスキルも重要となる分野です。

ものづくり植物

現在のバイオマス量(存在している生物の総量)として一番多い生き物をご存知ですか。答えは植物で、約8割を占めます。植物は光合成で炭水化物をつくりますが、光合成以外にも、環境に適応するためにさまざまな物質をつくります。例えば、強い紫外線は植物にとっても有害です。そんな時にはアントシアニンという色素をつくって自分を守ります。また植物が傷つけられると、樹液を出して傷をふさぐこともします。ではこの樹液を出すという反応を、細胞レベルで考えてみるとどうでしょうか。隣の細胞が傷ついたことをどのように知り、樹液スイッチを入れるのでしょうか。

ゲノム情報を活用した品種改良

ゴムノキは、傷つけられるとラテックスというタイヤなどの原料になる成分を含む樹液を出します。この植物由来のラテックスは、工業原料として精密機器などにも利用されています。生産性が高く、病気になりにくい株をつくるため、ゲノム情報が活用されています。生産性に関連する遺伝子を知るためには、生産性の異なるゴムノキの遺伝子を比較します。そこで見つかった重要な遺伝子をもつ植物を選び出すことで、品種改良の効率化に貢献することができるのです。

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先生情報 / 大学情報

前橋工科大学 工学部 情報・生命工学群 教授 蒔田 由布子 先生

前橋工科大学 工学部 情報・生命工学群 教授 蒔田 由布子 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

生命工学、情報学

先生が目指すSDGs

メッセージ

高校では広く浅く学びますが、自分の興味のあることに深く「ハマれる」という体験は、大学、特に理系の研究室ならではの醍醐味だと思います。そのような貴重な体験が待っていますので、進学を楽しみにしていてください。また、専攻に迷ったら、情報科学もお薦めします。今はどんな研究にも情報技術が必要とされてますので、そこから別の分野へ進むことも可能です。もし数学が苦手だとしても、プログラミングはパズルを解くような思考でできるので、パズルが好きと思える人なら向いていると思います。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
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前橋工科大学に関心を持ったあなたは

前橋工科大学は、全国的にも数少ない公立の工科系大学で、先進的で個性が光る幅広い学科が特徴です。小規模な大学ですが、少人数教育によるきめ細やかな指導や、演習・実習・実験などの体験的な授業が自慢です。暮らしやすい前橋市で、地域社会の発展と福祉の向上に貢献する技術者を一緒にめざしませんか。