講義No.13439 経営学・商学

集客の秘密はマーケティングの「理論と実践」にあり

集客の秘密はマーケティングの「理論と実践」にあり

ラーメン激戦区で勝ち残るには?

南北に長い新潟県は、実は各地に個性豊かなラーメン文化が根付いています。激戦区では、おいしいラーメンを作るだけでは繁盛店になれません。そこで役立つのがマーケティングの知見です。商品が顧客に届くまでの要素を分析する「マーケティングの4P」、つまり「Product(商品)」「Price(価格)」「Place(流通)」「Promotion(プロモーション)」を掘り下げていくのです。

ラーメンそのものだけじゃない?

飲食店にはサービス要素も重要です。サービス提供者や顧客を示す「People」、注文から片付けまでの手際などの「Process」、店の立地やトイレの清潔さといった「Physical Evidence」の3つのPを加えて見直していきます。例えば、運動部の学生を狙うには超特盛サービス、女性客を増やすにはおしゃれな店舗や清潔なトイレとヘルシーメニュー、混雑回避にはアプリ事前予約導入などです。4P+3P=合計7Pの効果的な組み合わせが、顧客の共感やリピートを生み、繁盛店につながるのです。

美容室の売上方程式は?

では、飲食業ではなくサービス業ではどうでしょうか。ある中年夫婦が営む、地元のマダム層が主な顧客の美容室は、売上が伸び悩んでいました。そこで考慮したのが「売上=客数×単価」という売上方程式です。顧客の数と来店頻度、サービス単価を上げるための施策が検討・実行されました。既存顧客(マダム)に夫や息子を紹介してもらい、信頼できる新規顧客を獲得できました。また店舗の空きスペースをプロのネイリストに貸し出しました。ネイルコーナーにはマダムだけでなく若い女性も来店するようになりました。さらに、爪の状態がプレーに影響する野球やバレーボールの学生アスリートネイル需要も取り込めたのです。また予約システムを導入して、来店頻度を年間を通して保てるようになりました。マーケティングの理論でビジネスの課題解決の仮説を立て、それを実践することで成功に結びついた事例と言えるでしょう。

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先生情報 / 大学情報

新潟産業大学 経済学部  教授 今村 英明 先生

新潟産業大学 経済学部 教授 今村 英明 先生

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マーケティング論、商学、経営学

メッセージ

生活の中で、日々の記録(ジャーナル)をつける習慣をつけましょう。行った場所や読んだ本、話した相手や内容、試合や練習・トレーニング内容、成功や失敗などを、ファクトに絞ってノートに記録していくのです。簡単で構いません。そのジャーナルは高校生の間には出番がないかもしれませんが、長い人生の中で必ず役立ちます。私自身、過去の自分のジャーナルを読み返すことで新たなアイデアや気づきを得てきました。SNSのように、見せる相手を意識する必要はありません。未来の自分のために、今の自分を記録していきましょう。

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経済学部「経済経営学科」「文化経済学科」で【経済】【経営】【文化】の基礎理論を学び、3年次になると各学科どちらも4分野から1つを選択してより専門的な知識と応用力を身につけます。
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