USJ復活の鍵はマーケティング戦略にあった!
大事なのは「順番」
人気テーマパークのユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は、倒産もやむなしと言われるほど低迷していた時期がありました。しかし、800万人程度だった年間の入場者数は、5年ほどで1500万人にまで一気に盛り返しました。なぜV字回復できたのかというと、マーケティング戦略を導入したからです。
マーケティング戦略でやることは非常にシンプルです。まず先にターゲットを決めて、次にそのターゲットが悩んでいることを探ります。そして、どんな価値を提供したら刺さるのかを考えて、アトラクションやお土産、レストランのメニューなどを構成します。USJはこの順番を守って戦略を回し続けることで集客倍増が達成されたのです。
ターゲットに届ける価値
例えば「ユニバーサル・ワンダーランド」というアトラクションは、子ども向けエリアと思われがちですが、実は大人向けです。子どもをターゲットにしてもお客が増えないため、狙ったのは「子どもがいるお母さん」でした。そのお母さんが抱える「食事を作っても感謝されない」などの不満や悩みを抽出して、それらを解決できる中身を作り、「ここに連れてきたら子どもに感謝される」という価値を全面に出したプロモーションを展開した結果、大ヒットしました。あくまで「ターゲットから決める」手順が大事なポイントです。
どんな業種にも通用
マーケティング戦略は、世の中のあらゆる業種、あらゆる商品サービスに適用できる普遍的な手法ですが、日本では浸透しているとは言えません。「何をやろうか」の次に「だれに届けるか」の順で考えられて世に出てきた商品がほとんどです。
マーケティング戦略は、すでに完成している枠組みであり、いかに多くの企業に広げていくかが課題となっています。理論、手法を理解する人材の育成もこれからです。USJのように業績に悩む企業にとって強力な武器になり、実践への適用が、日本の成長や社会貢献にもつながっていくと期待されています。
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