ウェディングから学ぶホスピタリティ
変化するウェディングのあり方
ブライダル業界の市場にはおおまかに、結婚式や披露宴といった「ウェディング」、ハネムーンや海外挙式などの「旅行」、結婚生活によって新たな需要が生まれる「衣食住」、結婚前の出会いやマッチングといった「プレ・ウェディング」などの4つの市場があります。
近年、結婚に対する考え方が変化する中で、結婚にまつわるモノやコトもその影響を受けています。中でもウェディングからは、「家どうしのあり方」の変化の影響が見られます。かつての結婚式はそれぞれの親の名前で招待状が作られて、手渡しがマナーとされました。現代の結婚式の多くは本人たちが主催して、親もゲストという位置づけです。招待や出欠確認がアプリで行われることも珍しくありません。
ホスピタリティとは何か
ウェディングの形が変わりゆく中でも、変わらないのが「ホスピタリティ」です。相手から求められたものを提供して対価を得る「サービス」に対して、相手の気持ちを推しはかり、求められるもの以上の喜びや感動を届けるのがホスピタリティなのです。ホスピタリティの集大成は、人生の一大イベントのウェディングで表れる、と指摘する研究者もいます。
お互いに喜びと感動が生まれる
大学で、地元の自治体と連携したシビルウェディング(市民結婚式)を、学生がプロデュースするプロジェクトが行われました。結婚式を挙げたいカップルを市民から公募して、学生が二人からヒアリングを重ねて、結婚式の準備をグループワークで進めました。「カップルとゲストに喜びと感動の体験を届ける」というゴールに向けて、意見の違いや難題を乗りこえて迎えた結婚式当日は、既婚のゲストから「私もこういう式がよかった」という声が聞かれるほどでした。さらに、喜ぶ姿を目の当たりにした学生にも喜びが生まれ、ホスピタリティをより深く学びたいというモチベーションにつながりました。ホスピタリティは、人間同士の高度なコミュニケーションから生まれるものと言えるでしょう。
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先生情報 / 大学情報
兵庫大学 現代ビジネス学部 現代ビジネス学科 教授 石川 夕起子 先生
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