看護職の多様なキャリアデザインで、地域の暮らしと医療を支える
求められる時代の変化に対応する看護職
少子高齢化によって、医療の場が病院から地域へと広がっています。地元の診療所や病院等と訪問看護ステーションなどが連携して患者のケアにあたる「地域完結型医療」においては、看護師は医師やケアマネージャー、介護福祉士、リハビリを行う理学療法士や作業療法士などの多職種と協働しながら、患者の暮らしと医療を支えます。増加している認知症患者のケアや、急性期を過ぎて退院した患者の重症化予防など、時代とともに必要な能力も変化しています。多様化するニーズに応えるために、看護師は能力をアップデートする生涯学習が求められています。
看護の要はマネジメントにあり
どんなに高い能力があっても、1人で24時間の看護はできません。安全で質の高い看護をチームで提供するには、組織的な看護サービスのマネジメントが必要です。看護職は、患者にとって必要な看護ケアを効率的かつ効果的に提供するために、ケアを調整し、チームの看護職や多職種と連携を図り、その結果を評価して、次のケアに活かします。こうした看護実践能力を高めるには、研修を受けたり、患者の事例を検討し問題解決を図るなど、多くの学習の場があります。看護職が持つ力をどのように高めて、いかに発揮していくか、能力開発支援に関する研究も行われています。
地域の暮らしと医療を支える看護
新しい看護サービスを作ったり、制度や法律を整えたりするのもマネジメントの一環です。世の中の課題を解決するために、新しい価値を創造していく精神である「アントレプレナーシップ」が注目されています。地域に必要な新しい看護サービスを起業するのも、これからの看護職のキャリアデザインの一つです。看護に関連した起業の例は、生活習慣病の予防事業や、医療用品をデザインする事業、重度心身障害者の発達支援・放課後デイサービス事業など幅広く、地域の暮らしと医療を支えるという点でも大きな可能性があると言えるでしょう。
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