すべての人に健康と福祉を!
生活習慣を変える
近年、単なる長寿ではなく、健康で幸せに生活できる期間を長く保つことが重視されています。その中で課題に挙がるのが生活習慣病です。食事や運動といった生活習慣に由来する、がんや脳卒中、心臓病などの疾患の総称です。しかし、つい食べ過ぎる、運動がおっくうなど、大人の生活習慣は簡単に変わりません。地域の自治体で保健師は、保健指導や健康診断を行うだけでなく、糖尿病や高血圧になった人に食生活や運動の指導など、その人にあった方法で生活習慣の改善を支援しています。
目に見える成果が効果的
南太平洋にあるミクロネシア連邦は、高カロリーな食事のため生活習慣病患者がとても多い国です。そのためタロイモやヤムイモを主食にココナッツを飲むといった、昔ながらのローカルフードに戻そうといった提唱がなされました。健康教育も行われてきましたが、日本と同じく、習慣を変えるのは大変です。そこで小学生への健康教育で意識を高める活動が行われています。教員も体に無理のないスロージョギングやダンス、食事の量を減らすなどの方法で減量に取り組み、なんと1カ月で10kgもの減量に成功した人も出ました。成果が目に見えると「自分もやってみよう」と、後に続く人が出てきます。
国際舞台で活躍する保健師や看護師
ミクロネシア連邦では、日本なら即入院という検査値の糖尿病患者を家に帰すことがあります。大きな手術は飛行機でフィリピンやハワイに渡って受けます。それも健康保険に入っている人に限られます。日本に比べて医療体制が不十分だからですが、それでも平均寿命は70歳を超えます。だからこそ、疾病リスクを下げるための予防は欠かせません。
同様の課題はほかの国々にもあります。国際協力機構JICAの海外協力隊で、日本の保健師や看護師も派遣されていて、海外で活動しています。人の健康に国や人種は関係ありません。健康を守ることで、国際協力の一躍を担うことができます。
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